紙の本
レモンとは
2023/10/28 21:11
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投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レモンの起源から各国の文化との結びつき、レシピに至るまで、レモンに関するあらゆる情報が記されている。
カラー写真も多数掲載されており、見るだけでも十分楽しめる。
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この本を読んで初めて知ったことがある。それは、オランダの静物画家がレモンを絵の中に入れている理由が。17世紀のヨーロッパではレモンはぜいたく品であり、外国産の輸入レモンは富の象徴だったとある。著者曰く「オランダの静物画家たちはレモンを崇拝していた」と述べていて、目立つ存在だったともある。今の時代に生まれて育ったレモンが聞いたら、なんと思うか聞いて見たいところだ。
そんなことはさておき、レモンも歴史をたどると長い。キリスト教、イスラム教、仏教徒宗派を超えて必要なものとして受け止められていた。あの香りと形に惹かれた結果だとある。
レモンを使った飲料で有名なものとして「レモネード」がある。昔から「健康的な飲み物として確固たる地位を築いていた」と言うように、今で言うところの栄養ドリンクの役割を果たしていた。
レモネードと言うとアメリカが頭の中に浮かんでくる。と言うのもアメリカでは著者も触れているように夏の風物詩の一つとしてレモネードは欠かせない存在になっているからだ。しかし、フランスでは17世紀ごろからレモネードが売られて、特にパリではレモネード売りが登場してパリ市民ののどを潤したそうだ。
レモンと言うとあのブランドを思い出す。それは「サンキスト」。もともとは南カリフォルニア青果協同組合と言う果実の取引や流通のために1893年に作られた組織が始まりだ。その後も名前を変えて、1952年にサンキスト・グロワーズと名を変えた。
今ではレモンは飲み物にとどまらず、著者も取り上げているように食器用洗剤にもレモンが利用されている。「レモンはめったに主役にはならないが、まわりのものすべてをよりさわやかに、より魅力的にする名脇役である」と、著者はレモンをほめたたえている。レモンのないレモンティーなんて、レモンのないマーマレードなんて考えられないからなあ。レモンの存在は偉大だ。
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全部読み終わたら、レモンの香りを思い出した。
現代の最近でもレモネードの専門店が流行っているし、大航海時代を襲った疫病に効く栄養源だったのも知っていたけど、食用ではないためかレモンの原種といわれる果物がユダヤ人の宗教的儀式に今でも欠かせないものとして扱われているのには驚嘆した。
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レモンは古代からいい香りのために世界中で大切にされてきたことが分かった。この本に出てくるレモンパイがおいしそうで、作り方も載っていた。去年の夏はとても暑くて、おかしではレモン風味のケーキが人気だったなと思った。レモネードもよかった。
オススメ度:
★★★★★
にゃ~(海洋資源環境学専攻)
所蔵情報:
品川図書館 625.3/So43
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レモンの歴史について、比較的簡単にまとめられた本。ユダヤ人やアラブ人にとって儀式や祭典に必要だったレモンは、まず地中海域に広がり、イタリアからヨーロッパ各地に広まっていった。壊血病対策としても大いに役立ち、英国、そしてアメリカへと広がっていく。カリフォルニアではレモンのブランド戦略があたり、ロマン栽培が一大産業となった。
読んでいて、無性にレモネードが飲みたくなった。