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紙の本
非正規レジスタンス (文春文庫 池袋ウエストゲートパーク)
著者 石田 衣良 (著)
派遣会社からの日雇い仕事で食いつなぐフリーターのサトシ。悪徳人材派遣会社に立ち向かう決意をした彼らユニオンメンバーが次々襲撃される。「今のぼくの生活は、ぼくの責任」と言い...
非正規レジスタンス (文春文庫 池袋ウエストゲートパーク)
非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパーク8
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商品説明
派遣会社からの日雇い仕事で食いつなぐフリーターのサトシ。悪徳人材派遣会社に立ち向かう決意をした彼らユニオンメンバーが次々襲撃される。「今のぼくの生活は、ぼくの責任」と言い切る彼をマコトもGボーイズも放っておけず、格差社会に巣食う悪と闘うことに。表題作他3編収録。大好評IWGPシリーズ第8弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
千川フォールアウト・マザー | 7−64 | |
---|---|---|
池袋クリンナップス | 65−123 | |
定年ブルドッグ | 125−185 |
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紙の本
か、かっこええ・・・
2010/09/16 09:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまりにカッコよくて、読んでてうるうるしてしまう。感動じゃない、ただそのかっこ良さに涙腺が緩んでしまうのだ。といっても本作品でかっこいいのは「池袋のトラブルシューター」主人公のマコトでも、悪ガキ達の最大チームGボーイズを束ねる「キング」タカシでもなく、ましてや地域の有力暴力団渉外部長のサルでもない。何とマコトの、おふくろさんである。毎度物語の冒頭にちょっとだけしか登場しないマコトのおふくろさん。しかしながらマコト曰く「熱烈なファン」がいるらしい。であるなら満を持して、の登場なのだ。いやもうその立ち居振る舞いに言動、一つ一つがかっこいい。ピンと背筋を伸ばして若造を嗜める姿が、目に浮かぶようだった。そりゃ女手一つで池袋にフルーツ屋を構えて切り盛りし、あのマコトを育て上げたのだ。暴力団だろうがチンピラだろうが恐れず立ち向かうマコトをして、唯一絶対にして頭の上がらない存在である母親。そのお母さんがシリーズ初めて物語の中心に立ったのが冒頭の「千川フォールアウトマザー」である。面白い!またサルやタカシも、マコトのお母さんを大事に思っているのがしみじみと感じられて胸に来る。
そしてもう一人、三作目の「定年ブルドック」の主人公もすごくかっこいい。一人の少女が、また悪い男に騙されかける。その少女が幼い時から目をかけてきた男、大垣が主役のその物語。初老とも言える年齢の大垣だが、小山のような容姿は武骨でありながら以前オリンピックの柔道強化選手にも選ばれた事がある猛者。少女を救うために、マコトとタッグを組んで行動するのだが。言動もカッコいいし、格闘シーンは読んでいてちょっと男惚れしてしまう程だ。話は少しズレるが、キングタカシは池袋の悪ガキ達の間では絶対の王様である。類稀なる動体視力と瞬発力を持ったタカシのパンチは高速を極め、誰も避ける事が出来ないという。何とタカシは、生まれてこの方物を落としたことが無いという。物が手から零れ落ちてから地面に着くまでに、また手の中に納められているからだ。そのキングタカシをして「あの大垣と言う柔道家にスパーリングを申し込めないかな」と言わしめる。ああああ・・・み、見てみたい!というか読んでみたい(笑)!この大垣、一回限りの登場ではあまりいもったいない白眉なキャラだと思う。いつかまたぜひ再登場してもらって、できたらタカシとのスパーリングシーンを読んでみたいものだ。
このシリーズがテーマとするのは、いつも現代社会が抱える問題である事も興味深い。今回も不遇な非正規雇用者やシングルマザーにスポットを当て、その問題点を浮き彫りに上で、応援歌的にまとめあげてある。そして他に比類なき表現力と語彙で描かれる世界は、美しいを通り越してシュールをさえ感じてしまう。いずれにせよ、胸に沁みる物がある。
正直、この所のこのシリーズは多少マンネリを感じていた。マコトの所に厄介ごとが舞い込む。それを人海戦術ならGボーイズとタカシが、情報戦と裏の世界ならサルが協力して片付けると言うパターン。ところが今回、そのタカシやサルは完全にバックアップ役となり、まさかのお母さんや大垣が前に出てくることで、新しい展開を見れたように思う。私的には文庫化されたシリーズ8作の中でも、ベスト3には入れたいと思う作品だった。いやもうこのシリーズ、これからもぜひずっと続いて欲しいと切に願う。
紙の本
非正規ってやっぱり大変
2020/10/12 13:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:gunners - この投稿者のレビュー一覧を見る
IWGPシリーズ第8弾。派遣会社で働いたことはありませんがやはりこういう悪徳な会社とは戦わないと解決しませんね。身近にこういう頼りになるマコトがいてくれると…と思いますね
電子書籍
全体にスッキリ
2022/01/02 16:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
二話目の「池袋クリンナップス」は珍しく、ほっこりできる話。いつも殺伐とした事件ばかりでは気が滅入るので、こういう後味爽やかなストーリーは大歓迎。他の三話も最終的にはめでたしめでたしなので読後感よし。