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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2015/09/08
  • 出版社: 小学館
  • レーベル: 小学館文庫
  • サイズ:16cm/589p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-09-406201-4

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紙の本

ディセント生贄の山 (小学館文庫)

著者 ティム・ジョンストン (著),中谷 友紀子 (訳)

その夏、家族はロッキー山脈のリゾートタウンを訪れていた。十八歳の娘ケイトリンは、トラック競技の奨学金を得て大学進学を控えていた。両親にとっては、円満とはいえない夫婦関係を...

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ディセント生贄の山 (小学館文庫)

税込 1,023 9pt

ディセント 生贄の山

税込 1,023 9pt

ディセント 生贄の山

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商品説明

その夏、家族はロッキー山脈のリゾートタウンを訪れていた。十八歳の娘ケイトリンは、トラック競技の奨学金を得て大学進学を控えていた。両親にとっては、円満とはいえない夫婦関係を修復するための旅だった。旅行二日目、ケイトリンはマウンテンバイクに乗った十五歳の弟ショーンを伴って、早朝の人けのない山奥へランニングに出かけたのだが…。その後、ショーンは重傷を負った姿で発見され、ケイトリンは山から戻らず、失踪事件として山岳一帯での捜索が始まった―。全米で激賞されベストセラーとなった、リテラリー・スリラーの傑作、待望の邦訳。【「BOOK」データベースの商品解説】

家族でロッキー山脈への旅行中、大学進学を控えた18歳の長女が失踪した。それから3年、バラバラになった父母と弟の絆は、そして娘の生存は? 広大な自然を背景に被害者家族の苦しみと再生を描く。【「TRC MARC」の商品解説】

ロッキー山脈の自然を背景に家族再生を描く

O・ヘンリ賞、キャサリン・アン・ポーター賞などを受賞したYA作家ティム・ジョンストンの、初の本格ノベル。
妻アンジェラとのぎくしゃくした関係に終止符を打つため、大学進学を控えた娘のケイトリンと息子のショーンを誘い、ロッキー山脈への家族旅行へと向かったグラント。しかし旅行中にランニングに出かけたケイトリンは、自転車で追いかけてきたショーンを車ではねた男に連れ去られてしまう。
ショーンは一命は取り留めたものの、ケイトリンの行方は知れず、やがて事件がきっかけで家族の心はバラバラに。夫婦は別居し、グラントと暮らしはじめたショーンも家を出て放浪生活をするようになる……。
全米で話題沸騰、ロッキー山脈の広大な自然を背景に、被害者家族の苦しみと再生を描いた感動の物語。【商品解説】

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みんなのレビュー4件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

犯罪から炙り出される家族の在り方

2019/10/30 22:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る

久々に考えさせられもし、驚かされもした作品だった。
いわゆるミステリー、犯罪小説というジャンルの定義を大きく打ち破って人間というものの在り方にまで思いを馳せるに十分な読み応えがあった。
強いていえば、トマス・H・クックを彷彿させる。被害者家族それぞれが、抱える問題やそこからもがきながらも自分たちの人生を続けようとする各人の姿勢が読む側にもぐいぐい迫ってくる。特に姉の誘拐現場に居合わせながらも、何もできなかった弟のその後の人生がアメリカの雄大な自然を背景にしながら深く心に突き刺さる。そして様々な人々との出会いを通して大人になってゆくという成長物語にもなっている。さらに準悪役といっていい男の生き方にも味わいがあり、悲劇に直面して人はどう生きるのかという大きな問題とがっぷり四つに組んで、様々な選択を提示してくれた。なんとも贅沢な作品で、いずれ自分も岐路に立ったときにまた読み返したいと思った。

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紙の本

スリラーという形を借りた文学

2016/05/31 22:17

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

そこそこの厚さですがしっかり読ませる。
なんというか・・・アメリカが抱える現在の病巣を全部入れして文学的に仕上げた、という感じであった。
取り上げられるのは関係に行き詰まりを感じている夫婦と、今度大学に入る娘と2歳下の息子の4人家族。
ロッキー山脈のリゾートに休暇に来て家族の絆を取り戻そうとするのだが、ジョギング高地練習(彼女は陸上で奨学金を取り大学に進むことになっている)で山道を走っていた娘がバンに乗った男に突然さらわれる。 自転車をこいで姉を追いかけていた弟はバンに跳ね飛ばされ、脚に後遺症が残るほどの大怪我を負うことに。 そこに至るまでに状況がおかしいと感じた娘からの携帯電話コールに気づけなかったと自分を責める父親、そして勿論自分も責めているんだけれど、一緒にいた弟が何故助けてくれなかったの?という(理不尽な)気持ちを拭いきれない母親。

保安官その他周囲の人々が大捜索をしてくれたのに一向に見つからない娘の姿と、ただ時間だけが経過していくむなしさ。
そして約2年が経ち、娘がいなくなった現場近くに家を借りて今もずっと探し続ける父親と、自責の念と家族や日常が壊れたことに耐えられなくなって家出する弟、娘が生きているという希望を持ち続けることに疲れて娘は死んだものとして自分の人生を封じ込めてしまい、家族から離れることを選んだ母親と、それぞれと関わりを持った人々との人生の交差がタペストリーのように展開する。

表紙のように内容はスリラーではあるものの、家出中の弟の描写はロードムービー調で、家を提供してくれた老人と父親との交流はただのご近所というレベルを超えた<近い痛みを持つもの同士>の疑似親子的関係に映るようになるし、それ故に老人のダメ息子はもっと自分の居場所をなくしたように感じて更にワルぶることになるんだけれど、かといって最後まで悪いやつでいるわけでもない。

神はいるのかどうなのか、悪とは・罪とはなんなのかという話も出てくるし、損得を考えない人々のやさしさもまた描かれたりする。 それぞれどれかひとつにでも踏み込みすぎれば、まとまらずにとっちらかりそうなのに(まぁその分長いんだけど)、破綻することなく終幕を迎えているのは素晴らしい。

著者略歴のところを見たら、この作品の完成に6年半ぐらいかかっているらしいので、それはそれで納得。
書く側はそれだけの時間をかけているのに、読む側は一週間もかからないというのは・・・大変申し訳ないような、でもそれも賛辞のひとつになるような。 読者として、ちょっと複雑な気持ちになった。

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紙の本

ニンゲンミステリー

2015/10/14 21:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヨンデリーヌ - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間が描けていてこそのミステリー、とは常より思っている事。
その人間が描けていればいるほど、じゃあ、何もわざわざミステリーに分類しなくたって…という事でもあるのだが(笑)

大学入学目前の姉が〈娘が〉連れ去られた…?!
目の前で姉を連れ去られた弟のディセント(下降、転落)、
娘の消えた場所に縛られる父のディセント、
自分自身の過去の「喪失」にも捕らわれる母のディセント。
そして娘自身ははたして…?!

過去へ、今へ、「娘」の居る場所、「家族」それぞれの場所、と、プロットは変幻自在に行き来するのだが、話は混乱することもなく、そこから編み出される緊張感にミステリーを超えたハラハラドキドキを味わえる一冊。

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2022/11/08 11:41

投稿元:ブクログ

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