紙の本
どんな会社を目指すのか
2008/11/27 21:47
13人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上ファンド事件の際に、会社は誰のものかということが話題になった記憶があります。株式会社が解散する場合を考えると、資産分配を受ける権利があるのは、第一に債権者であり、第二に株主であるわけですから、一般的には会社は株主のものであると言われています。しかし、本書はこれに真っ向から反対します。すなわち、会社は社員のためのものである、と。満足していない社員によって、顧客を満足させることなどできるわけがない、と。
本書では、この理念に基づいて経営を行っている会社を主に5社紹介しています。どの会社も、本当にこんな会社が存在しているのかと驚くほど、社員なり、顧客なりを中心にした経営を行っています。こんな会社を探して紹介した著者には敬意を表します。
ただ、株式会社が本当に株主の意向を無視して経営を行うことができるかどうかは、かなり疑問に思います。実際、本書で紹介されている会社も、ボクが簡単に調べた限りでは、ほとんどの会社が株式公開はしていないようです。つまり、株式市場の影響を受けずに経営を行える会社ばかりということです。
経営者の地位が安定していれば、経営方針が揺らぐことはありません。揺らがない経営方針の下ならば、社員も安心して働くことが可能です。多少を無理をしてダウンしてしまっても、救ってもらえると分かっているならば、無理をしてでも働くでしょう。
しかし、株式公開している企業は取締役会(=株主)により、経営者の地位が左右されます。株主の意向を無視した経営者は交代させられ、経営方針も変わってしまうかもしれません。社員もいつリストラされるか分かりません。そんな状況で会社に忠誠を捧げろと言うのは無理があるでしょう。
確かに、本書のような方法で上手く経営できている会社があるのは事実でしょう。しかし、資本を増強し、会社を大きくしていこうと思う場合には、経営者も変質し、社員も変質することは避けられない気がします。そのような状況で、「五人に対する使命と責任」をどう果たしていくのかを考えなければならないのかも知れません。
紙の本
こんな会社があることを誇りに、刺激にしよう
2011/06/18 09:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
すでに読んだ方から「いいよお~」って言われている本。以前に『世界一誇りにしたい会社』っていう本を読んでいるんだけど、こっちが原点。いわゆる「ビジネス」とくに「経営」に関する本でよく言われている「社員満足」とか、コンサルのセンセがいうと「キレイごと」にしか聞こえないけれど、実際に、ホントにそういう気持ちで動いている会社があることに驚愕する。
障害者を雇用し続ける、困っている人たち一人ひとりへの商品を作る、創業時の思いを持ち続ける...口で言うほど簡単ではないことを「続けて」いる会社がここにある。著者が冒頭であげている「社員の幸せ」というのは、以前自分でも共感したけれども、この気持ちを持ち続けることだけでも難しいのが現実だったりする。本を読んで共感しても、結局目先の数字、これにとらわれてしまう自分がいる。
恥ずかしいですね。自分の価値がどこにあるのか、自分はどのようにして生をうけた社会に何を返していくのか。経営者としての経験はないけれども、年齢的にも「自分がどう」ということから「周りの人がどう」というところに視点が変わりつつあるのは自覚できる。が、足りないね。だって実践している会社が実際にあるんだから。
地域貢献や、社会貢献、これらを本気で考えること、そしてなによりもキーワードは「継続」だと強く感じる。創業時にはそれぞれの社長が「本気」だったはず。それを「続ける」ことができるかどうか。自分に足りないものが見つかる。「売上は後からついてくる」って(それこそ)キレイごとを言うことは簡単。その姿勢を貫くことが難しい。難しいけれども、その高い壁を越えなければ、本当の「価値」が生まれてこない。
会社って...働くって...という根本的なことに対して、根本的な姿勢を問いなおすことのきっかけを与えてくれる本です。書いていないけれど、創業者、社長は、誰よりも先頭に立って、想像を絶するような「努力」をしてきているんだろう。その努力ができるのは...「愛」ですね。社員に対して。社会に対して。これなくしては歩けない。
【ことば】お客様の喜ぶ姿を自分の目で確かめるのが、私たちの最大のモチベーションです。
あたりまえのように聞こえるけど、本質。そもそも「お客様の姿」を見失っている時がないですか?自分に問いかけてみる。
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超お勧め!ぜひ読んでみてください。
このドリーム・ファウンデーションもぜひこんな本に取り上げていただけるような会社にしてみたい!
http://dreamf.jugem.jp/?day=20080415
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著者は坂本 光司氏。
法政大学大学院教授です。
「現場で中小企業研究や,がんばる中小企業の支援をする」ことがモットーだそうです。
フィールドワークは実に6000社以上です。
その中から選りすぐりの5社の中小企業が選ばれています。
実に素晴らしい会社ばかり!
この本を電車の中で読むと,ぼろぼろ涙が止まらなくなりますから注意してください。
従業員の7割が障害者という会社,社員の幸せを第一に考え,戦わない経営で48年間増収増益の会社,シャッター街になった商店街で,ひっきりなしに高級果物の注文が入る果物店。
「とにかく,感動する会社ばかりです。
利益第一主義の会社なんて一社もありません。
会社はなんのためにあるのか。
それがよくわかる本です。
出版社はあさ出版。
佐藤社長が自ら編集した力作です。
「日本でいちばん大切にしたい会社」→ http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32041751
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?社員とその家族を幸せにする。?外注先・下請企業の社員を幸せにする。?顧客を幸せにする。?地域社会を幸せにし、活性化させる。?自然に生まれる株主の幸せ。この五人(多くの人を満足させる)に対する使命と責任を果たすことが企業経営である。企業は誰のためを明解に説き、事例とともに感動、モチベーションを高めさせる。
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とんでもない良書に出会ってしまった。
何度もグッと心にくるエピソードがある。
本の中では、様々な教訓が述べられているが、どの経営者やどの会社にも共通している点が、
「最初の想いや理念を、欲や時流に負けず、貫きとおしているトコロ」
である。
数値に表れるのは、全て結果であり、所詮結果にすぎない。
魂は、理念や社是、エピソードやストーリに現れ、それが人々の心を打ち、
感動を呼ぶのだと、、、思い知った。
〜〜〜〜〜以下、キーワード〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「問題は中ではなくて外にある」という経営者の「5つの言い訳」
1、景気や政策が悪い
2、業種・業態が悪い
3、規模が小さい
4、ロケーションが悪い
5、大企業・大型店が悪い
「会社経営とは、5つのステークホルダーに対する使命と責任」
1、社員とその家族
2、外注先、下請け
3、顧客
4、地域社会を活性化する
5、株主
しかし5の株主は、1〜4が満ち足りていれば、かなりの確率で満ち足りる。
人件費はコストではありません。人件費は社員の幸福を実現するための生活費だからです。
・伊那食品工業株式会社
・中村ブレイス株式会社
・株式会社柳月
・杉山フルーツ
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これほどお客様に気持をこめている会社があるのか…改めて思わずにいられない本です。
人(お客さまも従業員も)気持ちで動くのだ、ということがよくわかります。
会社というのはこの側面を無視しては決して成長はしないのだ、ということを再度認識しました。
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著者は、企業が一番大事にすべきは社員とその家族の幸せ(その中には請けや外注先も含まれる)であり、次が顧客の満足であり、そして地域社会への貢献、最後が株主なのだと自論を展開する。50年間も障害者雇用をしてきた会社や、地域に会社敷地を解放する会社等々が紹介されている。
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◆「現場で中小企業研究や、がんばる中小企業の支援をする」をモットーに日本全国6000社を超える企業を訪問調査してきた著者が選んだ「日本でいちばん大切にしたい会社」が紹介されている。「なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?」「なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?」「なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?」この本を読めばそれが良くわかる。素晴らしい本。
◇会社経営とは「5人に対する使命と責任」を果たすための活動
1.社員とその家族を幸せにする
2.外注先・下請け企業の社員を幸せにする
3.顧客を幸せにする
4.地域社会を幸せにし、活性化させる
5.自然に生まれる株主の幸せ
◇会社でいちばん大切なのは業績を上げることだといわれますが、それは違います。業績を上げるのは会社を継続させるための手段なのです。本当にいい会社とは、継続する会社です。企業経営の第一義は、社員とその家族の幸福を追求し、実現することです。社員と、その社員が最も大切にしている家族を路頭に迷わせてはいけないのです。だからこそ、継続させなければならないのです
◇重要なことは、その会社が、私たちの心を打つようなことをやっているかいないか、なのです。心に響く会社なのか、社員がやりがいを持って楽しく仕事に取り組める会社なのかということです
◇知的障害をもった二人の少女の就業体験が終わろうとするとき、十数人の社員全員が、大山社長を取り囲みました。「あの子達、明日で就業体験が終わってしまいます。どうか、大山さん、あの子達を正規の社員として採用してあげてください。もしあの子達にできないことがあるなら、私たちがみんなでカバーします。どうか採用してあげてください」これがみんなのお願い、つまり、総意だと言います。社員みんなの心に答えて、大山さんは少女たちを正社員として採用することにしました
◇自分も社会に貢献しているんだという、思いがあるからだと思います。一介の中小企業ではありますが、そこに勤めて、自分も弱者の役に立っている、社会の役に立っている、という自負が、社員のモチベーションを高めているのではないでしょうか
◇すると塚越会長は、「およそ100年先を見て経営をしています」と当然のように言うのです。「100年先でも価値ある企業として損属していることを考え、経営の舵取り・決断をするようにしています。社員にもこのことを知って、強くやさしく生きてほしいのです…」
◇中村さんは「それはダメです」と断りました。「最低でも高校は卒業してください。できれば大学も行ったほうがいいでしょう」と言うのです。「そして、そのときに、まだ中村ブレイスで働きたいと思うのであれば、私たちは待っています…。あなたの席を空けて待っています…」と
◇お客様を取った・取られたとか、勝った・負けたといった、いわゆる喧嘩ビジネスをしようとはしません。お菓子の業界が繁栄し、お菓子の町・と価値が反映することが大切と考えて、地域はもとより同業者に対しても大変な気配りをしています。北海道の菓子業界全体の繁栄を念��ているのが、柳月の特徴なのです。柳月が北海道にこだわる理由を聞くと、田村社長はこう答えてくれました。「わが社はお菓子だけ売っているわけではありません。お菓子といっしょに“北海道”も包んで売っているのです。本州では北海道を包めませんから。わが社は、これからいろいろなことがあっても、この北海道を離れる気はありません」
◇まだ若く、そんなに貯金もあるわけではなかったのでしょう。二人が言う予算では、希望するような内容のものをつくるのは不可能に思われました。「しかしせっかくうちを選んでくれたのだから、なんとしてもこの方たちの夢を実現しなければいけない」「何でこんなに少ないの」とか、「なんだ、みすぼらしい引き出物だな」と思われ、結婚式の感動を台無しにしてしまうことを、何より恐れた杉山フルーツは、総出で、いい物を揃え、ラッピングにも工夫を凝らしてつくり上げたそうです。売値は原価以下、儲けゼロだったかもしれません。やがて、間近に結婚式を控えたその女性が、引き出物を取りにやってきました。見ると、きれいにリボンが飾られた豪華な引き出物が用意されています。店内に飾られている商品の値札と比べても、「自分の頼んだ予算の中でできるわけがない」と彼女は一目でわかったでしょう。帰りがけに、「ご結婚、おめでとうございます。これはお店のスタッフからの、ささやかですが贈り物です」と言ってプレゼントを渡したところ、その女性は感極まって、泣き出してしまいました。それを見たお店のスタッフも、全員涙を流したそうです
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会社は誰のために?
この本では著者の考える理想の経営観が描かれています。
会社の使命、また存在理由とはなにか?
じっくりこの機会に考えてみることにします。
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読んだ感想入力したつもりが、できてなかった・・
・経営がうまくいっていない理由を外に求めるのは間違っている。⇒これは人にもいえるのかも。
・社員や関係各社を大切にすることが顧客の満足を産む。それが地域や株主への還元につながる。
・継続することを考えている。
(08/11初旬)
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業績が悪いのは景気やライバル社のせいではない。働く社員の幸せを第一に考えていないからだ。買う人を感動させるサービスのできる社員を育てていないからだ。そう断言する著者は、これまで6000社以上を訪問してきた中小企業の研究者。社員の7割が障害者ながら業界上位シェアを誇るチョーク会社、「100年先を見据えた経営」を貫き48年連続増収増益記録を作った寒天会社など「社員と、その家族を第一に」考えてきた会社5社の軌跡を語り下ろしたノンフィクション。仕事に対する倫理観の大事さを痛感する一冊。
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1.社員とその家族 2.外注先と下請企業の社員 3.顧客 4.地域社会 5.自然に生まれる株主 を幸せにする。
いい会社ものっているので参考にしたいと感じた。もう一度読んで確認したい。
2008 11/30
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「世のため、人のため」という正しい経営を行っている会社5社が紹介されています。
こちらの5社は従業員満足度が非常に高く、顧客や地元の方々からの信頼も厚い会社です。
それぞれの会社に感動の秘話が詰まっている1冊です。
SK
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ビジネス書としてではなく、小説として読んでください。本当に泣けます。流行した『蟹工船』とは真逆の意味で感動します。「働く」とはどういうことなのか、「会社」とはなんなのか、改めて考えさせられる1冊です。