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紙の本
行定勲監督映画化原作
2018/05/27 04:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
5人の男女のバラバラな姿が面白かったです。同じマンションに住みながらも、お互いを理解することのない距離感が心に残りました。
紙の本
5人の男女それぞれの距離感に共感できたあなたは、もはや吉田作品の虜である。
2004/01/22 16:18
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投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田修一の作品はある種独特の“若者の息づかい”が聞こえる。
もはや現代に生きる“若者の代弁者”と言っても過言じゃない。
同じ読者と距離感の近い作家の石田衣良ほどお洒落ではないが、内面に潜む本音をあぶり出している。
最新作『東京湾景』で恋愛小説という新境地を開いた吉田さんの出世作とも呼べる作品である本作は、山本周五郎賞を受賞された事で記憶に新しい。
内容的には先の見えない青春真っ只中の5人の男女の同居生活を描いた作品である。
5章から構成されていて、1章ごとに登場人物が主役を演じ、いろんな関係を読者に披露しながら展開して行く。
ただ、単なる爽やかな青春物語じゃない。
他のどの吉田作品よりも“本作は奥が深い”のである。
性別問わず5人の男女それぞれに共感出来る点は特筆すべき点である。
やはり読者が読んでいて情景が本当にリアルに目に浮かぶ点は吉田さんの力量の確かさだと言えよう。
特にセリフのビビッドさにはいつもながら舌を巻く。
誰もが持っている孤独感・閉塞感・空虚感を見事にラストで具現化されている。
ただ、このラストは読み手によっては不満かもしれない。
きっと評価が分かれるであろう。
率直な読後感としては“怖い”という言葉を敢えて使いたい。それは“現実の厳しさ”投げかけてくれてる他ならない。
不満がある方はやはり吉田さんの小説は合わないのかもしれない。
トラキチのブックレビュー
紙の本
パークライフはなんとなく
2003/09/16 04:48
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投稿者:ゆうこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに徹夜して一気に読んだ本です。
人はそれぞれ誰にも言えないものを抱えて生きている。
心の底の真っ黒な真っ黒な感情もたくさんあるけれども、そういうものを、上手く包み隠してなんとか上手くやっていく。
この小説の登場人物は闇を抱えつつ、でも、みんなさみしい。
さみしさを寄せ合っている。
私が一番はっとしたところは、サトルが、友達も一緒に暮らしていいかと聞いたとき、なに勘違いしているの。と言われたところ。
怖かった。
絶対深入りしてはいけない距離のとりかた。
空虚なものを抱えながら、それでも人はさみしいから。
ラストの衝撃もあったけれども、読んだあと、なんだか恐ろしい気持ちにさせられた。
パークライフはなんだかぴんとこなかったけれども、吉田修一の作品はやはり、冷静で淡々とした文章の中に暴力的でじわじわとした恐ろしさを感じさせるところが上手いと思う。
紙の本
本当の自分
2002/06/06 18:33
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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“本当の自分”を誰にでも正直になんて見せられない。汚い感情を隠して相手に合わせて適当に笑っている。誰だって多かれ少なかれ自分を演じているのかもしれない。そしてそんな風に自分を演じていると、いつしか本当の自分がわからなくなった…そもそも本当の自分なんているのだろうか?
この物語の主な登場は5人。彼らは2LDKのマンションで共同生活を送っている。それぞれの役割を演じながら、寂しさや感情をもちこまず、ただ淡々と適当な距離をあけながら生きている。だけどある日、起こった事件をきっかけに抱えきれない日常の違和感が溢れ出す。この不透明な現代社会で、生きることの意味、本音を言える相手を見つけ出すのは難しい。つまらない毎日・孤独感・空虚な日常・現代社会の闇・若者の切なさをリアルに描いた作品。
紙の本
他の作品も読みたくなりました。
2002/04/23 21:39
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投稿者:どしどし - この投稿者のレビュー一覧を見る
2LDKで共同生活する5人の関係性にこの作品の特徴があります。この5人はそれぞれ住み始める当初、特別親しいとか恋愛関係にあったりするわけではありません。また、共同生活をしていく中での距離感が微妙なところでそれぞれがまるで独立して無関心というわけではなく、かといって強い絆があるとかいうわけでもない。逆に、恋愛関係にあった人は同居をやめてしまったりしています。
途中こうした関係がチャットやBBSにたとえられるのですが、それがこの関係性や距離感に近いということに確かにうなずけるし、あるいは都市社会の人間関係を見出せるでしょう。 登場人物自身がそうした関係について考えさせるところなどを読んでいると、いかにもその裏に深い洞察があるに違いないと思わせるものがあります。
また、文体が軽くユーモアを出しているのがそれぞれの人間関係の(それは現代の人間関係ということでもあるのだが)あり方をも表現していることにもなっている、のかもしれません。どちらにしても、読んでて楽しいのが好きなところですけど。