紙の本
弥生は複雑
2019/07/02 11:04
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投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
その道の専門家の著述シリーズ。わかりやすい、弥生はいつ始まっていつ古墳時代に突入したか現在も解明中。だからロマンがある。
紙の本
縄文から弥生へ
2018/12/19 14:51
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
縄文時代、弥生時代、その間の変化、邪馬台国、古墳出現まで、
幅広く詳しく論じられている。
2010年発行と新しい本なので、以前は明らかではなかった
考古学的証拠などを元に記されていて、
読んでいて納得感があり、また、岩波新書という安心感もある。
昔、教科書で習った歴史とは、少し違うようなイメージの古代史だった。
以下本文より↓
『かつて、縄文後・晩期と弥生前期以後の文化に大きな差異が認められたのは、
その間をつなぐ縄文時代晩期後半もしくは弥生時代早期の段階の資料がほとんど
知られていなかったからである。
最近二〇年間の発掘によって、九州でこの段階の資料が蓄積されてくると、
明瞭に連続することがわかってきた。』
『 このように、縄文時代文化から弥生時代文化への移行は、
きわめて緩やかに進行したとみるのが順当である。
縄文文化と弥生文化を対立的に考える二〇世紀初頭以来の枠組みは、
すでに過去のものとするべきである。』
紙の本
弥生時代を中心に叙述
2018/11/26 09:32
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
考古学の方法で、旧石器時代から弥生時代までを概観する。中心になるのは弥生時代の評価で、縄文時代からの移行は緩やかであり、地域によって変化が大きいことを強調する。弥生時代を、縄文的な世界から政治的社会である古代史の世界への移行期と捉えるのだが、最後に邪馬台国やヤマト王権に触れる程度。もう少し古墳時代について叙述して欲しかった。
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続縄文時代の北海道、後期貝塚時代の沖縄が弥生時代に匹敵する・・というあたりが新鮮でした。
古代にも全国に渡ってヒトの移動があることがわかった。
古代の日本が鳥瞰図的に見ることができました。
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全6巻で刊行が始まっているシリーズ日本古代史の一巻目。近年、大きく見直しがなされている縄文時代、弥生時代について、最新の研究(あるいは藤村新一捏造事件による最新の研究の抹消)結果を踏まえ、また、北海道、沖縄、朝鮮半島など周辺地域への広がりを踏まえて概説する。
日本古代史については、時折ニュースなどで断片的な情報を得てはいるものの、体系だった論考を読むのはおそらく高校時代以来。お勉強になりました。
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縄文時代は、決して文化的に遅れた社会ではなく環境に適応した社会であった。そして、弥生時代は縄文時代と入れ替わったのではなく、少しづつ変化していった時代であった。そうした古代社会の変貌がリアルに理解できた。
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縄文時代とか弥生時代とかでまとめるのが難しいということなのか。この時代を現代の日本という範囲で捉えるのが問題なのかも
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考古学の最新成果による縄文・弥生時代の概説.縄文時代と弥生時代の連続性の強調,弥生時代における時代・地域ごとの多様性の紹介.
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内容は詳しくて良いのだけど、日本の考古学界だと
「縄文」「弥生」「古墳」がいつからなのかってそんな重要なのかな?
日本全国区で区切れるような
そんな区分があるわけないじゃんとしか思えないのだけど。
本文で頻繁にその話題が出て少し辟易していたのだが、
後書きのところで著者自身もその点は疑問を感じているとの所感があったので、
そらそうだと★1つ追加。
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最近の考古学の成果をふんだんに盛り込んで、改めて日本の古代史を問い直した意欲的なシリーズ。本書はその第一巻で、石器時代から弥生時代までを扱っている。3年前の刊行だが、state‐of‐the‐artな考古学に関する知見がまとめられていると考えていい。この本はその第一巻で、縄文~弥生時代に関する最新の情報がまとめられている。
僕が子供のころに教えられてた古代像とは・・・、縄文時代は狩猟採集、そのあと渡来人がやってきて、水稲稲作が始まり弥生時代になる、なんて画一的な教えられ方をしてきたもの。しかし、本書によると、今はそうは考えられていない。縄文時代と弥生時代ははっきりした時代区分ではなく、地域によって時間差をつけて、さらに地域による特色を維持しつつ、徐々に交替していったようである。
そもそも、稲作は、気候の冷涼化に伴い、従来の狩猟採集では不足した資源を補うために行われたようで、突如、渡来人が持ち込んで始まったものではないようだ。すでに縄文時代の終わりから、原始的な農耕は行われており、稲作はそれを基に徐々に浸透していった模様。
また、教科書では、渡来系の弥生文化が縄文文化を駆逐したかのように描かれている。が、実際にはそんなことはなく、弥生土器には縄文土器の影響が色濃く残っているし、漁労のような日本土着の縄文文化は弥生時代にも継続している。
弥生後期から古墳時代にかけて、日本の原型である倭という集団が形成されるわけだが、その出発はいかにも海洋民族らしい、gradualなものであることがわかる。
シリーズは全6巻。これからが楽しみ。
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旧石器時代から弥生時代後半までの歴史考察。考古学者の議論によって、歴史を解明してきた経緯を知ることができる。歴史の知識がある人で歴史好きなら、楽しめるはず。
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はじめに―三つの道筋から日本列島をみる
第1章 発掘された縄文文化
第2章 弥生時代へ―稲作のはじまり
第3章 弥生社会の成長―地域ごとの動き
第4章 弥生文化を取り巻く世界
第5章 生まれいづる「クニ」
おわりに―「弥生時代」を問い直す
著者:石川日出志(1954-、新潟県、考古学)
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弥生時代の前の縄文時代から弥生時代に至るまでを考古学の観点から記述したもの。年代に沿って、また地域ごとに記述していくスタイルにより、何がどう変わっていったか、地域ごとの差は何かといったことがわかりやすいのではないかと思われる。
以下、私見。
弥生時代から古墳時代への変わり目が面白い。
弥生時代の呪術的な埋葬から、次第に権力者の権力の象徴としての埋葬へと変わったのでしょうか。稲作が定着したての頃は天候や豊作を祈る呪術的な力が強かったんでしょうが、富と資本の集中により次第に世俗的な力が強くなっていったんだろうなと推測。
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学校で習ったステレオタイプの古代が改められた。石器、縄文、弥生、古墳。どれも単線的なものではないのだな。渡来人説のステレオタイプも改められた。
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弥生時代という名称から受けるニュアンスは、学校の歴史教科書でインプットされたものからの脱却はなかなか難しい。
何かしら、歴史の進歩という観点から、渡来人が持ち込んだ新たな稲作文明により、弥生時代に突入したという観念で頭脳が洗脳されてしまっていたようだ。
この本は、日本列島における旧石器時代の人類文化が実在することを証明した岩宿遺跡の発見と調査から説き起こし、定形的前方後円墳の出現の読み取れるヤマト王権の成立期までが述べられている。
朝鮮半島と密接に関係していた北九州地域からジワリと稲作文化が日本列島に浸透していったという緩やかな縄文時代から弥生時代への移行が日本各地の発掘調査から述べられていた。
現代人の時の経過の認識では想像のつかない緩やかな時間の経過のなかで、古代の歴史を検証していくことの重要性を改めて認識した著作でした。