紙の本
これは書籍版「お楽しみはこれからだ」です
2020/02/15 08:13
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イラストレーターの和田誠さんは映画が大好きで、これが高じて映画監督までやりましたが、なんといっても映画の中の名セリフを集めた『お楽しみはこれからだ』は和田さんのイラストとエッセイがすこぶる素敵な名著で、この本から映画が好きになった人も多いのではないかしら。
実は和田さんは映画だけでなくかなりの読書家でもあって、この本の「はじめに」では「ぼくはたいした読書家ではない」と謙遜しつつ「子どもの頃から数えれば、かなりの本を読んでいるはず」と綴っている。
何しろ和田さんには数多くの自身が装丁した本があって、装丁する時には当然ゲラ段階の原稿も読むことになるわけで、そうなればやっぱり相当数の本を読んでいることは間違いない。
そこで『お楽しみはこれからだ』の、本編みたいに、本の中から気に入った数行を抜き出して紹介しているのが、この本だ。
しかも、和田さんが装丁した本だけからの厳選で、しかも書影付だから、和田さんファンにとってはたまらない。
元々が「週刊金曜日」という雑誌に2008年3月から2012年12月まで連載されていたもので、100回という区切りのいいところで単行本化(2014年)されている。
しかも本になった時点で、そのうちの著者40人が物故されていて、この本自体がまるで追悼集のようにして読める。
そして、2019年10月に和田さんもいなくなって、この本全体で和田さんを悼んでいるようでもある。
あ、この本はそんな悲しみよりもご機嫌に楽しい本だと書き添えておきます。
紙の本
名著を飾る
2022/08/01 17:23
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
シンプルな線の中にも味わいがあり、カバーを見ただけで思わず手に取ってみたくなります。色川武大から丸谷才一まで、名作家との出会いにも恵まれていますね。
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2014.12.7市立図書館
「週刊金曜日」の連載、、全百回分をまとめた本。
主に(すべて?)著者が想定した本から「数行」を紹介してあれこれかたる本からふくらませていくエッセイ。小説、エッセイ、アンソロジー、対談…目次のタイトルをざっとみただけでも読みたい本のリストが長くなりそうな予感。
返却期限が来てしまい、さっと流し読みして返さざるをえなかった。そのうち文庫になるかしら。
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カラーでみたい!好きな本に和田誠装丁が多いと思っていたが、やはり面白そうな本だらけ。それにしても読書量や、映画、音楽についての見識がすごい!
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イラストレーターである著者が装丁に携わった本やその作者にまつわるエピソードなどをまとめた本。
昭和の名だたる作家たちとの交流がさりげなく語られる。
そして多くの人が亡くなっていることに気付かされる。
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これは、本好きな人にとっては、ホンっとに素敵な本です。五つ星。六つ星でも上げたいです!
ぜひぜひ、軽い気持ちで楽しんでいただきたい本です。
寝る前にちょっと読むでも良し、休日に喫茶店に持って行くも良し、頭からでもお尻からでも、気になる作者や本の頁からでも、トイレに置いておき合間合間に読むも良し...
イラストレーターで、映画監督でもあって、装丁家でもあり、文筆家でもある和田誠さん。2016年4月現在、80歳。
ほんっとに、和田さんにしか作れない本です。名作。2014年出版。
ご自分が装丁を手がけられた本が無数にあります。
その中から、100冊を選んで紹介する。
そういう趣向の本です。100本のコラム。それぞれ、見開き2頁づつ。
各コラムはそれぞれ、その本の中から数行を引用して見出しにしてあります。というわけで、「ほんの数行」。もちろん、「本の数行」ということと、二重の意味合い、言葉遊びです。
ほんっとに、色んな本があります。
ただどれも、ブンガク的名作とか、その時代を代表するベストセラーだったりはしないんです。
ほとんどが...なんというか、「B級グルメ」なんです。それがたまらなく嬉しいです。
############ごく一部を紹介すると############
サミーデイビスジュニア「ハリウッドをカバンにつめて」
山城新伍「おこりんぼ さびしんぼ 若山富三郎・勝新太郎無頼控」
吉行淳之介・開高健「街に顔があった頃 浅草・銀座・新宿」
樋口尚文「グッドモーニング、ゴジラ 監督 本多猪四郎と撮影所時代」
小坂一也「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」
鈴木隆「けんかえれじい 1」
池井優「藤山一郎とその時代」
キャメロン・クロウ「ワイルダーならどうする? ビリー・ワイルダーとキャメロン・クロウの対話」
三遊亭圓生「江戸散歩1」
佐藤允彦「すっかり丸くおなりになって……」
朝日新聞社編「ビートルズの社会学」
都筑道夫「サタデイ・ナイト・ムービー」
常盤新平インタビュー集「高説低聴」
ドナルド・キーン「私の大事な場所」
色川武大「うらおもて人生録」
高田渡「バーボン・ストリート・ブルース」
殿山泰司「JAMJAM日記」
野上照代「天気待ち 監督・黒澤明とともに」
水木しげる「ねぼけ人生」
岩城宏之「指揮のおけいこ」
岸田今日子「あの季この季」
「パパラギ」
丸谷才一「挨拶はたいへんだ」
村上春樹「THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代」
「赤塚不二夫 1000ページ」
常磐新平「ニューヨーク紳士録」
「フレドリック・ブラウン傑作集」
アン・エドワーズ「タラへの道 マーガレット・ミッツェルの生涯」
「星新一 空想工房へようこそ」
寺山修司「悲しき口笛」
手塚治虫「ぼくはマンガ家」
角山榮「時間革命」樋口尚文「グッドモーニング、ゴジラ」
つかこうへい 選「書くに値する毎日」
久世光彦「家の匂い 町の音」
栗本薫「ぼくらの世界」
谷川俊太郎「ナンセンス・カタログ」
東海林さだお「ワニの丸かじり」
サマセット・モー���「アンシェンデン」
「文筆業が本業ではない人が書いた、エッセイ的な本」が、割と多いですが、日本の小説も、海外ミステリーもあれば、専門書もあります。
映画、落語、音楽、ジャズ、などの本...「サブカル」みたいな本が多かったですが。
そういう本が好きだから大変に興が乗った、ということもあるんですが、何よりも書き方が素敵だなあ、と。
悪口は言わない。
ストライクゾーンは広く、楽しく。
どの本にも、愛情がある。
本を読むことへの恋ゴゴロと言いますか。
映画や音楽や、言ってみれば人生への、ラテン風味の肯定感...。
読む、聴く、観る、楽しむ、味わう。そういうことへの、飾らないオトナな情熱と言いますか。
それも、まったく押しつけがましくない。水のようにサラサラと、肩の力は抜けたまま。
品格があっていいですね。
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雑誌「週刊金曜日」に連載されていたそうです。
と言う訳か...この本の版元は「七つ森書館」。脱原発をテーマの本を多く手掛ける出版社さんだそうです。
この本の内容には全く関係ありませんが、言ってみれば、2016年現在、安倍政権的な風土にもっとも凛とした佇まいを崩さない地平線で作られた本です。
お陰様で...というか何というか、恐らくは、そこそこ大き目の書店ぢゃないとお目にかかれないと思います。ちょいとマイナーな本です。
出自を知ると、なんだかいっそう愛おしくなる本です。
横浜市都筑区、市営地下鉄の「センター北」駅ちかくの商業施設、「ノースポート」三階の書店、「アカデミア」さんの店頭で衝動買いしました。
平積みされてました。こういう出会いは嬉しいし、やっぱり本屋さんという場所はウキウキします。
「アカデミア」さんは、セレクトや企画などに、ほんとに個性と想いを感じて、気に入っています。「くまざわ書店」さんの系列なんだそうですね。
「くまざわ書店」さん、一部から、「反日だ」などと悪口を言われることもあるんだそうですね。
僕は、大好きです。
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和田誠さんの「絵」がすごく好きだ。
ということで、和田さんの文才や博識は省略。
絵のみの感想。
単純な線の組み合わせだけで、
どうしてあのような独特な世界を創れるのだろうか???
改めて、和田誠さんの凄さを思う。
「パパラギ」、面白い本だったが、
これも表紙の絵は和田さん。
この本で知った。
画風は縦横無尽でもある。
他、僕の好みの絵。
「時間革命」のシンデレラの図。ガラスの靴とシンデレラの表情がなんとも・・。
「家の匂い 町の音」 特に、猫が・・・。
「ワイルダーならどうする?」 マリリンモンロー、ホンモノより魅力的に見える。
「字幕の中に人生」 瞳・・・。単純な線なのに・・・、深い・・。。
「IFの世界」パッと明るくなる!、自分の部屋に飾って置きたい!