紙の本
自分の感性の限界
2015/02/06 14:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クロぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語はアンナがマーニーと出会う前半と、「湿地の家」に引っ越してきた子供たちと知り合いマーニーが何者かを知る後半に分かれます 。
前半はすごくいいんです。マーニーが何者なのか、時折感じる違和感はなんなのか、アンナじゃなくとも気になるし夢中になります。けれど後半、特に種明かし後マーニーとの思い出は結局なんだったのか私には分かりませんでした。
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主人公のアンナは心を閉じてしまった少女だ。友達にも勉強にも興味がなく、ぼんやりとしている。
そんな彼女が夏休みに、海辺の小さな町に滞在する。入江を望む古い館に強い興味を抱いているうちに、そこに住むお嬢様マーニーと出会う。天真爛漫なマーニーと内気なアンナは、たちまち意気投合する。しかしマーニーは町を離れることになってしまう。お互いの思い出は、二人だけのものだと約束して。
親友と別離したのち、“湿地の館”に新たな家族が住みはじめた。そのリンゼイ家の娘が、なぜかマーニーの思い出を知っている...!
アンナの引っ込み思案な様子が心苦しかった。その分マーニーとの毎日はとても素敵だった。リンゼイ家との関わりも心温まるものだった。ミステリーな展開になっていくうちに、まさか「禁じ手」ではなかろうかと心配したが、大丈夫でした。いい作品でした。
映画もきっと観にいきます。
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"くまのテディ・ロビンソン"で有名なジョーン・G・ロビンソンが1967年に発表した児童文学。2014年7月にスタジオジブリによってアニメ映画化されます。イギリスの田舎を舞台にアンナとマーニーという2人の少女の交流から、アンナ自身が成長していく物語です。風景の描写が頭のなかでイメージしやすく、登場人物がイキイキと動き回っていました。児童文学なのですが、後半の怒涛の展開は素晴らしいです。大人も楽しめるファンタジーです。ジブリでは舞台が北海道になっていますが、いったいどんな作品になるのか楽しみです。
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自分が目に見えない魔法の輪の「外側」の人間であり、養母からも愛されていないと思い込むアンナ。不思議な少女マーニーとの出会いと別れ、そしてリンゼイ一家との親交により明かされる事実。アンナの感じる孤独が痛い程分かる。自分が本当に愛されていることを知り、ラストでの「いまは内側にいます」というアンナの言葉が良かった。
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最後一つに繋がっていくが面白く、読み終わったあと爽やかな気持ちになった。
外側か内側か、自分の感じ方次第。人との関わり合いの中での成長。素直になること。
読み終わった後、自分に置き換えて考えさせられた。物事の見方を変えることの大切さを教わった。大人が読んでも感じる物がある一冊。
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複雑な家庭環境のせいで、心を閉ざしてしまったアンナが、ある日マーニーと出会いひと夏を過ごすことで、心が動き始め、感情豊かになっていく話。人は人とのコミュニケーションによって、こんなにも変われるんだよ、ってことがとってもよくわかるので、特に子ども達に読んでもらいたいな〜と思いました。途中まで、なんかよくわかんなくてモヤモヤしながら読んでたけど、後半は謎が解けていき、スッキリしたし、夢見る空想少女のアンナに感情移入できて、楽しく読めました。
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ジブリで上映されるのが決まって早速借りて読んだ。
導入部分はなかなかイメージがつかめず、言葉遣いも独特だったりして、感情移入しにくかったが、途中から引き込まれた。
スタジオジブリがどんな風に見せてくれるのか楽しみ!( ✪ ω ✪ )
きっと風景も美しいことだろう。
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ジブリ映画化。テレビ予告みた時は、同性愛の話かと思ったけれど違うらしい。アンナのいう「外側の人間」という言葉に興味がわきました。この夏、読んでみたいです。
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岩波少年文庫ではなく、新潮社文庫から別訳が出ていましたので読んでみました。
入江に建つ古い屋敷を通じて、マーニーとアンナだけに交錯する過去と今の時間。心を閉ざしたアンナがマーニーと過ごす間に、自分と同じ孤立した存在を鏡のように映し出す。
そしてマーニーと分かれた後、その記憶が薄らいでいくと共にアンナの心が周囲との関わりを保てるようになっていく。
”自分の物語が描けるようになる”これは、心理療法家、河合先生の言う統合と安定の過程。岩波の特装版には河合先生の書評も付いているようで、これも是非読んでみたい。
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ジブリ映画の原作ということで、興味を持った本。分類としては児童文学になるのかもしれないが、大人が読んでも楽しめる一作。
孤独な少女が英国の海辺の小さな町で過ごす一夏が描かれる。人影の少ない淋しい湿地帯の浜辺と、彼女の心象風景がリンクして感じられる。行ったこともないのに、潮の香りのする風や、薄い緑の草木が風にざわめく音、淡い光の色などが手に取るように心に浮かぶ。不思議な魅力のあるお話だった。
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映画を見てから読んだので、映画版と原作の違いがくっきり浮かび上がってきた。
もちろん、どちらも、思春期の入り口にいる女の子の繊細な感情を見事に描いているのだが、原作はイギリスの女の子、映画は日本の女の子、ということで、そのメンタリティの違いがとても興味深かった。
映画の杏奈は、「自分は普通じゃない」というヒリヒリした気持ちにとらわれていて、だから誰からも好かれていないのだと思っている。それは傍から見ると被害妄想のようにも見えるし、なぜそこまで頑なになってしまうんだろうと、痛々しく感じられるのだが、原作のアンナはもう少し積極的な感じがした。自分の方から他人を拒否しているのだ、という強い気持ちがあるようなのだ。だから、「あえて」一人でいる。
物語のクライマックスとも言える「マーニーがアンナ(杏奈)を置き去りにした(ように見える)事件」での、杏奈(アンナ)の反応は、似ているようで、でも少し違う。原作のアンナは「私を置き去りにした、という裏切りが許せない」と怒るのだが、映画の杏奈は「ひどいよ」と嘆くのだ。
後半のプリシラとの出会い編は、いかにも外国の児童文学という感じで、遊び方や付き合い方が、「赤毛のアン」を思い出させる。日本の子はあんなふうな付き合い方はまずしないだろうなあ。
小説は、幻想的で、かつ微笑ましい少女の成長物語である。先に読んでいたら、映画の印象もまた変わったかもしれないが、舞台を日本に移したことで、とても良く似ているんだけど、微妙に違う「日本の少女」の物語になっていて、ヒリヒリ感は映画の方が強かった。
いちばん大きな謎も、小説の方だとわりとあっさり扱われているし。映画ではとても重大なこととして描かれていたので、そういうイメージで読んでいたら肩透かしだった。
ああ、でも、これは、12才くらいのときに読みたかったなと思う。リアルタイムで疎外感を味わっている時に読んだら、どんなふうに感じただろう。
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読み出したら止まらなくなって一気に読んでしまった。マーニーのことを空想の人物かと思ったり、実在の人物かと思ったり、読んでいるなかでコロコロ変わった。最後の最後でようやくマーニーは一体何者なのかということが分かった。しかし、読み終えた今でも、結局アンナが仲良くしていたマーニーって?と疑問が残る。最後を知った上でまた最初から読んだら、1度目とは違う視点から読めて楽しいのかなと思う。
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世界には円の内側と外側に分かれている。主人公のアンナは外側でうまく周りの愛情に反応できずにいた。そんな彼女を自分の親戚であるペグ夫婦のもとへ夏休みを前倒しして向かわせることにした夫人と、列車の扉の前で分かれるところから物語は始まる。心配性の夫人に素直に別れを惜しめなかったことにどこか罪悪感を抱きながら遠くの海辺の町への旅を“つまらなそうな顔”を浮かべコミックを読み耽り揺られて進む。
アンナはこの夏休みに一人の不思議な少女マーニーと出会い、心を開いていく。夜の海で浮かべたボート、早朝のキノコ狩り、パーティーでの花売りの一幕、浜辺での二人の想像の家造り、そして風車小屋での嵐と、その時のマーニーの裏切りとそれでも消えなかった彼女との友情。別れ。
彼女を失って知っていくマーニーの秘密、孤独、そして伝えられる唯一の愛情の繋がりと、そこから広がっていくアンナの人生の光。
一人の少女の成長といつかの少女の救済の物語。
映画を見てからすぐ読み出し、最初は海外もの、しかも少女小説なんて久しぶり過ぎて時間かかりそうだなと思っていたのが、読みだして、小学低学年の時に夢中になった赤毛のアンの読みやすさを思い出した。
穏やかで瑞瑞しい文章と、少女たちの無理のない心の揺れ動き。読んでよかった。映画とはまた違うあたたかさ。
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彼女が出会ったマーニーは、ほんとうは何だったのでしょうか・・・。
多感な年頃の少女の出会った不思議で、でも、あったかな物語。
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みんなは“内側”の人間だけれど、自分は“外側”の人間だから――心を閉ざすアンナ。親代わりのプレストン夫妻のはからいで、自然豊かなノーフォークでひと夏を過ごすことになり、不思議な少女マーニーに出会う。初めての親友を得たアンナだったが、マーニーは突然姿を消してしまい……。やがて、一冊の古いノートが、過去と未 来を結び奇跡を呼び起こす。イギリス児童文学の名作。
2014年、ジブリアニメ映画化