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イギリス人アナリスト日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言(講談社+α新書)
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2014/10/21
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社+α新書
  • サイズ:18cm/200p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-272870-6

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イギリス人アナリスト日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)

著者 デービッド・アトキンソン (著)

ゴールドマン・サックスで17年間日本経済を分析し、退社後、日本の伝統文化を守る創業300年の会社の改革に社長として成功したイギリス人の著者が、日本の素晴らしさと改善すべき...

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イギリス人アナリスト日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)

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イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言

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商品説明

ゴールドマン・サックスで17年間日本経済を分析し、退社後、日本の伝統文化を守る創業300年の会社の改革に社長として成功したイギリス人の著者が、日本の素晴らしさと改善すべきダメな点を客観的に指摘する。【「TRC MARC」の商品解説】

元ゴールドマンサックスのカリスマアナリストとして日本の金融再編に多大な影響力を与えながら、日本の国宝・重要文化財を守る江戸時代より続く老舗企業の経営者へと転身したデービッド・アトキンソン氏が、オックスフォードの日本学とゴールドマンサックスの財務分析を駆使し、「日本」の経済と文化を深く考察。日本人だけが知らない「日本の弱みと強み」をわかりやすく解説する。【商品解説】

目次

  • 第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」
  • 第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
  • 第三章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
  • 第四章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
  • 第五章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
  • 第六章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす

著者紹介

デービッド・アトキンソン

略歴
〈デービッド・アトキンソン〉1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学で日本学専攻。ゴールドマン・サックス金融調査室長等を経て、国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社会長兼社長。裏千家茶名・宗真。

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みんなのレビュー34件

みんなの評価4.1

評価内訳

電子書籍

クールでは無いミステリアス・ジャパン

2015/10/25 10:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:okadata - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやあこれは爽快、バブル崩壊後に日本にメガバンクは四つあれば良いと書いた元アナリストで、現在は寺社仏閣などの文化財修理会社小西美術工藝社社長のデービット・アトキンソンさんの日本社会への提言。日本はまだまだ遅れた部分がある、だからそこを伸ばせば成長できるとこういうストーリーだが日本社会へのだめ出しっぷりが気持ちいい。

例えば非科学的なことを大真面目に語るミステリアスジャパニーズ現象の数々
メガバンクの頭取がプライベートバンキング部門を新設するとコミット、どれだけ人員を割きますかという問いへの答えは「5人!」、しかし日本人アナリストは「買い」推奨(笑)なぜかというと「頭取の目つきがいつもと違っていた!」だ。日興銀の頭取は合併を主張し、その根拠として「利益も少ないし、含み益はあるけど人も店舗も少ない、しかし実態を無視して株価は高い」と説明するアトキンソンさんに「この興銀の廊下から壁から。これまで日本経済を支えてきた産業界、経済界の人々のパワーが出ている。それが利益に反映されていないだけだということが、株が高い理由です」だと。元々銀行幹部はアナリストは「俺が言ってることを黙って書けばいいんだ」という態度だったらしいがそれは外国企業には通じないわなあ。

そんなアトキンソンさんの日本の現状の基本認識はこうだ。日本の一人当たり購買力平価GDPは世界25位、先進国ではアメリカ10位、ドイツ17位フランス、日本、イギリスが24〜26位だ。世界一の技術大国だというならアメリカやドイツに並んでいないとおかしい。

GDPに占める輸出入の割合が小さいのは成長のための大きなポイントになる。輸出ですら世界シェア3.9%でドイツの半分以下だ。そしてここからが本題で観光業には大きな可能性があるが日本は観光客が望むものを理解しているとは思えない。「お・も・て・な・し」を勘違いするとせっかくの資源が無駄に終わるよと言う話。アトキンソンさんは裏千家で茶道をやっておりお茶の基本は「もてなすための臨機応変」だという。普通の町の人の小さな親切の方がおもてなしとしては本筋なのだ。

イギリスでは観光客の多くが文化財を見に来るのに日本の文化財保護予算は余りにも少ない。しかもアトキンソンさんの修復には国産漆を使いましょうと言う訴えはなかなか受け入れられなかった。ただコストを下げろといのではだめで、観光客はその世界を取り巻くストーリーを体験しにくるのが「文化」なのだと。そして観光業が雇用も経済成長も呼ぶのだ。日本の予算はイギリスの1/10しかなく入札が無防備で工事終了後の検査制度がなく、つまりちゃんとした仕事もやっつけ仕事も入札金額でしか評価されていない。

アトキンソンさんの重要な指摘は「シンプルアンサー」を求める人が多いことだろう。アベノミクスで景気が良くなるとかもそのわかりやすい例だ。サッチャーもレーガンも効果が出るまで5〜7年はかかっていた。15年度の税収は予算を上回り54.5兆だとか。新規国債の発行は4兆円減らして37兆円。そして文化財保護費用は81億ほどで、観光業収入は149億ドルとマカオの1/3以下。だからといってカジノやIRに飛びつくのが「シンプルアンサー」だ。観光地でお金を落とす国民で日本に来ているのはアメリカと中国くらい。オーストラリアやヨーロッパのリピーターが来る様な施策が必要だ。外国人観光客が日本に来て食べたい料理はステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼き、お寿司、鉄板焼きと言う順。イメージとの違いはやはり数字に基づいた分析と細かい改善を積み重ねていくしかない。

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紙の本

感動

2015/12/23 23:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うらら - この投稿者のレビュー一覧を見る

「前々から思っていたけどうまく言葉にできなかった事を言ってくれてありがとう」というのが最初の感想。会社の上司や経営者の全く人の話聞かずやたらと上下関係にこだわるなど仕事と関係ないところにばかり力注いで馬鹿みたいなのが最近の日本企業の衰退の一つの原因かなと思ってたので。日本とイギリスじゃ違う事もあるでしょうが日本人でもおかしいと思ってる事沢山ある。あるけど変て言うの勇気がいる。言ってくれてありがとう。

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2015/05/21 12:47

投稿元:ブクログ

固い内容かな?と心配していたのですが非常に読みやすい
日本の文化財も経済の切り口から守れる事。日本の観光業が文化財を上手に活用していない事 等々が非常に分かりやすく書いてある。読み進んでいて楽しささえ感じる。
また日本人のそれなりのポジションに就いてしまった人たちに共通している 数字を分析をしない 面倒くさくてやらない 机上論 事なかれ主義 etc...
外国人から&アナリストの視点を通して面白いほど端的に書かれていて逆に小気味良い感じすらした。 
本当に成長したければ 分析と実践 事なかれ主義ではダメという事! 良い本☆

2014/11/22 00:59

投稿元:ブクログ

コンピュータの発達によって仕出しに代わっていき、全てが数字化されてきた。このアナリストはすごいという抽象的な評価ではなく、会社がデータを集めて分析したものが評価されるようになった。たとえば、このレポートでお客様からどのくらい注文があって、推奨した株がどうなったか、お客様は儲かったかは当然で、レポート数、頻度、質、周囲の評価、お客様の表か、訪問数、電話の数まで数値化されていきました。

2015/10/25 04:21

投稿元:ブクログ

耳が痛いし、カチンと来る所も無いではないが傾聴すべき点は多い。大企業であるほど、偉くなるほど無能になる(というか、無能な人間が多くはびこっている)、根っからのフォロワー気質でリーダー資質の無い日本人像。まるでWGIPのようだが、多くの優れたリーダーの必要な現代に国としてリーダーを育てられない仕組みは亡国的とさえ言えるだろう。
観光立国ありき、のような後半には疑問も残るが、観光立国とかオ・モ・テ・ナ・シを題目にすると金儲け根性が出てしまうので、若者の雇用の受け皿としての「職人」の市場を拡大するという見方にすると俄然期待感が増す。

2015/05/05 06:45

投稿元:ブクログ

読み終わってこんなにすっきりした本も珍しい。

著者のデービッド・アトキンソンさんは、元ゴールドマン・サックスのアナリスト。日本の不良債権を暴くレポートを発表して注目を浴びます。
発表当時は物議をかもしましたが、その後の経緯を見ればどちらが正しかったかはっきりします。アトキンスさんのレポートがかわいく見えるくらい、日本の不要債権はとんでもないことになっていたわけですから。
現在は、国宝や重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の会長兼社長を務めています。

そんな日本通の著者が、辛口で日本の問題点を指摘してくれています。人によっては感情的に不快になるのかもしれませんが、僕はすっきりしました。意味不明に繰り返される日本礼讃にうんざりしていたからです。
 
<目次 >
第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」
第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
第三章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
第四章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
第五章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
第六章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす

つづきは⇒ http://amba.to/1zX8OIG

2016/07/24 15:57

投稿元:ブクログ

1985年来日 バブル時代 日本への興味→日本経済と金融機関をアナリストとして分析→不良債権指摘して中傷→茶道 日本文化へ興味

GDPは人口と相関
高度経済成長→爆発的な人口増があったため、技術力があったからではない。
イギリス人としては、フランス経済のほうが順位が上にあるのは気に入らないが、人口の差なので仕方がない。
1人当たりのGDPは低い→人口の影響の理由 中国が世界一のGDPになるのは時間の問題
「日本がドイツを抜いて世界一の技術立国になった」→科学的根拠なし 信仰に近い

サッチャー レーガン 経済を上向きにさせるまでに5から7年
アベノミクスを1年で批判→シンプルアンサーを求めすぎ 早すぎる
農業改革→GDPの1%の産業で経済成長に寄与できない。

メガバンク頭取発表 富裕層向けのプライベートバンキング・数万人規模の組織で人員は5人→日本人アナリストは評価→非科学的なことを大真面目で語る日本人

本当の意味で日本の生産性を測る指標 購買力平価で見た国民一人当たりの国内総生産 日本25位

弱点の改善 ×産めよ増やせよ×外国人労働者→外国人が栄進するキャリアの可能性が少ないので無理
○ウーマノミクス GDPへの効果は薄い→日本が抱える作業生産性が悪いという課題が解決する可能性

日本のGDPに対する輸出量15%→200カ国以上で下から8番目→明らかに自動車産業のみの輸出

小西美術工藝社 文化財の漆塗りや彩色の修繕 漆→75%が中国産
国産を用い技術の継承 ほとんど人件費であり材料費は小額

文化財修繕業 客観的な評価が少ない世界、検査なし→職人のモチベーション低下→悪徳業者

鎌倉市 世界遺産不登録を勧告→街がゴチャゴチャ、ごみ、渋滞

経営もアートからサイエンスへ
日本の会議の話=苦労話が多い

国際比較という罠 ワールドカップでごみ拾い→日本の花火大会後は?

Ladies first根本は自力でドアを引けない、女性は弱いから男性が守る、子どもをたくさん産んでほしいから大事にしなくてはいけないという考え→英国 女性の社会進出遅れ 貴族院に女性1963年

お茶のペットボトル→社内で総スカン 市場調査をきちんと行っていない
産業によって外資系があまり参入していないので、競争が激しくない→他に選択肢がないので仕方なく選んでいる×「品質世界一なので選ばれている」
高校時代の音楽の先生「人は好みを知らない。知っている物の中から好んでいるだけ」

和食ブーム 魅力を勝手に日本人が考えている→×季節感、繊細
○消化しやすい、洗いものが少ない、調味料が場所をとらない☆簡単料理できる。すし=載せただけ
供給者側の理屈を押し付ける日本人の特徴

社内の会議 「悪い方と比べてどうする」
過去をすぐ忘れる→茶髪、ひげ→今は普通

重役出勤 プレゼンで「頭取が徹夜で数字を頭に入れました」→普段は頭に入っていないことに驚き

��行の不良債権指摘 「銀行-不良債権からの脱却」1994年日経新聞社
食品偽装ホテル、オリンパス、朝日新聞の従軍慰安婦報道→経営者には甘い
大臣盗聴のイギリス新聞社 1843年創立→廃業

日本の経営者 先入観、カン、「信長に学ぶ」、「竜馬を目指す」→経営者がまずすべきは生き様を真似るなどではなく、数字を見ること。

サッチャー「私はコンセンサスというものを、さほど重要なものであると思いません。あれは時間の浪費の原因のようなものですから」
決められない政治、経営 合意形成型政治を終わらせた人物
大戦後の英国 34年にわたり、雇用、社会保障、マクロ経済政策まで組合や経済団体と話し合い→党派を超えた常識
インドの独立、植民地解放→市場を失う
石油発見→ポンド高で国内産業が設備投資できず、悪循環→製造業の倒産
真面目に働くが数字に基づいて分析して実行することのできない体制=今の日本と同じ→政治手法の限界→ストライキ、国家機能停止→サッチャーの登場

民主主義では過半数が絶対 国益のためにしばしば強行される政治運営には女王までもが懸念→行き詰っていたイギリス経済の復活に大きく貢献

日本 既得権益が明らかに国益に悪影響 農業
和を持って…→東洋、日本だけの特徴ではない→英国の30年前=既得権益によって経済が低迷
「大半の民主主義」から「過半数の民主主義」へ

根回し社会は高齢者に有利 顧問・相談役→年2回少し話を聞いてもらえれば十分、口出しは有害

戦後 戦前のGDPの半分からスタート→戦前の高い生産力→何をすべきかが見えていた時代☆今もよく考えれば、何をすべきかはわかるはず

おもてなしスピーチ→単語を区切って強調する言い方→相手を見下している、バカにした態度ととらえられる。
法人が提供するサービス→評価は低い、臨機応変が効かない、堅苦しい

東京あリンピック イスタンブールー政治不安 マドリード→財政的不安
前回欠点とされた情熱のなさ→皇族の隣席、歴代メダリストの熱心なアプローチ
×日本のおもてなしが評価された→自国が外国人に無愛想だと思っている国はない

箱根の名門老舗旅館 3時前にチェックインさせず、レストランも使用不可
海外の一流ホテル→何かしらの対応はしてくれる
日本=供給する側の都合が優先 客の都合に合わせるという概念が欠如
客がいるのに閉店を知らせる店→欧州では珍しい、おもてなしの心がないと評価される。

日本のクレーム対応は説得→×「うちのサービスを理解してもらう」○クレームによって仕事のやり方を変える。

供給者側の都合 ガラケー

おもてなし 利休七則→客を快適にするためにいかに主人が心遣いをずべきか、相手の好みを察する、相手が求めているものを先回りして、それをもてなす
お茶の基本はもてなすための臨機応変→裏千家 組織を大きくするために型が協調されすぎ

日本 1人当たりの文化財修理予算は低い
英国 文化財=国民共有の財産、所有者は預かっているだけという基本的考え方
地域振興の起爆剤 新しい箱モノより文化財の修理と���活用が圧倒的に経済効果がある☆文化財がない場所は?観光客を呼べる文化財は少ない?

GDPに対する観光業の貢献度 世界平均9% 日本2%
日本にはお金を落さないアジアの観光客多い。
文化財の説明少ない→茶室(a tea-ceremony roomのみ)
ゆるキャラ→文化財に金を落とす外国人観光客は興ざめ
日本の観光行政 人が楽しむ文化財よりも人が入らない文化財の保護優先→観光立国を掲げるのであれば改めなければいけない。

2015/02/14 13:17

投稿元:ブクログ

五つ星つけて、本気で彼に学ばないとまずいと思うんだが、たぶん…まあ、やらんだろうな。
それができたら少子化対策とかもっと早く何とかなってるもんな。

でも最近、国内で通じた戦術を海外に持ち出して爆死する事例も出ているし、そろそろ本気でやらないと駄目になる気がする。
職人の後継者不足とか、根性がないだの若者論で片付けられていたけど、彼はさくっと解決しちゃえそうだもんね。
ただ彼の見解を受け入れた頃には手遅れ…といういやな落ちが見える気はする。

2014/10/28 19:03

投稿元:ブクログ

日本人は技術力があると言われているのは、本当なのかをサイエンスする必要がある。著者のデビッドは、例えば日本のGDPを見るとこう分析している。世界には242か国あり、人口が一億人以上の国は11あると言う。日本はその10番目。人口で考えれば、中国に抜かれのは当然となる。など、日本人には、分析する習慣がないので、感情論になる傾向が強い。なるほど。また、東京オリンピックのおもてなしの考え方は、上から下を見る見方だと喝破している。しかしながら、分析を深めれば、日本にはまだ伸びしろがあるとデビッドさんはまとめている。

がんばろ!

2015/04/03 19:10

投稿元:ブクログ

文化財の修復等を手がける小西美術工藝の社長であり、かつてはゴールドマン・サックスのアナリストだった英国人による日本への提言。
「ごもっとも」とうなずく事多し。

日本が自らの抱える問題点から目をそらしている現実を冷静かつわかりやすく指摘。
「おもてなし」「技術立国」などの、自己陶酔Wordに対して「本当にそうなのか」と分析しているところとか、けっこう面白いです。

苦言って大事。

2014/11/07 16:58

投稿元:ブクログ

著者は、ゴールドマンサックスでパートナーを務めた後、文化財の修
繕・補修を行なう小西美術工藝社の社長に就任するという、異色のキ
ャリアを積んだ方。ゴールドマン時代は、金融機関の不良債権の実態
を暴き話題になったそうです(驚くべきことに、銀行からは猛烈なク
レームや脅しを受けたそうです)。また、小西美術工藝社の社長にな
ってからは、旧態依然とした会社の体質改善に成功。まだ40代。こう
いう方を真のエリートというのでしょう。

本書は、金融と文化財という、二つの世界から日本を眺めてきた著者
による、日本論・日本人論であり、文化財保護や観光活性化に対する
具体的な戦略提言の書です。凄腕アナリストだっただけに、データに
基づくわかりやすい分析はお見事。あまりマスコミで語られることの
ない、日本経済の実相がよくわかります。そして、実際のデータを確
認することなく、感情論や精神論で物事を判断してしまう日本人のヤ
バさも。本書を読むと、いかに自分達の視野が狭く、偏ったものの見
方をしているかを思い知らされます。

後半部では、日本の文化財保護の実態と観光の問題点が語られます。
オリンピック・パラリンピックの招致に成功し、「お・も・て・な・
し」で盛り上がる日本ですが、それがいかに実体のないものなのかも、
指摘されます。そして、英国の政策などを参照しながら、文化財保護
を通じた雇用創出、観光活性化、地方創生戦略が提言されます。非常
に納得感のある提言です。観光立国に向けた具体的な処方箋と言える
ので、観光や地域経済に関心のある方、必読です。

外国人が見た「ここが変だよ、日本人」的な本はあまたありますが、
本書は、それらとは一線を画します。著者に、高い知性と教養、そし
て日本文化に対する深い敬意があるが故だと思います。

私達自身のことをよく理解できるようになる好著です。是非、読んで
みて下さい。

=====================================================

▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

=====================================================

三百年続いた日本企業の改革に成功して感じたのは、
「やるべきことをやれば日本の組織は劇的に改善する」
ということです。

イギリスのマーガレット・サッチャー首相だろうが、アメリカのロ
ナルド・レーガン大統領だろうが、先進国の経済を上向きにさせる
までは5?7年はかかっています。まず徹底的にマイナス面を出し
切って、改善して、そこからようやく経済が上向いていくという非
常に長いスパンの話なのです。

これに手をつけたら、すぐに結果がでてバラ色の未来が待っている、
というような「シンプルアンサー」を求めている人があまりにも多
いような気がしています。

「すぐに良くなる」「すぐに悪くなる」という単純明快な「シンプ
ルアンサー」を求めている限りは経済改革というものがう���くいく
わけがないのです。

数字に基づいた分析をおこない、細かい改善をひとつずつすすめて
いけば、成果というものは必ず現れます。

日本人ならではの良いところも、もちろんあります。日本人は恐ろ
しいほど前向き。いや、もはや「忘れっぽい」と言ってもいいかも
しれません。日本のサラリーマン文化も然りです。

「過去にとらわれない」「変化に対して前向きに対応できる」
これは非常に良いことだと思います。可能性に制限がないからです。

社長さんたちの多くは「信長に学ぶ」とか「坂本龍馬を目指す」み
たいな話が大好きで、よく勉強会もされていました。(…)しかし、
経営者がまずやるべきことは「生き様」を真似るなどではなく、
「数字」を見ることではないでしょうか。

「おもてなし」について重要なポイントは二つあります。ひとつは、
海外では「おもてなし」を受けたかどうか、評価をするのは客であ
って、供給者側が決めるものではないということ。そして、もうひ
とつが、日本人が自画自賛する「おもてなし」と、外国人観光客が
評価をする「おもてなし」は違う場合があるということです。

残念ながら、日本は「技術大国」「おもてなし」など自画自賛ばか
りをしているご都合主義がゆえ、社会のなかに蔓延するこのような
「効率の悪さ」に気づいていません。

(英国では)文化財保護を産業政策のひとつに位置づけて、文化財
の保護予算を増やしてきたのです。予算が増えたことで、英国文化
を守ることができたのはもちろん、文化財保護にまつわる様々な仕
事が生まれたことで雇用促進につながりました。特に地方経済が活
性化して、治安まで改善したのです。

海外のさまざまな国のデータでは、文化財などに興味のある観光客
は一日10万円を消費するというデータがでています。では京都を
訪れる外国人観光客一人当たりの消費額はいくらなのかというと、
1万3000円弱なのです。

(「ゆるキャラ」は)文化財にカネを多く落とす外国人観光客から
すれば逆に興ざめしてしまうような「子どもだまし」の観光PRと
いう印象を異だいてしまうかもしれません。

海外において文化財保護の基本はPreservationとPresentationの
両方といわれます。つまり、保存しながら、それをどう人にアピー
ルするかということです。

忘れてならないのは「自然保護」です。日本は一平方キロメートル
あたりの植物と動物の密集度が世界一だと言われています。
これは間違いなく日本の財産です。この自然を見たくてやってくる
何千万という外国人観光客に楽しんでもらいつつ、それを維持して
いく整備も今後は求められていくのではないでしょうか。

地方は歴史と文化と自然の宝庫ですから、文化財を中心とした観光
戦略というのは真の地方創生戦略になるのではないでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

欧州各国にとって、観光は極めて重要な産業です。先日訪れたオー
ストリアでは、観光が第一の産業と位置づけられていました。

オーストリアに行って感心したのは、どこの町も綺麗だったことです。文化財の
維持修繕にお金をかけているということもあるのでしょうが、観光と関係のない
仕事についている普通の市民が、「綺麗にしておかないと、観光客が来てくれ
ない」と言っていたところを見ると、市民一人一人の力が大きいのではないかと
思いました。

どの地方都市に行っても文化財がある状況を見て、一緒にいた日本人の一人
が、「過去の遺産で食っている国だ」と嫌味を言っていましたが、その過去の遺
産をきちんと守り、綺麗に保つ努力をしていることについては、思い至らなかった
ようです。

オーストリアの次に行ったドイツの農村の美しさも印象的でした。農業がちゃん
と生きていて、その日々の営みが美しい風景を生み出している。そして、家や
道も、とても綺麗に手入れされていて、それが独特の美しさを生み出している。
暮しと結びついた美しさというのは、本当に特別ですね。

日本では失われつつある美しさが、ドイツにはまだきちんと息づいている。その
ことにショックを受けると同時に、農村もここまで美しくなれるんだ、という希望
というか目標をもらった出張でした。

2015/01/18 12:43

投稿元:ブクログ

転機が訪れたのは、1937年のナショナルトラスト法改正。買取だけではなく貴重な資産の所有者とナショナルトラストが保存の契約を結び、両者が協力して資産を保護し、管理することを認めた。所有者には相続税の減額などの特典が与えられることとなり、大規模改修や土地をナショナルトラストに寄付する所有者が増えた。チャーチルや「ピーター・ラビット」の原作者であるビアトリクス・ポーターという著名人も、所有する屋敷や土地を提供した。

2016/05/11 12:34

投稿元:ブクログ

ネットニュースでアトキンソンさんの事を知り、急速に興味がわきました。
日本のいい印象と悪い印象、アナリストという仕事での経験を全て持っているからこそ書ける、とてもバランス感覚のいい発言だなと思いました。日本の文化財にかけるお金は本当に少なすぎる!これを参考にして、アトキンソンさん以外の会社も頑張っていかなければならないのではと思わされました。。

2014/12/12 08:58

投稿元:ブクログ

イギリス人による日本の観光業への提言。ジャパニーズは数字を見ないご都合主義だと言い放ち、表面的なおもてなしをも否定する。批判覚悟の主張ばかりではあるがその内には日本愛が感じられる。日本という国を忘れてしまった日本人にこそ読んでもらいたい一冊。

2015/01/09 23:45

投稿元:ブクログ

日本人の「おもてなし」に関する誤解や、日本人がそれを勘違いして使っているという点が非常に興味深かった。
特に、日本人ではなく、日本という国家として考えた場合は、必ずしも高評価の「おもてなし」になっていないという指摘にはドキっとさせられた。するどい分析だと思う。

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