紙の本
東京散歩のお供(保存版)
2017/07/02 22:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
泉麻人の得意とする散歩ものである。都内23区を隈なく歩きまわり、村松昭の特有の地図とともに、したためた大作である。この原本は月刊誌『おとなの週末』に連載したものである。泉によれば、東京の散歩ものを描き続け、その集大成として本書をまとめたということである。
そういえば、「東京ディープな宿」なんていう本を読んだことがあった。こういう本は内容が少しでも古くなると、そこに書かれている場所、上記で言えば宿がもう廃業したり、買収されたりで存在しない場合が多い。存在しなくとも過去長年にわたってそこで活動をつづけたものであれば、価値はあるとは思うが、散歩ものなどは、それを片手に歩くのが、一つの活用方法であろうから、実物がもう存在しない場合は本の価値が下落することは間違いなかろう。
本書も連載している端から刻々と変わっていく。東京に長らく居住していても行ったことのない区というのはあるものである。もちろん、区全域を隈なく訪れ、その記録を描くことは不可能である。泉が記述したある区のある地域は、そこが特別に有名であるということはない。それだけに、本書を片手に訪れてみるという楽しみはある。したがって、本書は読む書というよりは、保存版として手元に置いておき、散歩の際に見て、ふらりと訪れるには最適かもしれない。
古くから東京に住んでいれば、本書の中のいくつかは訪れてはいなくとも、聞いたことがあるかも知れない。そこを実際に訪れてみるのは暇があれば面白いと思う。本書は比較的最近のことだけではなく、たとえば、荒川区にあった東京スタジアム跡のように東京名所の跡地の案内まで出ている。少し古い人はそこで大毎(東京)オリオンズの試合を見たことがあろう。そういう人には特に懐かしい場所である。
本書には時間、空間を問わず、話題性のあるものが散りばめられており、読後にそのような懐古趣味を刺激される可能性もある。東京に興味のある方は必見かも知れない。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京23区をすべて、もうらされているのが、他の本と違って気に入りました。ディープな観光をしたい方におすすめ。
投稿元:
レビューを見る
すごく面白かった。こんな身近な場所の紀行文を上手に書いてみたい。
東京に住んでいるときに読めばよかった。
もっとも毎週毎週野球見てたので、どこにも行く余裕は無かったが。
投稿元:
レビューを見る
相次ぐ再開発で変わりゆく都心、江戸の情緒を色濃く残す下町、バスが便利な
郊外……いろんな顔をもつ東京を歩こう!
これまで数多くの東京本を世に送った街歩きエッセイストによる決定版。村松昭画伯のオリジナル区地図も収載。文庫化に際し最新情報に改め、思わず誰かに話したくなるマニアックな特選クイズ30問が新登場!
投稿元:
レビューを見る
かつての東京23区物語から、氏の散歩物エッセイのファンでありました。今回の大著も一気読み。660pもあったが、速攻読破。新ネタも盛り込まれ、臨場感もばっちし。多くの場が知っていたり、行ったことのあるところなのもますます良い。氏の記事の最後の方にちょくちょく出てくる、その後なくなってしまった、というところも、いくつも体験を共有しており、感慨深くもなった。
東京はすぐに景色が変わるので、また10年後にでも新大東京~を刊行いただきたい。多くの人が独自の~散歩をしているが、そのはしりとして氏の著書は貴重であります。
投稿元:
レビューを見る
泉麻人による町探訪。東京23区をすべてフォローする大作であるが、ところどころに小ネタをきちんとちりばめている。これをもとに東京23区を散歩するもよし、東京にはこういうところがあると思いにふけるのもよし。
投稿元:
レビューを見る
東京二十三区の各所を散策して丁寧に描いたエッセイ。
知ってるところがあると描写しやすくて凄く良い。
ぢ、墨田区や江東区といった下町メインのところは、散策上級者向けなせいか、少し退屈してしまった(こればかりは仕方が無い?)。
暇があれば散策したくなる本
投稿元:
レビューを見る
書店で平積みになっているのを無視できず買ってしまった。
「これを参考に散歩を」というわけではなかったが、「自分の散歩の参考に」くらいは思って、買ったのだと思う。しかし、散歩の目的、着眼点みたいなものが違って、参考にはならない。
やはりここは、泉さんの着眼いいよな、と思って、泉さん流散歩をするのがいいと思う。
っていうか、これはそういう実際的なガイド本として作られているのか?
私が勝手にそう思っているだけではないのか。そんなことだと東京以外では売れないではないか。
まだ見ぬ場所を、多分この先も行くはずのない場所を、泉さんと歩いているかのように味わう本ではないのか。
地図のイラストも楽しく、本来なら行くはずもないような場所も、いつか行きたい、歩いてみたいと思わせる、すてきな本だった。
投稿元:
レビューを見る
知らないところは行ってみたくなり、知っているところは現在の姿を確かめに行きたくなる。
かなりの情報量で、読み通す人は同病人...
投稿元:
レビューを見る
著者の東京散歩シリーズはずっと読み続けてきたが、本書はその集大成という感じで、中身もより濃い内容になっている。ただ、ちょっと過激で面白いと感じでいた表現が今回はかなり抑えられているようにも感じられる。時代の要請なのかもしれないけれど、散歩もそれだけ気を配る必要が出てきたということだろうか。
投稿元:
レビューを見る
東京23区を、一つづつ巡るもの。しかも、一つの区について、2~3回に分けられて書かれているので、中々の分量の本になっています。元々は、『おとなの週末』の連載。
もちろん、普通の有名スポットではなく、路地裏の様なディープなスポットを巡っているので、中々興味深いです。これをもとに、書かれたところに行ってみるか・・・?
投稿元:
レビューを見る
あえてマニアックな方向へ行かずに泉麻人氏の気の赴くままに歩いている。昭和から平成、そして平成も終わろうとする〈いま〉の東京という町の息づかいを活写した記録文学である。