紙の本
すごい人生!
2015/09/10 19:12
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投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
百歳の誕生日に施設から逃げ出した老人の逃走劇と、彼の百年の人生が交互に語られています。色々な仲間が増えていくハチャメチャな逃走劇も楽しいのですが、世界の様々な歴史的瞬間に顔をのぞかせる彼の人生は最高です。面白すぎます。ただ、日本人としてはちょっと笑えない場面も・・・
紙の本
冗談みたいな偉人たち
2019/08/20 01:19
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞広告を見て買ってみたが、とても面白かった。訳者あとがきにあるように、小説デビュー作にあるような不自然な文も少し気にかかったが、それでも面白く、途中なんでも吹き出してしまった。特に冗談みたいに偉人の名前がたくさん出てくるのがいい。
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この爺さんはすごい
2019/05/18 23:38
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから逃げた老人と彼が触れ合ったいろんな人との交流を描いた(まあその通りなのだが)心温まる作品だと思っていたら、この100歳老人はとんでもないほら吹き老人だった。スターリン、金日成と金正日と知り合いであり、江青のいのちを救ったことで毛沢東に気に入られ、アメリカでは原子力兵器の開発に関わったりする。まるでフォレストガンプのような人なのだ(フォレストガンプは映画はハートウオーミングの作品に改悪されているが原作は抱腹絶倒の何でもありだった)。変な終わり方(老人が捕まったりとか、死んでしまったりとか)だと嫌だなと思っていたが、この終わり方は100点満点、大満足だ
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見本いただきました。ホントは「ゲラ読んでくれる書店員募集」だったんだけど「ゲラって満員電車の中で読めないからプルーフないですか?」ってワガママぶつけたら「プルーフはないから見本できたら送ります」って神対応。
だから褒めるわけじゃないけど、これいいわ。100歳の老人が逃げ出した、って段階でほのぼの最後うるうるストーリーかと思ったら何だこれ?!若い頃の筒井康隆バリのドタバタ、しかも世界史オタクにはたまらない20世紀の歴史名場面集(じいちゃん、何でそこにいたし?!)。しかも外文単行本にしちゃ安いしマジおすすめ。史上最高齢脱力系ヒーローの活躍を見逃すな!
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初読の感想。「こんなお爺ちゃん、…いや」
100歳と聞けば印象として、ちょっとカサカサしている、何事も達観、少しほのぼの、人生の先輩として時に箴言めいたセリフを吐く、といった感じだったのに、この主人公は正反対とは言わないまでも、私の超々高齢者のイメージから遠すぎる。
100歳のくせして老人ホームから逃げ出しちゃったのはまぁよしとしよう、逃走中にギャングから大金奪っちゃうってのもよくあることだよね、見ず知らずの人たちを仲間として巻き込んで逃走するのも…許す(滅茶苦茶なことが起きすぎてほぼ思考停止)。
いやでも実は昔、爆弾のエキスパートで世界大戦、冷戦時代、朝鮮戦争時に活躍してたとなると、おいおいフォレスト・ガンプかよ、と突っ込みたくもなる。フォレスト・ガンプはいい人でピュアすぎて、だから実際すごく退屈で、個人的にはなんだそりゃって感じだったけど、この主人公は世界を股にかけて要所要所で派手に爆弾炸裂させて…。退屈している暇がない。
主人公のお爺ちゃんと2番目に高齢のお爺ちゃん(といっても30歳くらい年下だけど)の会話が年寄りだからなのか、キャラなのか、すっとぼけてていい味出してます。
ブラック~黒々したコメディが好きな人にとてもお勧め! (枯れセン、お爺ちゃん子はトラウマになるかも)
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これは面白い。
世界の情勢とともに人は生きる。それが自分の人生に影響をどれくらい与えるかは、それとの関わり方によるのだ。人と人とのつながりが世界を形作る。
世界がこんなハチャメチャな男の生き様に左右されるなら、こんなに愉快なことはない。
訳者のあとがきに
La plus perdue de toutes les journees est celle ou l'on n'a pas ri.(もっとも無駄になった一日は笑うことのなかった日である)
とある。
そう、生きるなら笑いながら生きたい。
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スウェーデン生まれの生涯孤独のアランが老人ホームで100歳の誕生日パーティ開催前にホームを逃げ出した。バス乗り場でちょっとしたトラブルを起こすが逃避行が始まり…アラン爺さんの生誕から老人ホームに入るまでの回顧録が面白く、人生なるようになるさ。の方針で世界を飛び回る人生になる。爆弾製作を図書館で学びそれを武器に世界の政治家達と繋がりを持つ人生になる。酒と食事とベッドがあれば満足の人生。10代で去勢されたせいか性欲の話題は出ない。全く死にそうにない爺さんだ。
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読み終わるのがもったいないど楽しい小説。一人の男性の破天荒な人生を歴史的なイベントや偉人・有名人との邂逅を通してユーモラスに描く。ありえない話だけど入ってしまえばとても面白い。「フォレスト・ガンプ」のスウェーデン版といった趣もあるが、こちらの方がスケールは大きい。そしてうまいのが単にそれを時代順に並べるだけでなく、文字通り100歳になった主人公が施設から脱走して色々な人と出会う”今”と100年の人生とを交互に描いたことだろう。これで適度な対比とリズムが生まれて話に飽きない。登場人物も個性的ながら暖かで憎めない。一方でその底流にはもっと人生に対してアクティブになっていいのでは、という作者のメッセージが潜む。気持ちよく読めた。映画化間違いなしだろうが、監督は誰だろう?「ライフ」などのように気持ちの良い映画にしてくれたらいいのだけど。
一つきになったのが訳。えらく古語っぽい訳や悪乗りのようなリズムがあって、これはどうなんだろうか?今一つ違和感があるけど。
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映画化されても大ヒットのベストセラーとのことで読んでみた。おじいちゃんやし。
はちゃめちゃで面白かった。映画観たいー!
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話題本ということで期待して読んだが挫折。時折みえる老人あるあるにはプッと笑えるが、全体的に読みづらい…。ストーリー自体はおもしろいので映像化したやつを気楽に観たい。文字では荷が重かった。
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100歳の誕生日に老人ホームから逃げ出した男性がひょんなことからギャングの持つ大金をせしめ、追われるはめに。
幕間ではスターリンやトルーマン、宋美齢、金正日などと絡んできた主人公の半生が挿入される。
スウェーデンらしい(?)乾いた感じのホラ吹き小説という感じではあるが、過去と現在がほとんど関係ないのが二本の小話がごった煮になったようで読後感は今ひとつ。
翻訳はさすがの出来
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戦前戦後の有名政治家勢ぞろいで、なんでもありのコメディ小説。発想はオモシロいけど、ちょっと何でもありすぎにな感じで好き嫌いが分かれそう。
他の方も書いているけど、訳のせいで小説の世界に入り込みづらかったです。
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100歳の誕生日に老人ホームを脱走した男の珍道中。
100歳の現在の話の合間に100年分の思い出が年代順にはさまれる。
きれいに現在にたどりついて、気持ちよく読み終えられる。
アホで大げさでありえない、ほら吹き男爵やホームアローンのようなノリの明るいコメディ。
主人公は誕生祝いをされるなんて冗談じゃないとホームを抜け出し、チンピラのスーツケースをなんとなく奪い、行き当たりばったりに仲間を増やしながら逃走する。
逃走というか、旅かな。
これまでの人生も、目的地や野望があるわけではなく、なんとなく淡々と、なるように進んできた。
その「なるように」がすごいことになってる。
難しい本ではないけれど、一般常識レベルの現代史が頭に入っていた方が楽しめる。
20世紀の政治的重要人物がわらわらでてくる。
この場所と年号がなにを意味するのかぱっと出てこない自分の無知がもどかしい。
歴史に架空のキャラクターをからませる話は、主人公に花を持たせすぎて鼻白むことが多い。
この本がそうならずにすんでいるのは、物事に執着しない主人公の性格と、必ずしも成功するわけじゃない筋によるところが大きい。
私は原爆ネタを笑いたくないから、1945前後でやや不安になったが杞憂だった。
他の出来事もみんな、深入りせず軽視せずさらりと描かれる。
ザコキャラの笑える死も死としてカウントされる。
最後の一問一答も含めて、著者のものの見方が素敵だ。
訳文はひどい。雑で醜い。
本文を3ページ読んだ辺りで気になり始め、5ページでうんざりした。
うっかり下訳を印刷しちゃったのかと思うレベル。
『シルヴィーとブルーノ』は良かったのにどうしちゃったんだ。悲しい。
「ふと気づくと~気づいた」など、「~して~した」のつながりに注意が払われておらず、単語や慣用句の使い方もおかしい。
「やぶさかとしない」なんて言葉初めて見たよ。
スイカが次の行でメロンに変わっているところさえある。
終始こんなだから、ジューマン・ドルは米ドルだとしたら高すぎないか、警視の階級は高すぎないか、というような疑問がわいても、レートや文化を調べる前に訳が間違っているんだろうと片づけてしまった。
面白い小説だったけど、文章にイライラして「娯楽」にはなりきれなかった。
原書はスウェーデン語。
日本語版はフランス語版を読んでから英語版を底本としたらしい。
スウェーデン語を読めればいい本なんだと思う。
『ザ・ピルグリム』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4120036332をちょっと思い出す。
『シャングリラをあとにしてhttp://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4198615691』も、施設から脱出する年寄りの話という点で連想した。
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スウェーデンの100歳の老人が、介護ホームを抜け出して、様々な事件を起こしつつ、たまたま出くわしてしまった周りの人を巻き込んで、スウェーデンを逃げ回る物語。
ケストナーのシニカルなユーモアと、よこじゅんのハチャハチャ感が同居するすっとこどっこい小説。
本書から得られる、知識、有益な情報など、これっぽっちもないと思うが、かなり濃いこの小説を読み始めてから、最後のページを閉じるまで、本書に振り回される楽しい疲労感を味わうことができると思う。
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スウェーデン人の著者のよる本だけれども
実は仏訳本と照らし合わせながらの英訳本から
日本語に翻訳された電報ゲームのような本だから
どこまで原本に忠実なのかわからないし
多彩なダジャレやウイットを日本語にして織り込むには
相当な意訳をしなければならなかっただろう
翻訳者による後書きにも「出鱈目小説」と紹介されている
それでも史実に基づく部分も多く見て来たような嘘を見極めるのに
どこまで真に受けていいのかの判断が難しい
筋書きは101年に渡る一人の男の波乱に満ちた
ドタバタな生涯を行きつ戻りつ描いたものである
現代落語とも言えそうな内容で昭和の戦争に明け暮れした時代を
操ってきた本質を読めない支配者達を皮肉った言葉が
面白おかしく本質を突いて随所に織り込まれている
庶民は為政者に騙されながらもオコボレをかすめ取ろうと
我先に依存し合うという哀れな堂々巡りに溺れている姿を俯瞰して
笑いとペーソスで物語っている
こうしてみると現実世界のスウェーデンにも
ニホンと似たような時間の無駄遣いでしかない官僚的環境があり
嘘と嘘が渦巻いているようだ
兎も角現実になさそうでありそうなホラ吹き話で
軽く読み通すことができる
それにしても主人公の生き方ぐらいに飄々と命をむき出しにして
出たとこ勝負で後味のわるい嘘も秘密も付かずに生きられたら
どんなに愉しいだろうか
最近の小説には珍しく
手持ち無沙汰な読者に媚びた唐突なセックス描写を全く織り込まずに
内容で読者を惹き付けているところが
清々しく読めた理由なのかもしれない