紙の本
ひとつ思うのが
2020/08/16 11:31
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
インターネットで、人の誹謗中傷をしないと生きていけなくなった叩き体質の人々も、こちらに回って短歌(川柳)を詠めば、もう少し豊かな日常を送れるのではないかな?
承認欲求は、どこかに掲載されればいいだろうし。
即効性がないからダメかしら?
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妄想やイメージを膨らませるより、日常生活を切り取った歌が多い。読みやすくすっと頭に入ってくるが、日常の切り取り方に、自分も含めた世界全体を外から眺めているような、孤独を感じる。今生きているこの世界は何だろうか。死んでいくとはどういうことか。など、根本的な問いが歌の背後に感じられ、読んでいてたまに苦しくなるが、視点にユーモアがあるのでそこまで重い印象を受けない。
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ユーモアと切なさと、ときにナイフを突き付けられたような言葉たち。ナイーブで柔らかなイラストと相まって、端的に心を揺さ振る。
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若いとき買ってまでした苦労から発癌性が検出される
#あと二時間後には世界消えるし走馬灯晒そうぜ
「強く押すボタン」を弱く押したのに鳴って止まない火災報知器
すこしなら逆に体にいいという噂を信じ毒を飲む顔
ノーメイク、セルフカットのきみだけど裏地のボアのにおいは女
座ってただけだったのに誌上での僕は何度も(一同笑)
終わらない痛みのように立ち上がるアップデートの通知を閉じる
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非常によかった…
静かにすっと入ってくる。
短歌だから当たり前なのかもしれないけど、言葉のつくるリズムが心地よい。
内容は日常の何気ないことで、作者の冷静で少し毒のある味方で書いている。
おそらく自分の感覚と近く、共感できたのでは。
この本はいつも枕元に置いて、1日の終わりに少しずつ読んだ。
静かで落ち着いた、温かい気持ちで寝ることができた。
そんな気持ちになれたのは、共感してもらった感覚だったのかな。
作者のことはツイッターで知った。
新作『たやすみなさい』も近いうちに読みたい。
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食器と食パンから。
何度も読んでしまう。朝起きたらいつも適当なページを開いて読んでいる。寝る前に覚えたものを繰り返し唱えてしまうくらい好き。
日常に潜む些細なことや、日常の中の非日常がまるで現実に起こったかのような不思議な錯覚に陥ってしまう短歌ばかり。
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岡野大嗣 短歌 マーブルの水ヨーヨーが地を叩く世界が消えるときは一瞬 くもりのちあめのちくもりくちべにをひく母さんのてつきはきらい 雨やみに遊具からの血の香りしてほんものの血のにおいに混じる 先生と弁当食べる校庭のレジャーシートの海はまぶしい 象印マホービンから美しい世界の果ての波のさざめき 豆腐屋の湯気がここまでやってきて狛犬ちょっといい顔している 抜けるほど青い空って絶望と希望を足して2で割った色? 返歌 目覚むほど橙色は願望と羨望掛けて平方根出す
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解説で東直子さんも述べているように、帯にも載ってる代表作「もういやだ死にたい、そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい」とか、「母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように」とか、まさに本音の祈りを飾らない言葉で表現した作品が印象的。
また、「忘れたくないものを短歌にしている」とあとがきで書かれているが、その瞬間の何とも言えない気持ちとか、表情とか、空気とか、そういうのを一首読むことで思い出せるのが岡野さんの短歌。その時の風、気温、空気が読み手に伝わってくる。
あと、岡野さんの短歌に興味を持つきっかけにもなった、装画、挿絵がすばらしい。もっともっと載せて欲しいくらい。
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しみじみとする短歌がたくさん。好きです。
ちょっと浮遊している感じと、音楽や死を思わせる歌が多い気がするのも好き。
「もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい」がすごく好きなのですが、「六ヶ月は死なない前提で買う六ヶ月通勤定期」も好き。
岡野さんの短歌に出会うきっかけの、ハムレタスサンドの歌も好きです。好きがたくさん。
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自由律短歌というのでしょうか。先日「たやすみなさい」を読んでその自由さにワクワクしました。
曲がりなりにも作詞をする人間の一人として、この何にも縛られることなく言葉を紡ぐ楽しさに胸が高まりました。
そしてその前の作品を読んでみたくなりました。
これもまた自由で、情景がぱっと頭に浮かぶ素晴らしい作品集です。
お気に入りの短歌をフレーズ登録しました。やはりとてもいいよねー。
本好きな割には言葉を紡ぐという事には無頓着で生きてきて、まじめに言葉と向き合ってきたのはこの15年程度でしょう。
しかもこの「まじめ」というのは、何かに縛られて書いている文章を考える意識としてとてもふさわしい言葉かもしれません。歌詞の場合メロディーに縛られている部分が多分に有り、どこか自分の心そのものではないなと思います。当然作品としての完成度の為には重要な事なので、推敲に推敲を重ねて作詞をします。
しかしこの自由な短歌は、自分が今、思い浮かべたぼんやりした感情をそのままつかまえて封じ込めることが出来ます。まるで魔法のようです。
特に僕が好きだったのは
「道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機」
です。見た瞬間に情景が浮かぶし、ごみでしかない扇風機を絶妙に引いた擬人化で感情移入させます。これがもっとグイっと踏み込むと感傷的になり過ぎるのですが、幾分冷めた、それでいて優しい視点がとても心地いいです。
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「散髪の帰り道で会う風が風のなかでいちばん好きだ」と、「脳みそがあってよかった電源がなくても好きな曲を鳴らせる」が特に好き。知っている言葉なのに、今まで出会ったことのない気持ちになるのってすごいね。
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日々の生活の中で、何気なく過ぎて行きがちな場面を切り取りながら、作者のゆったりした虚無感を散りばめていた。美しさや生々しさ、様々な表情を見せる一つ一つの短歌から、作者の生を間接的に感じとれた。
1番グッときたのは
運転に支障は無くて何年も放置している心の異音
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歌集で初めて読み終わった本だった。生と死、郷愁、ユーモア。世界の滅亡で初音ミクが登場する短歌が書かれてあった一首を拝見し、近未来的なイメージを想像した。(想像だけだけど)あとがきに書いてあった岡野さんはため息が短歌になる、と書かれてあって言葉の巧みさを感じる。口語短歌の素晴らしさを感じた一冊。
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好きな詩はいくつも。生理的に受け付けない詩もいくつか。高校生か中学生男子ぐらいに錯覚しちゃう青臭い感性が時々垣間見えて、それが良かったり悪かったり。
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もしそれを愛と呼ぶなら永遠に続く閉店セールも愛だ
岡野さんはノートにいいねしてくれたのと、Momを聴いているので大好き。