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商品説明
短歌は美しく織られた謎。言葉の糸をほぐして隠された暗号を読み解き、確かな読みで、その魔力を味わう。スリリングな短歌随想。藤原龍一郎・穂村弘との鼎談も収録。『小説新潮』連載を単行本化。〔「北村薫のうた合わせ百人一首」(新潮文庫 2019年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
短歌は、美しく織られた謎……言葉の糸をほぐして、隠された暗号を読み解く。歌と歌を繋ぐ糸を見つけて、向かい合い、背を向け、また遠く離れてなお響き合う、歌の奏でる音を聴く。独自の審美眼で結び合わせた現代短歌五〇組一〇〇首。塚本邦雄+石川美南から、三井ゆき+佐佐木幸綱まで、短歌総数五五〇首を収録。確かな読みで、その魔力を味わい尽くす、前代未聞のスリリングで豊かな短歌随想。【商品解説】
著者紹介
北村薫
- 略歴
- 〈北村薫〉1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。教師の傍ら、89年、覆面作家として「空飛ぶ馬」でデビュー。「鷺と雪」で直木賞受賞。ほかの著書に「詩歌の待ち伏せ」など。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より
書標(ほんのしるべ)さん
短歌なぞとは縁のない若造だが、北村薫のファンゆえ読んでみた。
著者の選んだ二首が冒頭に置かれ、それに著者自身の随想が続く。全部で50章あるので短歌は100首。
まず短歌のカップリングに驚く。
《シースルーエレベーターを借り切って心ゆくまで土下座がしたい》斉藤斎藤
《疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに さんた、ま、りあ、りあ、りあ》葛原妙子
そしてこの章は「祈り」と題されているのである。一体何のことかと随想のほうを読んでみれば、話はジョージ・エリオットやら『罪と罰』やらへ次々と飛び、それでいていつの間にか冒頭の短歌へ戻っている。そして読者は二首の間の隠れた符合と対照に気づかされる。さすが熟練のミステリ作家。思わず前のページに戻って読み返してしまう。
著者は言う。「ある歌とある歌を結ぶ断ち切り難い糸が、自然と見えたりする。無論、わたしにとっての糸だ。歌と歌が向かい合い、背を向け、またある時は、こちらの丘とあちらの丘の頂きのように遠く離れ、しかし、確かに響き合う。そういう音を、わたしは聴いた。」
われわれ読者もまた、本書を通じて「そういう音」を聴く。有名な歌も、著者の手にかかると全く新しい音を響かせる。みんなの国語の先生こと北村薫に導かれ、五・七・五・七・七の小宇宙に心ゆくまで浸ろう。