紙の本
何度も読みたくなる
2015/12/20 10:14
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投稿者:ちっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
息子に購入しましたが、娘の方がすっかりはまってしまい、何度も何度も読めば読む程に発見があると今でも読む本がなくなると読んでいます。
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内容紹介
あの時のぼくたちは、「奇跡」を信じて待つことができたんだ――。両親がいて、子どもは二人。それが家族の「ふつう」だったあの頃。一人っ子で鍵っ子だったぼくとハム子は、仲良しというわけではないけれども、困ったときには助け合い、確かに、一緒に生きていたんだ。昭和40年代の団地で生きる小学校六年生の少年と少女。それぞれの抱える事情に、まっすぐ悩んでいた卒業までの日々の記憶。
内容(「BOOK」データベースより)
一人っ子がめずらしかった「昭和」のあの頃。きょうだいのいないぼくたちは、小学六年生の春、小さな同盟を結んだ―。昭和40年代の団地を舞台に描く「子供の情景」。ぼくとあいつの、さびしさと奇跡の物語。
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冒頭───
ぼくとハム子は、小学一年生の秋に出会った。
ハム子は転校生だった。お母さんと二人でぼくたちの団地に引っ越してきて、ぼくたちの小学校に転入して、ぼくと同じ一年一組になった。
転校初日、担任の岩崎先生はハム子の名前を黒板に書いた。
藤田公子。
もともと、字のあまり上手ではない先生だった。
───
昭和四十年代、高度経済成長真っただ中の日本。
一人っ子が珍しい時代だった。
だいたいが、兄弟二人の四人家族、或いは三人の五人家族。
それが当たり前だった時代に、クラスで一人っ子だったのはぼくとハム子だけだった。
そういえば、そうだったなあ、あの頃は。
兄弟のいない一人っ子は、一緒に遊ぶ人間がいなかったので、ぼくらはよく、一人っ子の友だちの家に呼ばれて遊んでいたものだ。
ハム子と思わず呟いてしまった僕の一言に、ハム子は何気ない素振りを見せたかと思ったのもつかの間、ぼくの机に跳び蹴りを食らわせてきた。
その事件をきっかけに、ぼくとハム子は友だちになる。
それから四年半、ぼくらは六年生になった。
小学校の最上級生にもなると、いろいろ大人のような悩みも出てくる。
下の階に引っ越して来たみなしごのオサム。
母子家庭だったハム子は、母親が再婚して弟ができた。
ぼくとハム子を取り巻く環境も変わり、ちょっとした事件も起こる。
大人になりかけのぼくとハム子は問題に直面して、もがきながらも成長していく。
重松清の小学生を描く作品も、ワンパターンすぎてマンネリ化してきたかな、と思って読み進めたが、それでも結末に向かって心を揺さぶる構成には、いつものようにほろりとさせられた。
小学生は、こんな風に少しずつ大人の階段を登っていくのだなあ、とあらためて考えさせられた。
自分もそうだったかな------。
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重松豊氏らしい切なくて素晴らしい。
重松氏の作品らしく『劇的な展開』もなければ『劇的な感動』ない。
ただどうしようもない『現実』なのに切なすぎて涙がでる。
とにかく思ったのはどうしようもない事はいくらでもある、結局受け入れるしかないと
ハム子の気持ち分からなくはない実際うちの兄もあんなだったから…
好きとか嫌いではない再婚相手はやはり他人だし、理屈じゃなく仲良くは難しい
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色んな境遇で一人っ子になった子供たち。
世間とは違うかもしれないけど、みな、自分としての幸せを願う。
許される範囲で・・・
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自分よりちょっと上の世代だけど、団地に住んでいた小学生の頃がすごく懐かしく思い出された。今でも一人っ子に対するある種の価値観はあると思う。
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重松清氏らしい作品。
一部の子供だけかもしれないが子供って大人が考えている以上に大人なんだなあと思わせる作品。
年代でいえば私より少し年上にあたる子供たちなのだろうけど、今では珍しくない、そしておそらく死語であろう「鍵っ子」たちは少数派であったことやおばあさんが店番をしていた駄菓子屋もあちこちあったなあと懐かしく思った。
重松作品にしては泣き所がなかったのが残念^_^;
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う〜ん、期待していた内容とはちょっと違ったかなぁ。いつもの重松ワールドはどこかにいっちゃった感じで、後味がイマイチ悪い。
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【要旨】あの時のぼくたちは、「奇跡」を信じて待つことができたんだ――。両親がいて、子どもは二人。それが家族の「ふつう」だったあの頃。一人っ子で鍵っ子だったぼくとハム子は、仲良しというわけではないけれども、困ったときには助け合い、確かに、一緒に生きていたんだ。昭和40年代の団地で生きる小学校六年生の少年と少女。それぞれの抱える事情に、まっすぐ悩んでいた卒業までの日々の記憶。
思いっきり自分の子供時代とかぶる時代設定。あのころはそれが当たり前のように口にされていた言葉の数々は、今考えると「偏見」「差別」からくるものなんだよな、と改めて考えさせられた。
子どもはいつの時代も、大人が思っているよりも大人だよね。
綺麗ごとでまとめないあたりが重松さんらしくてすごく好き。
現実は現実、その中で強く生きてほしい、と願う。
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yomyom掲載時、気に入った作品の一つ。途中で編集長の変更の結果なのか、毛色が大きく変わり、この作品も慌ただしく、帳尻合わせのように終わりを迎えた気がしていた。
大幅に改変され今回書籍化されたというので、読んでみた。もちろん登場人物は変わらず、設定も変わらない。
生きたことのない高度経済成長期の団地の生活も、そこにあるきのこみたいな給水塔も、ハム子もオオカミくんも変わらない。
ただ、本当に大幅改訂されていて、腑に落ちる流れと結末になっていた。夕暮れに暮れなずむような、静かで穏やかで、すこし切ない終わり。しばらくじんわりと心に穏やかな赤に色づく団地群が残っていた。
お父さんのセリフが頭に残る。
「好きなものを訊かれて、ちゃんと答えられるうちは、人間、みんな、だいじょうぶだ」
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団地がステータスだった時代、三人の一人っ子を巡る、甘く切なくも哀しい友情物語。俺は鍵っ子ではなかったけれど、同年代と言うこともあってあっさり感情移入できました。
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一人っ子が少数派であった時代
兄弟姉妹がいることが当たり前だった時代
そんな昭和四十年代に知り合った一人っ子の小学生、三人の物語
個人情報なんて意識しなかったあの頃
名前、生年月日、血液型、住所、電話番号、両親の名前、両親の職業、兄弟姉妹の名前と学年は、クラス名簿を見ればすべてがわかった
クラス名簿はガリ版で刷られていた
電話番号が空欄の子もいたし、番号の末尾に(呼)と書き添えている子も多かった
母親の職業は半分以上が「主婦」
女子のほとんどの名前には「子」か「美」が付いていた
両親がいて、子どもが二人、それが家族の「ふつう」だとみんな思い込んでいた
子供部屋には二段ベッドが置かれていた
「鍵っ子」はかわいそうだと同情された
それとは逆に「非行に走りやすい」「テレビばかり観ている」「虫歯が多い」と悪く言われたりした
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上あるあるの方
おすすめ~(^o^)
重松作品を読むといやでも学生時代を思い出します
あの頃に戻りたくなったり、あの頃の友だちに会いたくなったり
心の奥の方の敏感なところをツンッと突っつかれる感覚・・・・・・
あの頃は世間と大人の矛盾に腹を立てたり
友だちとの切ない別れもあったりして
楽しいことばかりではなかったのに・・・・・・
でも・・・・・・・・・・
幼かった頃に兄を亡くしたノブ
母子家庭で育つハム子
天涯孤独の少年、オサム
三人の一人っ子は、苦い思いをしながらもその時代を生きた・・・・・
その後の彼等の人生を想像しながら・・・・・本日はここまで
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図書館で借りた本。
昭和40年代ぐらいかなぁ、一人っ子が珍しかったころ、6年生のハム子とノブだけしかクラスに一人っ子はいなかったところからクラスメイトの山本君に「一人っ子同盟」と名付けられた。
ノブは幼いころ、兄を交通事故で亡くし、ハム子は母子家庭という事情があった。
そんなある日、ノブの下の階に住む老夫婦の元へこれまた訳ありの4年生、オサムが引き取られることになる。
偏見や差別、子供の力ではどうしようもないことは、形は違えど、いつの時代もあるものなんですね。
「どうにもならないことって、あるんだよ」ハム子の言葉が印象的でした。
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一人っ子・・・
私の息子も一人っ子です。
兄弟を作ってやりたい・・・というより
私自身、もう一人子どもが欲しいと思いながら
6年間できずにきました。
保育園には兄弟姉妹のいる子ばかり。
少子化の時代とはいえ、地方では一人っ子はやはり珍しく
また「一人っ子は可哀そう」という目で見られます。
いつも何らかの思いを投げかけてくれる重松さんの作品。
一体どんな話なんだろうかと、おそるおそる読み始めました。
主人公のノブ君は、ただ純粋に一人っ子という訳ではありませんが
一人っ子としての思いや行動、親に対する思い。
ノブ君の言葉一つ一つが胸にチクチクと響きました。
「一人っ子の両親は、ふだんはウチの中で子ども同士がしゃべっているのを聞くことはできないんだ」
これは私も強く感じる事です。
そしてハム子ちゃんが言う
「どうにもならないこともある」
という言葉にも。。。
結局、重松さんはこの物語の中で
「だけど一人っ子でも大丈夫」とも
「だから一人っ子ではダメなんだ」とも
どちらも伝えているわけではないけれど
何か胸につかえているような
何か不思議な読了感でした。
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昭和の時代の小学生は、こんな感じだったかなと思わせる作品。少しずつ大人になっていく、子供たちの日常がいきいきと描かれている。淡い恋心、人間の優しさがしっかりと描かれた、とてもいい作品だと思う。