紙の本
巷に豊富に出回っているサプリや保健機能食品を科学します!
2020/01/28 10:16
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、数多くの分野の知識をわかりやすく提供してくれる大人気の講談社のブルーバックス・シリーズの一冊で、同巻は健康食品について書かれた驚愕の書です。今や我が国では人々の関心は健康維持にあり、そのブームに乗じた多くの健康食品が売り出されています。例えば、脂肪の吸収を抑え、排出を増加させるという「トクホコーラ」や腸内フローラを良好にし、便通を改善するとりう「ビフィズス菌配合サプリメント」などはその一部です。日本の制度によって、こうした効能・効果を宣伝するトクホや機能性表示食品などの保健機能食品は、本当に効果があるのでしょうか。同書では、これらの食品の開発において基礎となった論文や、その後の研究結果などから、こうしたサプリ、保健機能食品の実態を究明していきます!
紙の本
「トクホ」「機能性表示食品」の法令だけでも読んでみるといいかも。
2017/03/09 17:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「健康食品」で健康になれるのか?を冷静に考えようという本である。
巷には「足りないものはこれで補って健康を・・」というような文句が溢れている。「これなら絶対」。そのように思えてしまうのは多分に「宣伝の力」なのだと著者はかなり詳細に説明していく。読み進むごと、「売るための心理操作」の大きさの向こうにある「経済の仕組み」に複雑な思いを感じてしまった。「経済社会」の仕組みの大渦に巻き込まれている感覚、と云ったらいいだろうか。
著者が特に強い危惧を抱いているのは機能性表示食品」の表示である。宣伝文がどれだけ巧妙に「言わないで想像を掻き立てていく」のか、の解説だけでなく、「根拠」にしている論文の数値を実際に読んだ結果などもある。本来は買おうとする私たち自身がきちんとそういった「原著となるもの」を知ったうえでなくてはならないのだろう。(そういう点では本書も鵜呑みにする多、と言わなくてはならないかもしれない)
「トクホ」「機能性表示食品」それぞれにはどんな内容のものがあるのか、一覧表で概観してあるのを見るのも全体像が分かってくるようで面白かった。店頭でも実際の成分表示のどの部分が「指定」の対象なのか、良く見てみたいところである。
「トクホ」や「機能性表示商品」の要点が記載されている法律の条項なども記載されている。この際一度読んでみるというのも良いことだろう。ここには法律が制定された「事情」も見えているようだ。基本的なことだが、「経口的に摂取するもの」の区分とか「健康食品の定義」とか、しらないままでいるものも多い。カプセルや錠剤の形で「一日の容量」までもが明記されて売られている物が「食品」というのがなにかやはり不思議な気持ちになる。
著者の主張は2003年に出版された『「食べもの神話」の落とし穴』から全く変わっていない。変わらないどころか、と感じたのだろうか、著者の文章も強くなっている。具体的な商品名や、その会社に質問した時の解答なども載っている。
あくまでも栄養・運動・休養が基礎、「普通にしてればいいんです」というのは正論なのだろう。だが、その「普通」がわかりづらいのが最近の状況でもある。「自分の普通」が正しく把握できる自分の維持。それはどうやったら可能だろうか。
投稿元:
レビューを見る
トクホ誕生から25年、機能性表示食品の登場から1年。
その驚愕の実態!!
「脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる」トクホコーラ。「10分のジョギングと同じ消費カロリー効果がある」高濃度茶カテキン飲料。「体に脂肪がつきにくい」中鎖脂肪酸を含む食用油。「腸内フローラを良好にし、便通を改善する」ビフィズス菌配合サプリメント。国の制度によって「効能・効果」を大々的にアピールするトクホや機能性表示食品などの「保健機能食品」。“根拠”とされる論文を解読してわかった驚きの実態とは?
誇張された宣伝文句を“誤読”しないためのヒントも満載。
コラーゲンが潤すのは「お肌ではなく喉」だった
ふつうの豆乳とトクホ豆乳の中身はまったく同じ
「体脂肪を減らす」お茶で体重が増えた
「内臓脂肪面積を減らす」ヨーグルトで体脂肪率が上昇した
血糖値が上がりにくい人は「食後血糖値を抑える」青汁で血糖値がむしろ増加した
「効かない」だけじゃない。実は危ない「10の理由」――。
有害物質を含むものがある
医薬品成分を含むものがある
一般的な食品成分でも病態によっては有害作用をもたらすことがある
抽出・濃縮・乾燥等による特定成分の大量摂取が問題を生むことがある
高齢者の代謝に過剰な負担を強いる
医薬品利用者における薬剤との相互作用が起こりうる
食生活の改善を錯覚させる
生活習慣の見直しが不要と錯覚させる
治療効果の過信で医療を軽視する
非食品の食品化
論文を読み解き、メーカーに問いただしてわかった、
「効果の限界」と「隠されていた不都合な真実」――。
それでも、買いますか?
著者紹介:高橋久仁子(たかはし・くにこ)
群馬大学名誉教授。一九四九年生まれ。日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士課程卒業。東北大学大学院農学研究科食糧化学専攻博士課程修了。農学博士。氾濫する健康関連食情報を「フードファディズム」という視点で読み解くことの必要性、ならびに食生活領域のジェンダー問題解決の重要性を提唱している。
高橋久仁子さん講談社ブルーバックス既刊本
『「食べもの情報」ウソ・ホント―氾濫する情報を正しく読み取る』
http://booklog.jp/item/1/4062572311
『「食べもの神話」の落とし穴―巷にはびこるフードファディズム 』
http://booklog.jp/item/1/4062574187
投稿元:
レビューを見る
世の中に溢れる健康食品やサプリメント。これらの効能に関する商品説明を、元になるデータや論文を検証した上で問題点を指摘している。
著者が言うように、これらの商品説明は不足な点が多く、表示されたデータが誤解を与える手法をとっていることは事実だと思う。しかし商品の持つデータを商品説明で開示し、この商品の効果は不明な点も多く限定的だがそれでもよければ購入してくださいで、その商品が売れるはずはない。商品説明の手法は売らんがためにメーカ側からは当たり前であり、効果がまったく期待できない嘘でない限り問題視するには当たらない。ただ、最近の健康ブームで健康食品などは多種多様になってきており、購入する側からすると宣伝文句に踊らされない何らかの指標が欲しい。しかしこれをメーカー側や販売店に求めるのは無理な話だから、第三者の健康雑誌等が客観評価すれば良いと思うのだが。
ここで指摘された商品の一つを愛飲しているが、私には効果はあった。
投稿元:
レビューを見る
確かにこれを食べたら痩せる!活力がわく!若々しくなるといったうたい文句が
多すぎる。
効果はあるが、現実的な量ではなかったり。
特定保健食品の「寄与することが期待できること」という曖昧な表現を使ったり。
誰かの利権が絡んでいるんだろうなと想像できる。
健康食品と言われているものには有害であるものもあると著者は10の理由を挙げ
ている。
有名なヘルシアやメッツコーラなどをデータを使って論評している。(数字遊び)
結論は「ふつうに」食べる。
バランスよい食事を!ということですね。
投稿元:
レビューを見る
プラシーボ効果というのもあるので、適度に「健康食品」を口にしても良いと思う。水素水とか、マイナスイオンとか、○○ダイエット、等々と同様に何気に好印象を与え購買意欲をそそらせる物が多いと感じるこの頃である。宣伝している効果はなくても構わないが、決して報じることのない悪影響が無い事を切に祈る。良いと信じて採りすぎちゃう人は案外多いから。
投稿元:
レビューを見る
現代日本に氾濫する、健康食品詐欺の一翼を担う「国のお墨付き」。どうぞこの本がベストセラーになって、この業界が一掃されますように。
投稿元:
レビューを見る
実にまめに一次情報にあたってくれており、頭が下がる。トクホ・機能性表示食品の根拠のいい加減さを誠実にバッサリと暴く。健康不安、恐怖を日常生活レベルで延々と刷り込まれた結果、このような不誠実な商品が跋扈するようになってしまった。
悲しくも自分たちは「騙されるほうが悪い」「無知なものは騙して奪って良い」という世界に生きている。広告会社の掌で踊って楽しく搾取されるも、頭を使うことを止めず知をアップデートし続けるも、どちらでも好きなように。良い食材で美味しい料理が食べられる日々に感謝。
投稿元:
レビューを見る
「特保」がこんなにいいかげんなものだったとは目から鱗です。今までいろんなCMを見るたびに欲しくなっていた衝動がかなり抑えられるんじゃないかと思いました(笑。
投稿元:
レビューを見る
食品は薬ではない。適切な食品を適切に摂取することのすすめ。健康は特定の機能を持つ?とされる食品だけで成立しないことを理解すること。健康は食事運動休養で支えられる。過ぎたるは及ばざるがごとし。
ふつうに食べよう。foodfaddism
投稿元:
レビューを見る
健康食品が批判されるべくして批判されているのが良く分かる。保健機能食品の表示制度を詳しく解説しつつ十の問題点を浮き彫りにする良本。
著者が列挙する問題点は,
①有害物質や②医薬品を含むものがある
③食品成分でも病態によっては有害作用
④抽出・濃縮・乾燥による特定成分大量摂取
⑤代謝に過剰な負担を与える
⑥常用薬品との相互作用
⑦食生活の改善や⑧生活習慣見直しの不要を錯覚させる
⑨効果過信による医療不信
⑩非食品の食品化(ゲルマニウムや胎盤がなぜ健康「食品」に?)
十項目のうち,生理的作用でない心理的作用⑦⑧⑨って実はかなり危なっかしい。
⑦⑧は健康食品を免罪符に健康な生活という基本を疎かにするから免罪符効果とでも言えそう。
⑨の医療不信もそれが行き着いた深刻なケースが時折報じられるし。
https://twitter.com/Polyhedrondiary/status/716985294872977408
健康食品の宣伝効果がここまで高いってことは,教育効果も高いはずだから,何とかなりそうなものだけど,やはり経済効果なんですかね…
https://t.co/HjU3ugbKpO
トクホでも「商品名=関与成分」とは限らない。商品名に「青汁」が入ったトクホも実際のところは「添加」した「難消化性デキストリン」等を関与成分として許可されているとか。決して青汁の健康効果を国が認めたわけではない。
そりゃ水素水も売れるわ…。
投稿元:
レビューを見る
中盤の8割方が食品業界への不信についてがたくさん細かく書かれていたので見る気が失せたが、冒頭と最後に新しい知識になったことなたったのでこの評価です。
・コレステロールは動物性食品にしか含まれない。ビタミン12も動物性食品にしか含まれない。
・ビタミンDは動物性食品かキノコ類にしか含まれない。
投稿元:
レビューを見る
健康食品は情弱ビジネスだなぁと思った。
効果がほぼないのに、効果があると言い換えるトクホ。
科学的根拠自体があいまいな機能性表示食品。
それを国が認めちゃうあたり日本終わってる。
あるいは、こんな詐欺的手法でも使わないといけないほど経済活性化が難しいということなのか。
言うまでもなく、印象操作を多用し、詐欺的手法を使っている企業も邪悪だ。
まったく日本はスゴイ国だよ。
消費者にもリテラシーが必要なのは当然なのだが、さすがに論文までさかのぼって調べるのは、専門家でもないと、めんどくさすぎてやってられない。
情報公開をもっと強化するという点は賛成だ。
(実際に調べるかは置いといて)
食べ物は食べ物なんだから、妙な期待はせずに、バランスのいい食事と運動と休養という意識が何よりも「健康にいい」と思う。
投稿元:
レビューを見る
序章 健康志向にしのびこむ「機能性幻想」
第1章 「健康食品」で健康は買えない―むしろ危ない10の理由
第2章 トクホの“罠”―“科学的根拠”を解読してわかったこと
第3章 “第三の保健機能食品”「機能性表示食品」を考える
第4章 「栄養機能食品」を再点検する
終章 「ふつうに」食べましょう
著者:高橋久仁子(1949-、長野県、教育学)
投稿元:
レビューを見る
トクホなど健康機能食品の成立過程・定義・個々のエビデンス評価などが、科学的に解説されております。
正直、目から鱗でした。
わざわざ、これら健康機能食品を、高い値段を出して購入することがバカらしくなります。
そのくらいの説得性が本書を一読するとよく理解できます。
故に、食生活は、いかに普段の食事を3食、各栄養素をバランス良く、適量を摂るかということに尽きるということだということなのですね。