紙の本
当事者意識を持ちましょう
2016/06/30 00:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
町の本屋が消えつつある今、本に携わる人に何が出来るのかを本気で考えた一冊。
決して固い評論ではなく、実際の店舗の取り組みやシンポジウムの談話を挙げてあって読みやすかったです。また、本書の最後に収録されているウィー東城店の写真が活き活きしていて、町の本屋さんの将来に少し希望が見えます。
本屋さんに「何をしてもらえるか」、「どんな便利なサービスを提供してもらえるのか」ではなく、本を読む側の人間として当事者意識を持って読書文化(特に紙書籍)を支えてきたいと素直に思えました。
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あらためて、今この本の影響を考える。
夏葉社さんの提言から始まったこの会議、そして刊行本は、これからの本屋を考える人たちの一歩を確実に歩ませているように思う。
新たに古書店を始めた店主、同じように一人出版社を始める人、長く勤めた大型店舗の閉店に伴って退職し書店の立ち上げを模索する書店員、長い間京都のセレクト書店の店主として勤めた堀部さんの新しい動き。
この本が出た当時、こうした議論はもう過去に何度も繰り返され、その度にたち消え、流れに抗うことなく衰退していく、その繰り返しの始まりと思っていた。
でも、今回のこの動きは、本当になにか新しいムーブメントを感じさせる。
夏葉社さんの本は、本当に売りたい、読みたいと思わせる本ばかりだ。
こうした本が一部の読書家たちのあいだで、新たに認知されつつあるように思う。
単に危機を煽るだけでなく、希望を見いだし、大きな流れに抗う動きを実際に産み出している。
今後のことはまだ分からないし、楽観視できる状況下ではないけれど、「本屋会議」はもしかしたら、そうした時代の転換点を象徴する一冊になるかもしっrない。
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一気に読んだ。
本屋のこれまでとこれから、あり方などが書かれた本はかなり読んできたけれど、一番バランスのとれた捉え方がされていると思う。
色々な方の考え方が寄せられていて、「これが正解」というのはないけれど、どの考え方にも頷けてしまう。
読み進めていくうちに、ある文章で泣いてしまった。
そこには、純粋すぎる本への愛情が綴られていた。
「こんな風に本を求めている人がいる」と思った時に胸が熱くなった。
本や本屋について書かれた本で泣いたのは、これが初めてだ。
出会えたことに感謝したくなる本だ。
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本屋さんや出版界が自分たちのことばかり考えているように何となく思っていて、それはどうなのかなと思っていた。それは図書館人がなんだかんだ言って、ちゃんと地域のこととか利用者のことを考えてるのか?ということと同じような感覚で。
それで、この本を読んだら、ちゃんと読者のこと考えているのね、と感じられ、腑に落ちた。ちょうど関東へ行ったので往来堂書店へ行ったくらい。で、笈入店長さんにお会いしできてうれしかった。
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発売からずっと気になっていて、でも「書店員や出版社の人間が、『自分達は世の中に必要だ』なんて、おこがましくてちょっと恥ずかしい」と思っていてなかなか読めずにいた本。
やっぱり読んでよかった。業界の側にいる人間だって、お客であり、一市民だ。一市民として、本屋が必要だと言いたい。自分の住んでいる町から本屋が無くなるなんて、本当に寂しく悲しいことだ。
書店、書店員の方々はみな本当に頑張っている。考えられる手は全て打っているという感じ。これ以上の負荷がかかったら、糸がぷつりと切れてしまわないだろうかと、インタビューを読みながらしばしばみぞおちが痛くなった。ノスタルジーだけで飯を食い続けることは出来ない。「便利さ」に背を向けてまで、本屋を支持してもらうには、相当の引力が無いといけない。
そんな中で、京都の恵文社一乗寺店(日本で一番好きな本屋)の堀部店長の店づくりの方法は、なるほどと思った。誰もが真似できるわけではないけれど。
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町の本屋さんについて考えた本。
ずっと、こだわりの店主がいて、本オタクの人たちが難しい話をしている本屋こそ理想の本屋のイメージだったけど、地域の人が求めているものがちゃんとある店、それが人気の実用書だったりベストセラーの軽い小説だったりしても人のためになるのならそれこそ大事なんじゃないかと改めさせられた。
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町の本屋さんについて書かれた本。
我が地元も,むかしからあった本屋さんが
1件,また1件と閉店している。
ネットではピンポイントに欲しい本が買えるけれど,
店舗へ行き,その本の周りにある本と出会えることが
実店舗のいいところ。
頑張れ~♪
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2015.8
とても勉強になった。今後の本屋を考えるいい本だった。こどもにとっていい絵本をこどもたちへ。それぞれのお客さん全員に真剣に向き合って売り場を作る。地元との関係を大切にする。地域のお客さんの要望に応える、本を核にした小売。お客さんの声を聞くこと。 こどもたちの場所。あらゆる考えに触れられる場所。自由に入れる場所。そこから読者を育てる。本屋は地域の人みんなの場所。勝手に変えてはいけない。大型店舗とネット。時間消費型。需要を作り続ける。そこに行けばなにか面白いものがあるという経験を与え続ける。多種多様なものがたくさん並んでる本屋の魅力。量やコスパで競争してはダメ。本屋に来る魅力。大人のおはなし会。それぞれの人がそれぞれの欲しいものを自由に取り出せる。いつもの場所にいつものものを。選択肢がない。売上ランキング。スタンダード。欲しい本がどこにあるかすぐわかる。こだわりは独りよがりでなくお客さんのためのもの。イベントや本以外の商材で店に来るメリットを。全体像を把握されない、簡単に消費されない店の作り方。ローカリティー。地域性。ベーシックな部分と尖った部分のバランス。
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思ってたよりもシリアスな内容で、街の本屋さんについての真剣な考えが胸にズシーンときました。
この先CDはおそらくなくなる日が来るだろうけど、本は絶対に残ると思ってます。
でも、本屋さんはどうだろう、って考えるとなかなかに切ない。
しかし正直なところ検索の便利さを知ってしまうと毎回本屋さんで欲しい本を探して、って道から遠のいてしまう気持ちも理解できるから、とりあえずお店行こうよ!みたいな乱暴なこと言えないし。
本屋に限らず小売は全てこうなっていくのかもしれないけれど、、、
うーん、でも本屋さんって好きなんですよね。
なんとなくフラリと覗きに行って、そこで思わぬ出会いを貰える。そういう場所はやっぱり残ってて欲しいなあって思います。
顔の見えない、金太郎飴的な本屋さんだってそこに暮らす人々の生活を豊かにしているのであればそれだって素敵な本屋さんじゃないかしら。
欲しい本に出会えるって一番大切なことですよね。
本屋で働いていた経験もあるので、読みながら色々考えてしまいました。
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本屋が昔から好き、毎日ついつい本屋に寄ってしまう人にはオススメ。これからの本屋の在り方を考えさせてくれる。
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町の書店に思い入れはない。こだわりの店作りをしていた大型店に通い詰めたころはすでに遠い。本屋のない(あるけど、自分が満足できるものではない)町に住む身として、本屋のない時代はさぞ味気ないものだろうとは思う。現状分析、展望、それぞれの筆者の思いは腑に落ちるものもあるが、一利用者として、何かが抜けている気もする。本を偏愛している自分が、図書館のヘビーユーザーであるという、ある種の矛盾も感じつつ。
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笈入さんの「本屋原論」がとくに、うんうんと思わされた。寄付のつもりで買うってことが。町の本屋はノスタルジーって言い切ってるとこはおお、と思いましたが、実際そうなんだよね、突き詰めると。あと50年史を読んで、やっぱりこれだけ人口が減ってデジタル化が進んで小売店が厳しいなか、あり方は変わって当然だし、今にあったやり方で続けるしかないよねって改めて思いました。まあ、この業界は何十年も同じこと言ってるんだが。図書委員の中学生のがんばりが素晴らしかった。
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本屋さんは、住み場所によってそのイメージ、規模が違うと思うが、本好きにとって、または、その町に住む人にとっても大事な場所である事は変わりないと思う。その場所についての未来を語り合った本。
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新刊が入ってこないから追加発注する、とか、苦労している部分は一緒だな、と思う。
いわゆる”個性的な棚”は、町の本屋が一番とすべき業務ではない、というのも同感だ。
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町の本屋は必要かと言われたら、必要というのは難しい。でも町の本屋で育ってきた私達は、やっぱり町の本屋を残したい。がしかし、想像以上に本屋の未来は暗い。確かに近所の本屋はどんどん潰れていっている。私もついつい図書館やら電子書籍やら便利なものに傾いていってしまう。仕方のない事かもしれない。でも本が好きなら本屋を守りたいと思う。私に出来る事は足繁く本屋に通って、本を買う事しかないけれど。