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短歌。鼎談。『波』2016.3にて。北村さんの読み解く短歌たち。北村さんの本だけあって、北村作品のどこかで出会ったような話もあった(森鴎外と小堀杏奴のやりとりはどこで読んだっけ…)。答えを見つけるよう章、夢想を広げるような章ととりどり。ちょっと難しいな…と思うところもあったけど、仙波龍英と藤原龍一郎の出会いの因縁は読んでいてドキドキした。剃刀研人って御用聞きに来たの?と親に聞いてみたりした。
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二首ずつセットで50組の和歌が紹介される。生活感あふれる歌はロマン的ではないが、生々しい感動の瞬間をリアルに思い出させる。「サブマリン山田久志のあふぎみる球のゆくへも大阪の空」(吉岡生夫)「万智ちゃんを先生と呼ぶ子らがいて神奈川県立橋本高校」(俵万智)「ひとひらの雲が塔からはなれゆき世界がばらば らになり始む」(香川ヒサ)などは忘れられない歌だ。「先生を万智ちゃんと呼ぶ」時代との解説も楽しい。童謡「サッちゃん」との対比が面白い。
この他引用されている中では以下が印象に残った。「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり」(若山牧水)、「はつなつの、うすむらさきの逢瀬なり満開までの日を数へをり」(横山未来子)、「かなかなやわれを残りの時間ごと欲しと言いける声の寂しさ」(佐伯裕子)。また山中智恵子「神末」の美しい歌集はぜひ読んでみたいと思った。
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短歌だけじゃなくて文学全体が好きな人に。おもしろいのよ、ものすごく。しかし読みづらい。その理由を言うと、文字が多い、みたいなあほな感じになってしまう。レイアウトとかそういう次元の問題だと思う。
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タイトル通り、2首を合わせてエッセイと共に載せてある。
短歌って短いから、私はつい読み飛ばしてしまったり印象に残らなかったりしがち(だからこんなに好きな短歌をあげられるのがまずすごいと思ってしまう)なのだけど、エッセイと一緒に読むとじっくり味わえるなと思った。
対談でも上がっていた 「19 崩壊の調べ 」なんかが印象的。
北村薫がこんなに短歌への造詣が深いとは知らなかった。
短歌が傍らにある日々、素敵だろうなぁ。
(ただ、面白いんだけど、行間の狭さと、エッセイの中に冒頭の2首が出てくるまでにしばらくかかる上にそこまでに別の短歌が出てきたりするのは少し読みにくいかなぁ…冒頭の歌を忘れてしまう…何回も読むからそれが逆に良いのかもしれないけれど。)
最後の対談を、我慢できず本編の途中で読んでしまったのだけど、この本を楽しむスタンスや、更には短歌を楽しむスタンスみたいなものがつかめた気がして、面白かった。
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あいかわらず勉強になるのですが、
エッセイの出だしが
冒頭の短歌とずれるので、
少々読みにくいような気が・・・
何度も読めば気にならなくなるのでしょうか。
まだまだ勉強不足ですね。
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刊行記念に新宿の紀伊國屋書店で氏がお話しされると言うので聞きに行った。丁寧にお話ししてくださって、勉強になったと記憶しているが、配られたはずの短歌の資料…本に挟んでおいたはずが、今見たら、無い…。
当時、ある作家の奥様が亡くなられたというニュースがあって、この本に出てくる歌のいくつかがとても響いた。