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水滸伝 4 道蛇の章 みんなのレビュー

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みんなのレビュー12件

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12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本

世の中をさらに見て仲間を広げる宋江の旅

2001/05/28 00:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:格  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 四巻の中心は宋江。梁山泊がいくら強大になろうと、それだけで国をひっくり返すことはできない。点の闘いを広げ、線から面へ広げなければならない。そのために、世の中を広く見て、ほうぼうでいろいろな危険に遭遇しながらも、仲間を広げていく必要がある。そして、結局は素晴らしい男たちを感化させていく。
 そんななかからついに李春が立つ。梁山泊と連携せずに立つ初めての『替天行道』の旗。李春は、言う。『俺は自分が生きていると、初めて心の底から思うのだ』。このような想いを持てる男こそ、羨ましい。
 梁山泊はついに決心し、外へ打って出て簡単に成功するが、外の町を経営していくことは難しい。敵もすごいがそれ以上に、歯向かうことは容易でも、治めることは自分の逆の立場になることであり、もともと難しいことなのであろう。
 そして、敵の青蓮寺はいよいよ頑張ってくる。『国に対する思い。おまえがそれさえ忘れなかったら、何をやってもよい、と私は思う。自分を苛みながらでも、おまえはそれをやりとげるはずだ』。敵の総帥の言葉だ。泣かせる言葉だ。強い敵がいればこそ、梁山泊の者達が生きてくるのだ。この巻のもう一人の主人公はこの言葉を掛けられる李富と言ってよい。深く悩みながらも馬桂を使い、楊志に迫ってくる。そして、宋江も危機である。次巻が待ち遠しい。しかし、次は9月だそうである。哀しい。

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紙の本

原典「水滸伝」とは全く異質のこの面白さはどこから出てくるのか

2004/07/08 16:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

三巻まで読むとどうしても原典「水滸伝」とどこが違うのかを当たってみたくなるものだ。梁山泊の首領である宋江だが、少年時代に読んだ簡略本では共感できる人物とはとうてい思われなかった記憶しかない。中国文学に詳しい高島俊男著の『水滸伝の世界』(ちくま文庫)を参考にして、なるほどと納得したしだいである。「弱いだけでなく、意気地なしである。腕が立たぬかわりに頭がいいのかというと決してそうではない。短慮で、血のめぐりがわるい男なのである。人格が立派かというと、これはまた決してそうではない。宋江のやることは卑劣で陰険である。見かけぐらいは立派かというと背が低くて色が黒く、さっぱり風采のあがらぬ男なのである」。やはりそうだったのか。絶対に英雄・好漢、大組織のリーダーにはあてはまらない人物なのだ。
北方謙三版の第一の面白さはこの宋江の人格を換骨奪胎し全く別の人物にしたてあげたところにある。
君主独裁を打倒する「替天行道」の志を至高のものとする革命児である。親を敬愛し、兄弟を慈しみ、同士への仁義、誠実を貫き、弱者への思いやりは篤い、男の中の男が宋江なのだ。そこでは今日のわれわれが見失った「人倫」が尊ばれる。ただ彼には「忠義」というあの忌まわしい観念はない。人材登用の妙、識見と大局観による判断力、決定した方針に対する責任感。自らの死を賭した戦さである、人命の重さと大量の死、この背反する過酷な現実に向き合う本物の勇気、カリスマ的吸引力など現代に通じるすぐれたリーダー像がそこにある。一方で彼はいたるところで見えてくる自身の弱さを隠さない。スーパーマンではない俗世界に生きる生身の人間の魅力があって、親近感もあふれる。このあたりの造形がハードボイルド作家の面目躍如たるところだ。
その宋江が第三巻末で妾の閻婆惜を兄宋清に殺害される。宋江の脆さが原因でもある事故である。殺害犯は自分であるとして逃避行が始まった。梁山泊運営を晁蓋に委ね、拳闘の達人、行者・武松を唯一の従者とする、人材発掘と民衆生活の現状把握を目的とした放浪の全国行脚である。
内容は違うものの「閻婆惜事件」は原典でも有数の劇的エピソードなのだ。北方『水滸伝』にはこれら原典のきらびやかなエピソードが形を変えて随所に取り込まれている。原典ではすべての著名なエピソードが梁山泊の帰趨とはかかわりない独立した話として完結しているのに対して北方版ではこれらに梁山泊対青蓮寺の抗争という次のストーリー展開の伏線としての重要な役割を与えている。
このサスペンスフルな仕掛けが第二の面白さである。
閻婆惜の母親・馬圭はもともと梁山泊側の間者であったと設定している。青蓮寺側は周到に殺害は宋江の手によるものとし、殺し方の残忍さを強調する目撃者をでっち上げる。馬圭の梁山泊に対する憎悪をかきたて、セックスをもって篭絡し二重スパイ、梁山泊要人の暗殺者に仕立て上げる。
一方宋江の従者には天衣無縫の恐るべき殺戮者・李逵が加わった。
次の展開がまちどおしいですね。

書評集「よっちゃんの書斎」はこちらです

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2006/06/23 07:21

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2009/07/02 12:37

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2010/11/22 21:32

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