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1Q84 a novel BOOK1 4月−6月 みんなのレビュー

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みんなのレビュー1,279件

みんなの評価4.0

評価内訳

1,255 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

読んでよかった1冊

2009/07/02 23:00

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

1Q84(ichi-kew-hachi-yon) BOOK1・2 村上春樹 新潮社

 IQ84と勘違いされる方も多いのではないでしょうか。わたしは勘違いしました。知能指数が85の人物が主人公だと思っていました。(普通人の基準は100のようです。)タイトルの答えは1984年でした。
 主人公は二人います。小説家志望の川奈天吾さん29歳男性とスポーツインストラクター女性青豆(あおまめ)さん1954年生まれの30歳独身、身長168cmです。ふたりのお話が交互に記述されていきます。 同作者の「海辺のカフカ」みたいと読み始めは思いました。
 天吾さんには、小松さん45歳編集者とふかえりさん(深田絵理子)17歳がからんできます。青豆さんの相方(あいかた)は、同級生大塚環(たまき)さんです。
 巻頭に「この世はつくりものの世界」とあります。確かに生きている今に「現実感」がないことはあります。
 1926年作曲、ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」というクラシック曲が鍵を握るような啓示があります。加えて「空気さなぎ」という文学作品が何かを意図する存在になるようです。
 青豆さんが首都高速道路の非常階段を降りたあたりから時間・空間が変容しはじめたようです。
 読み始めは、同作者の「地球のはぐれ方」という本のイメージが頭から離れなくて読みに真剣さが不足しました。なんだか笑えてくるのです。青豆さんはどうしてこんなに生き生きと話すことができるのでしょう。そして、天吾さんの生活ぶりは作者の過去の生活ぶりと重なるのだろうか。青豆さんが感じる時代の事実の変更とふかえりさんの生い立ちが「秘密」になっていきます。
 1981年10月19日に過激派と警察の銃撃戦があった。人間ではない何者かに人間は、情報操作されはじめているのか。それとも青豆さんになにかがのり移ったのか。青豆さんのセックスライフは苦しい。日曜日お昼の「新婚さんいらっしゃい」を見ていると、みなさんあっけらかーんと性生活を楽しんでいらっしゃるのに小説になるとそれはとても深刻です。戎野(えびすの)先生、ふかえりの父親深田健、このふたりがボスか。あゆみさん(婦人警官)は、青豆さんを逮捕するためのおとり捜査ではないのか。わたしにとっては、月がひとつだろうが、ふたつだろうが、どうでもいい。みっつでもよっつでも気にしません。空にそれらがあればあったでいい。昔聞いた1990年という歌を思い出した。90年に娘が21歳になるという歌で、父親が娘の異性関係を心配していた。だが、90年はもうとっくに過ぎてしまった。時の流れは速いものです。
 460ページのサハリンは、「地球のはぐれ方」で紹介されていた。日本的な町が残っているそうです。作者の創作のネタがわかる。作者の頭の中にあるもので、小説を構成するしかない。ふかえりは、宇宙人か、古代人か、未来人か。天吾は、嘘がばれてこれから追い込まれていくのだろう。
 「空気さなぎ」からわたしは、蚕(かいこ)の繭を想像します。小学生の頃、こどもの科学だったか学習だったかの本に付録で蚕の繭が付いてきたことがあります。さなぎは、蝶になるのか蛾(ガ)になるのか、そんなことを考えながらそのときはこの本を読んでいました。でも蝶にも蛾にもならない。もっと別のものになるのです。
 作者の創造力、空想力、物語の構築手法は驚嘆に値します。第19章「青豆―ドウタが目覚めたときには」から物語はクライマックスに突入します。作者が保有している知識、経験に既存の出来事を組み合わせて築いてある物語です。今もなお、老若男女に関わらず、テレビを見ない人、新聞を読まない人、携帯電話をもたない人、車をもたない人、運転しない人、そういう人はたくさんいます。それぞれの人が、自分の1984年で暮らしています。空に月が何個あってもかまわないのです。作者の筆記は自由奔放でのりにのっています。
 最後の1行を読み終えたあとの感想です。これから先にまだ物語が続いていくような心地よい余韻がありました。読んでよかった1冊になりました。

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紙の本

人が本当に救われるのは誰かを愛せたときなんだろう

2012/08/19 20:35

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

10年以上も前の ほんのわずかなひとときの繋がり
何かを言葉で伝えたわけではない 
一分にも満たない ただ見つめ合ってぎゅっと手を繋いだ時間 
互いにその温もりをずっと大事にして その情景をずっと心の支えにして
違う道をそれぞれ苦しみながら生きてきた「青豆」と「天吾」

ずっと重なることのなかったふたりの人生が
1Q84年 何かに引き寄せられるかのように近づいていく

現実の1984年と異なり ずれて存在するかのようなもうひとつの世界
1Q84年
その不思議な世界では 空にふたつの月が浮かんでいる

多分その世界の底 ずっとずっと深い底には 青豆の想いが沈んでる
長い時間をかけて澱のように溜まった青豆の強い想いが 作り出した世界のように思える


冷静な判断力と強い意志 鍛え上げられた身体をもつ クールな青豆
天吾を救うためなら自分は消えてしまってもかまわないと思う

会えなくてもいい 幸せでいてくれたらと願う その気持ちは嘘じゃない
でも会いたい 一瞬でもいいから触れたい その気持ちも嘘じゃない

ずっと昔のことを未だに覚えていて しかも会いたいなんて
そんなのは重いしうっとうしい 天吾だって気味が悪いに決まってる
相手が望んでいないであろうことは 自分もやはりどうしても願うことができずに
重みをひとりですべてを抱え込む青豆の姿が痛々しい


同じ空 同じ月を 同じ時間に見上げ
同じことを思う
それなのにすれちがってしまうふたり

ふたつめの月は誰にでも見えるものではない
同じもうひとつの月を見る目をもつひとというのは とても大事な存在なのに

結局1Q84年でふたりの道が交わることはないんだろうか…

『一人でもいいから、心から誰かを愛することができれば、人生には救いがある。たとえその人と一緒になることができなくても』
相手がどう思ってるかはあまり関係なくて 
自分の想いが一方通行な勘違いであっても 
そして幸せにはなれなくても 
それだけ好きになれた人がいるってこと自体に救われる気がするのかもしれない

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紙の本

ずいぶん社会と繋がっている村上春樹

2009/07/28 05:52

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:simplegg - この投稿者のレビュー一覧を見る

話題作,読み始めました.何とか1晩でBOOK 1を読み終えましたが,正直厚かったです.明日からは平日が始まるので,BOOK 2は我慢しようと考えいますが,どうなるやら.

僕自身は,村上春樹を大学1,2年のとき,ほぼ読み漁ったのだが(少なくとも有名どころは)リアルタイムで新刊を読むのは初めてかもしれない.僕にとっては,村上春樹はリアルタイムの人じゃない.ちょっとした古典といったほうがいい.

さて,BOOK 1は話の途中であるので,印象だけを記すことにする.

YO-SHIさんが言ってたように,“村上春樹ファンには肌になじむ感じの物語”である.特に,少々回りくどい言い回しや,独特だけれども的を得た比喩の使い方は,とても馴染みが深い.久しぶりに読んだだけに,心地よいものである.

一方,内容については,随分,社会性を帯びた作品だなとの印象を持った.昔読んだ作品については,もう記憶が曖昧だし,僕の勘違いかもしれないけれども….初期の作品には,少なくとも,常識的であるけども,社会とは切り離された主人公がいて,それゆえの爽やかさがあったように思う.これについては,ジョージ・オーウェルの「1984年」(僕が生まれた年でもある)を意識した作品であるというところがきいてきているのか,それとも程度の問題かもしれない.

2年半ほど前に,ジョージ・オーウェルを読んだときの感想は,今では薄れているのだけれども,僕なりに,“人間をコントロールできるのか”というところを問題としていたらしい.

一方,この“1Q84”は,人間の洗脳というよりは,自明なものとして人それぞれが持つ歴史や記憶の不確定さに焦点を当てているように見える.本書で語られる“記憶の非対称性”や“記憶の相対性”と言ったことからそう思った.感覚としては,オーウェルの反対側から世界を眺めた感じ.

色々,書いてしまったが,全てBOOK 1を読んでの印象です.どこに着地点があるのは,登場人物たちも,僕自身も見えていません.それについては,BOOK2を読んだ後に書くことにします.

最後に付け加えるとすれば,本書は読みやすいです.ストーリーがわかりやすいサスペンス仕立てになっていて,ぐんぐん読んでしまいます.そういう意味で,「ねじまき鳥」や「世界の終わり」とは一線を画すでしょう.

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紙の本

久々の新作

2009/06/02 00:46

25人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りせ - この投稿者のレビュー一覧を見る

前の作品「ねじまき鳥クロニクル」「アフターダーク」は、著者が自分の世界に入り込んでしまっていて読みにくかった。
しかしこの作品はまだ途中までしか読んでいないが、少し違うと思う。

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2008/07/31 12:30

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2009/05/26 21:42

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2009/05/27 17:29

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2009/05/27 22:52

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2011/09/29 23:47

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2009/05/28 14:20

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2009/05/28 22:34

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2012/01/18 19:04

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2009/05/29 00:00

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2010/05/04 23:15

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2009/05/31 00:15

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