投稿元:
レビューを見る
アンシリーズは少女文学の代表となっているけど、とんでもない!
偏屈で、頑固な、だからこそ愛すべき中年たちの短編集。
モンゴメリの人間観察力&ユーモア満載なのだ。
投稿元:
レビューを見る
これは面白い。珠玉の短編集、といえる。10年も20年も、ささいな喧嘩がきっかけで離れていた恋人たちの復活、みたいなお話がいくつもある。ユーモアもあって、味わい深くて、ラストでほろりとさせられる。ほんとに素晴らしい作品ばかり。
特に良かったのが、「めいめい自分の言葉で」「隔離された家」「争いの果て」。でも、どれも素晴らしいです!
「めいめい自分の言葉で」:フェリクス・ムーアはヴァイオリンの才能がありながら、祖父のレオナード牧師に演奏を禁止されている。娘マーガレットが自分の気に入らないバイオリニストの男と結婚したからだ。
ある日レオナード氏はナオミ・クラークという「売笑婦」のところへ、看病と、神の癒しを与えるため訪れる。しかしナオミはなかなか理解しない。そこへ、フェリクスの奏でる音楽がナオミに啓示を与える――。
音楽の力をこんなに美しく表現するなんて。心がじんわり。一本の映画が撮れそうな素晴らしいお話。
「ルシンダついに語る」:婚約していながら15年間口をきいていなかったルシンダとロムニー。怖ろしく頑固なルシンダが、ある婚礼の帰り道、ロムニーに抱き上げられて小川をわたる。ようやく口をきいた二人…というハッピーエンド。
「隔離された家」:男嫌いの女と、女嫌いの男が心を寄せ合うようになる。
「争いの果て」:言葉遣いをよく間違えることが気になって15年前にピーターと別れてしまった38歳のナンシー。今は人生においてそんなこと大した問題ではないと気づいている。20年ぶりにアヴォンリーに帰りピーターの部屋を掃除し、お茶の準備をしたことをきっかけに、よりを戻す。
別れる理由とか、現在の年齢とか、あまりに自分と似ていて、身につまされる。ああ、わたしにはこんな結果はきっと待っていないけれども。
投稿元:
レビューを見る
アン・シャーリーは脇役でしか出てこないが、面白い短編集だ。内容は主に3種類の話が入っている。1)おかしな求婚のようすとハッピーエンド(「ルドビック」「隔離された家」)、2)すれ違ってしまった恋人たちの復縁(「ルシンダ」「オリビア叔母さん」「縁結び」「争いの果て」)、3)老人・女性の救済(「めいめい自分の言葉で」「小さなジョスリン」、音楽や歌によるもの。「ショウ老人の娘」「競売狂」「カーモディの奇跡」は幼子による)。もっとも長い短編「ロイド老淑女」は、2と3の話の混在形態で、昔の報われなかった恋愛・周囲の誤解や隣人愛・老人の心の救済といったことが、ロイド老淑女とシルヴィア・グレイを中心に語られており、涙なしでは読めぬものである。ストーリーの山へもっていくやり方は短編小説の傑作の一つであろう。音楽(歌)が介在している所も興味深い。この短編集の登場人物が本編でどう描かれているかというのも面白い読み方かもしれない。
投稿元:
レビューを見る
アンではなく、アンの周辺にいる人たちの短編集。特に後半は、どれも同じようなお話の運びで、簡単に予想がつき、飽きてしまいました。
その中で、「ロイド老淑女」はけっこうおもしろかったです。
投稿元:
レビューを見る
アンシリーズ第4段。
この巻では最初の章の『奮いたったルドビック』以外にはアンはあまり登場しません。ときどき人々の話の中に、「あの赤毛の少女」という感じで。
それでもアンの魔法がかかった人々はどの章でも楽しい生活をしています。すべて読み切りの短編ドラマのように描かれているので、一つづつ軽く読めると思います。ただ、ロイド老淑女だけは五月〜十月までの章に別れて書かれています。
ロイド老淑女は、おとぎ話の‐ツバメと王さま‐を思い出しました。貧しい人々の暮らしの為に自分の体から少しづつ宝石を外していった王さまの銅像。それを頼まれて運んだツバメ。最後は‐最後はおとぎ話と同じ結末になるのかと思って泣いてしまいました。
その他、一番感動したのが『めいめい自分の言葉で』、笑って幸せになれたのが『隔離された家』です。アヴォンリーのように自然に恵まれた地方では、すべての人々が幸福になれるような気さえします。
投稿元:
レビューを見る
■アヴォンリーに住む人々の、やさしい物語。
ちょっとした気持の行き違いで長いこと途絶えてしまった人と人との愛情が、またふとしたことから甦る。10年も20年も離れていた婚約者同士が、ついにお互いの存在を再確認する――1908年の刊行以来、アンの物語は広範囲の読者の心を捉えてきたが、この第4巻ではアンから少し離れて、アンの周囲の素朴な人たちが愛ゆえに引き起す、さまざまな事件をいくつか紹介する。
投稿元:
レビューを見る
とても魅力的な人々のお話。ロイド老淑女の話もすてきだった。「めいめい自分の言葉で」は一風変わったお話。ファンタジーのようだった。全部楽しく読みました。
投稿元:
レビューを見る
「ロイド老淑女」が最高に大好き。
しみじみ涙が零れてくる特別なおはなし。
「縁むすび」はアンとダイアナが出てきてうれしい。
「カーモディの奇蹟」はずっと前に読んだときは面白いと思った。
投稿元:
レビューを見る
『アンの友達』/モンゴメリ/★★★★★/シリーズ4作目の短編。時間軸は前作よりも前になるんですかね。この巻ではアンが主役の物語ではなく、アンの周辺の人物、、、といっても聞いたこともないような人物が中心。いろんな人物の感動する物語が多いですよね。また読みたいです。
投稿元:
レビューを見る
短篇集。どれも素敵ですが「閉鎖された家」での掃除へのモチベーション、自分ではツンのつもりながら魅力的な主人公が素敵。
投稿元:
レビューを見る
最初はアンのお話じゃないんだ〜と読まず嫌いで積読になっていたけれど、読んでみたらそれぞれに想いがあって。おもしろくて一気に読み終えました。
投稿元:
レビューを見る
オールドミスの主人公達がそれぞれの事情で離れていた隙間を一気に埋める瞬間には時間なんて関係ないんだな、と思いました。ほっこりする作品でした。
投稿元:
レビューを見る
アンが出てこないので、あまり期待していなかったけれど予想以上に面白かった。
話のテンポがよかったことハッピーエンド、 心が暖まる一冊。
投稿元:
レビューを見る
本作は赤毛のアンシリーズの一冊であるが、主人公アンから離れ、アンの住処であるアヴォンリーの人々にスポットを当てた短編集である。
アンシリーズを読んでいなくとも問題なく読み進められるが、アンをはじめこれまでのアンシリーズに登場していた人物がこの短編集にもちらほら登場し、ファンにも嬉しい一冊となっている。
投稿元:
レビューを見る
アンのスピンオフ短編集
いずれの作品も、頑なで純粋で悪戯心のあるアヴォンリーの住民たちの悲劇や喜劇を最後に心がほんのり温かくなる作品として仕上げられている。
中でも「ロイド老淑女」の、陰ながら献身的にシルヴィアを想う姿に胸を打たれた。
本編でアンの描くのロマンティックやドラマティックな物語は、きっとこのような作品であろう。