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デューン砂の惑星 改訂版 1 みんなのレビュー
- フランク・ハーバート (著), 矢野 徹 (訳)
- 税込価格:792円(7pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:1985.2
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紙の本
別世界の壮大な歴史物語と思えば、読み易くなるのではないでしょうか
2005/08/13 18:35
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が持っている『デューン砂の惑星』第1巻の発行日は、昭和47年12月31日になっている。カバー絵は石森章太郎だ。当時小学生だった私がこの本を手にするつもりになったのは、この作品がヒューゴー、ネビュラ両賞受賞作だったからでなく、ハヤカワSF文庫を順に読んでいたからでもなく、ただカバー絵が石森章太郎だったからというそれだけの理由だった。小学生の考えることは恐ろしい。
だから、初めて読んだ時は非常に難解で、書いてあることの3分の1も分からず、ともかく巻末の用語集を何度も何度もひっくり返しながら何ヶ月かかけて読み終えたという覚えしかない。でも、何か惹きつけられるものがあったのだ。
後にデビッド・リンチにより映画化された時にももちろん見たし、その時にもこの原作を読み直した。そして、テレビ化されたというのをレンタルビデオで知り、それも見た。そして、結局原作に戻ってきてしまった。
さすがに小学生ではなくなっているので文章の難解さについては余り苦にならなくなった。そして、色々な評価も忘れて読んでみれば、やはり面白SFなのだということを改めて感じさせられた。
この第1巻は、後に続く長い物語のプロローグに相当し、今後活躍する登場人物がきちんと押さえられながら、物語全体を覆っている様々な視点が提示されている。そして、いずれ主人公の父親が死に、主人公が放浪を始めるのだということを暗示する不安がちりばめられている。
エコロジーを先取りしていた作品だとか、『ナウシカ』に影響を与えた物語だとか、いろいろと言われてはいるが、ただ単純にどこか別世界の覇権争いと、少年の成長、預言者の出現の物語だと思えば、もっとこの物語を楽しめるのではないだろうか、と20年ぶりに読み始めて思っている。
それでも、時々どうしても巻末の用語集を見返してみたくなってしまうのだけれど、それも楽しみの一つだと思えばいいのかもしれない。新しい世界を知るには、どうしてもその世界で通用している言葉を知らなければいけないのだから。
紙の本
続編の復活を待ち望みます!
2003/11/29 14:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あいねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「砂の惑星」「砂漠の救世主」「砂丘の子供たち」の全三部作。中学生の頃、石森章太郎の挿絵に惹かれて読み始めて以来、30半ばになる今まで数え切れないほど読み返しています。墓場までもっていくつもりの小説です。
この三部作に続いて「砂漠の神皇帝」「砂漠の異端者」「砂丘の大聖堂」が発刊されていたのですが、なぜか今は絶版。
わたしのデューンシリーズはいまやボロボロです。なんとか再版出来ないものでしょうか? 出来れば新しいものに買い換えたいのに!!
三部作以降の作品が大変面白いんです。みせかけだけの愚かさに真の姿を隠していたベネ・トライラックス、ダンカン・アイダホのゴーラ、そして恐るべき能力をもつ「誇りある女たち」。そしてダンカンが幻にみる謎の二人の老男女…。しかしもっともっと面白くなりそうなところでハーバード氏が亡くなられてしまい、未完のまま終わってしまいました。
絶版になっている部の復刻版をぜひ出してください、お願いします!!
紙の本
SF上級者?にお奨めします
2003/02/13 14:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
アラキス…砂丘…砂漠の惑星。
ポウルの夢に一面乾ききった死の世界が広がる。
そこが、彼がこれからの一生を過す所なのだ——
アラキスは苛酷な星ではあったが同時に唯一の老人病特効薬メランジの宝庫でもあり、
皇帝の直命を受けたアトレイデ公爵にとって、そこを仇敵ハルコンネン家にかわって
支配することはこの上ない名誉と富を意味した。
一人息子ポウルに、より豊かな未来を継がせるのだ。
ハルコンネンの復讐の罠を、皇帝の恐るべき奸計を、充分承知しながら公爵はあえて
砂の惑星に乗り込んでいく…!(巻頭解説より)
1984年に映画にもなった大作SF小説です。謎に満ちた世界観、思わせぶりな
登場人物、難解な社会設定、不可思議な小道具…、用語集が必要なほどとっつき
難い作品です。
しかしながら、デューンの世界に嵌まり込むと抜け出しがたいほどの魅力に満ちて
います。
この第1作は4巻に分けて出版されるほどの分量ですが私は一気に読んでしまい
ました。
ストーリーは隠喩と指示語で進んでいくので非常に難解な文章になっています。
日本語訳は困難であったと思われ、訳者の矢野徹さんの苦労が偲ばれます。
少なくとも小説をあまり読まない方が最初に読むSFとしては不適当です。
しかし、SFマインドは素晴らしいものがありますね。SF者にはこたえられない
作品です(笑
作者のフランク・ハーバートは1986年に亡くなっていますが息子のブライアンが
完結を目指して新シリーズ「Dune 公家(ハウス)アトレイデ」を書いています。
父親に比べてストレートな表現が多くプロットもひねりが少ないので少しは読み
やすくなっています(味が無い、芸が無いとも言いますが…)。