紙の本
小説でも私事報告書でもないヌエのような得体のしれない迷文章
2013/06/05 11:33
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
才色兼備の俳優でありエッセイストでもある著者が70歳を超えて年下の男性と大恋愛をして、その顛末を小説に書いたというふれこみの広告にだまされたふりをして早速読んでみましたが、まあこれはなんと申しましょうかあ、半分は小説で半分は驚きのプライバシイ、しかしてその実態は小説でも私事報告書でもないというヌエのような得体のしれない迷文章が出来あがってしまいやしたあ。
小説の中での主人公と私との区別がずぶずぶだし、ヒロインが恋に落ちた相手の男性の小説世界での存在感が最後まで不明確で、いったい彼のどこにどんな魅力があるのか恋に理なき私にはさっぱり分かりませんでした。
しかしこういう小説を書けば世間の話題にはなるでしょう。有名無名の若いタレントや芸能人が毎日のようにくっついたり離れたりしていますが、それはそれが彼らの商売であり営業政策だからやっているだけのことで、少し知恵のある映画俳優、まして多少まともな物書きなら、色恋沙汰は世間に隠れて楽しむのが筋ってえもんでしょう。
まして“老いらくの恋”ってえもんは多少はこっぱずかしいことでもあるからして、普通は黙って墓場の中までお持ち帰りになって、「おほほ、もう老い先短い人生なにもないかと思っていたら、思いもかけずにこんな素敵な人に巡り合えてよかったわね」なぞと思い出し笑いしながら成仏するてえのが世間の常識、女の嗜みとでもいうべきもんではないかと超保守派のわたくしなんぞはかたくなに愚考するわけなんでありやすが、どこでどうとち狂ったのかこの岸さん、顰蹙は買ってでもゼニにしたい?という料簡の編集者の口車に乗せられて、一流作家になったつもりでこんな本を書いちまった。やれやれ。
蛇足ながらこの題名は清少納言の祖父の清原深養父という歌人が詠んだ「心をぞわりなきものとおもひぬる 見るものから恋しかるべき」からとられたようで、こういうのはサスガ岸さん!と思わされたりもするのでした。
紙の本
女優の余技
2016/01/12 03:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
69歳の女性ドキュメンタリー作家と、58歳の大企業の重役が、ファーストクラスに乗り合わせた縁で恋に落ちる。アりかなあという設定。優れた作品と新聞に紹介されていたから買ってみたが、案の定、裏切られた。庶民には程遠く、かといって説明不足だから、何が言いたいのか解らない。あくまでも女優の本か。
投稿元:
レビューを見る
大人の恋愛ってこうなんだって思いました。60代や70代で恋するなんて苦しいだろうな…年齢的に身体が心についていくのが大変。人生の最後を誰とすごすのか?命尽きるまでの恋愛話に泣けました。
投稿元:
レビューを見る
幻冬舎の見城さんの「キレイごとすぎる」というコメントに惹かれて読んでみたが、うん、確かに的を得ている。岸さんはご自分の人生を主人公に重ねているんだろうなぁ、と思う。まぁ、こんなに忙しくて優雅な生活してる70歳ってそうそういないし、ちょっと現実離れしてるよなぁ・・・と終始思いながら読了。女優さんが執筆したという事では「大合格」なんじゃないでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
50歳にした見えない70歳の女と還暦男との恋。心に体が付いて行かず婦人科通いをしながらパリと日本を行き来しながら不倫の恋を続ける2人。友達に「ちょっとこれどう思う?」と勧められて読みました。文章もストーリーも美しくまとまっていますが、現実離れしていて言葉遣いが古臭い…。でもそれが老いらくの恋にリアリティを出しているのかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
歳は十分すぎる国際的に活躍する女と初老のトップビジネスマンの恋。社会的活動(仕事を持っている)は年齢を超える。二人の差異は過ごした時間の歴史だけ。男女の年齢差を感じさせない現役の恋愛。別れは年齢が理由ではない。岸惠子さんのパワフルさがじかに感じられる。加齢による性的な違和感が巷では話題だけれど、そんなことは、男女の恋愛において本質的な問題ではないんだよ。文章は説明的だし、冗長だけれど通俗小説ではなく、自伝的小説です。
投稿元:
レビューを見る
小説でも私事報告書でもないヌエのような得体のしれない迷文章
才色兼備の俳優でありエッセイストでもある著者が70歳を超えて年下の男性と大恋愛をして、その顛末を小説に書いたというふれこみの広告にだまされたふりをして早速読んでみましたが、まあこれはなんと申しましょうかあ、半分は小説で半分は驚きのプライバシイ、しかしてその実態は小説でも私事報告書でもないというヌエのような得体のしれない迷文章が出来あがってしまいやしたあ。
小説の中での主人公と私との区別がずぶずぶだし、ヒロインが恋に落ちた相手の男性の小説世界での存在感が最後まで不明確で、いったい彼のどこにどんな魅力があるのか恋に理なき私にはさっぱり分かりませんでした。
しかしこういう小説を書けば世間の話題にはなるでしょう。有名無名の若いタレントや芸能人が毎日のようにくっついたり離れたりしていますが、それはそれが彼らの商売であり営業政策だからやっているだけのことで、少し知恵のある映画俳優、まして多少まともな物書きなら、色恋沙汰は世間に隠れて楽しむのが筋ってえもんでしょう。
まして“老いらくの恋”ってえもんは多少はこっぱずかしいことでもあるからして、普通は黙って墓場の中までお持ち帰りになって、「おほほ、もう老い先短い人生なにもないかと思っていたら、思いもかけずにこんな素敵な人に巡り合えてよかったわね」なぞと思い出し笑いしながら成仏するてえのが世間の常識、女の嗜みとでもいうべきもんではないかと超保守派のわたくしなんぞはかたくなに愚考するわけなんでありやすが、どこでどうとち狂ったのかこの岸さん、顰蹙は買ってでもゼニにしたい?という料簡の編集者の口車に乗せられて、一流作家になったつもりでこんな本を書いちまった。やれやれ。
蛇足ながらこの題名は清少納言の祖父の清原深養父という歌人が詠んだ「心をぞわりなきものとおもひぬる 見るものから恋しかるべき」からとられたようで、こういうのはサスガ岸さん!と思わされたりもするのでした。
投稿元:
レビューを見る
久々に読んでいるのが苦痛だった。
次に控えている本を横目で見ながら、もうすぐアンタにたどり着くから待っててね、と奮い立たして読み終えた。
大人の恋愛は大いに「アリ」だと思っている。
それが、70オンナと年下男の話、となれば、期待して読み始めたわけだ。
幻冬舎のどぎつい広告に惑わされて、ね。
そしたら、コレだ。
なんだ、コレ。
小説としてもテイをなしてない。
上っ面だけの散文集みたい。
70オンナのゴージャスなありえない生活ぶりも、そりゃあ、本の中でいえば、アリ、だろう。
恋愛だって当然。
震災の下りも、筆者はたぶん、現地に行ったんだろう。
でも、中途半端。
ここの中では恋愛話の彩りにしかなってない。
さ、次を読もうっと。
投稿元:
レビューを見る
70歳でも第一線で働くインテリ女性と世界を股にかけて働く会社の副社長との『老いらくの恋』を扱った作品。男性主人公が自分と同年代ということもあり、面白く読ませてもらった。歳をとりわかることもあり、歳をとり失うものもある。それが人生かなと思えるいい作品。
投稿元:
レビューを見る
高齢者の恋・愛・性
「私は岸恵子をエエカッコしいと思っていたが、ここまで己をさらけ出す小説がかけるとは!」みたいな幻灯舎社長見城徹氏のキャッチコピーにまんまとひっかかって買ってしまった。最後まで退屈せずに読めたので最低限の水準は越えている恋愛小説ではあるが、単行本で買うことはなかった。ブックオフで105円になるまで待つべきだった。
お話は、若いときに夫を亡くした自由で孤独な69歳の国際的女性ドキュメンタリー作家と分刻みで世界を駆け回り妻や子供たちの世界に交われない58歳の大企業エリート幹部が出会ってから6年間の恋と性と愛の物語。たぶん、この本は岸恵子さんの実人生とかなり重なっていると思う。
上質な恋愛(性愛)小説には読んでいてときめいてドキドキしたり、ジーンとしびれたりするが、この本は読んでいてそういうものがほとんど感じられない。
なぜそうなのか?
主人公二人の年齢が高齢だからか?
主人公二人の世界がセレブすぎて庶民からかけ離れているからなのか?
著者の作家としての力量不足なのか?
それとも、読んでいる私が高齢(65歳)だからなのか?
そのいずれかであり、すべてであるかもしれない。
まあ、お金と時間が無駄になったとは思わない(そういう本もあるが)が、五つ星が満点でかろうじて合格★三つである。ブクログの私の評価で星四つ以上は自分の本棚に永久保存、私の超おススメ。星三つは合格点だが私の本棚に残す本と本棚に残さずブックオフへ売る本に分かれる。「わりなき恋」は★三つでも単行本でスペースを取るしブックオフ行きと思ったが、最後の別れのシーンに少しジーンときたのでとりあえず本棚に。
少し厳しいレビューになりましたが、岸恵子さん、貴女は数多い私の好きな女性の一人です。少し前にTVで拝見しましたが、八十路を越えられてもなお美しく、知的で、お転婆な貴女は日本の宝です。
蛇足
恋とは自分の意志とは関係なく落ちるもの。恋ははしかのようにかかるもの。年老いても恋に落ちることがあるが、性欲の強い若いときの方が恋に落ちやすい。性欲と恋は分ちがたく混同しやすい。
性(欲)は食欲と同じ。「食べる!」「食べたい!」「美味しそう!という言葉を性的な意味で使っても何の違和感も無い。理屈でなく善も悪もない本能。性欲も食欲も心(意欲)と体の部分がある。食欲は、年を取ると胃や歯など体の能力が落ちるに比例して食べる心(意欲)もすくなくなるが、性欲は年老いて体の能力が落ちても心(意欲)の部分が若いときとほとんど変わらないところが違う。年取ってそれは煩わしくもあるが、それが無かったら生きている楽しみが半分以上無くなるだろう。
愛とは何だろう?やっぱり、これがいちばん難しい。
誰にとっても、人生の最終課題。
まず、自分に執着しないこと?
他者へのやさしさ、思いやり、想像力?
言葉にすれば、そんなことだろうか?
投稿元:
レビューを見る
岸恵子さんの私小説的内容。実話ではないらしいけど、伊奈笙子と岸恵子をだぶらせてしまう要素たっぷり。
70歳の恋愛を否定はしない。だけど、小説の設定(伊奈笙子と九鬼兼太)があまり一般的ではないためか、もうひとつピンとこなかった。
今もテレビで時々お見かけする岸恵子さんは、とても80歳には見えないし、素敵な女性だと思うけれど、この小説はもうひとつ馴染めなかった。
投稿元:
レビューを見る
70代の女性と年下男性との恋の話。
女性はいくつになっても「オンナ」なんだなぁ。
恋はいくつになってもいいかもしれないけど
やはり不倫はどーしても受け付けられないわたし(^^ゞ
投稿元:
レビューを見る
わからーん!おばあちゃんやん。
おばあちゃんが恋をしないとは思わないけど、何か、全然わからん。
中村うさぎ氏は共感すると言っていた。中村うさぎもわからなくなった・・・
投稿元:
レビューを見る
ふむ・・・。
な、感じ。
大人の恋愛話し。
70代女性とひと回り下の男性の恋愛。
でも、不倫のお話し。
不倫のお話しにしては、キレイなのかも。
と、いう感想。
はやく別れればいいのにぃ。
笙子さん。って、後半ずっと思っていた。
九鬼さん、かっこよすぎる。
けど、誰に対しての責任も(男性として)
果たしてらっしゃらないんじゃないのぉ???って!!!
~形あるものはいつか必ず壊れる、人間も形ある物体なんだ、と笙子は思った。~
投稿元:
レビューを見る
「わりなき恋」という言葉に惹かれて図書館で借りて読んでみました。こんな優れた男に、このように扱われたら、間違いなく恋に陥るに決まっている・・・。