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紙の本
ゴハンの丸かじり (文春文庫)
著者 東海林 さだお (著)
人間には“ゴハンをよそうヨロコビ”があるのだ、と釜飯屋でしゃもじを手にしながら実感したショージ君。あるときは特別扱いされているソーメンに苦言を呈し、鳥わさに本来ついていた...
ゴハンの丸かじり (文春文庫)
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商品説明
人間には“ゴハンをよそうヨロコビ”があるのだ、と釜飯屋でしゃもじを手にしながら実感したショージ君。あるときは特別扱いされているソーメンに苦言を呈し、鳥わさに本来ついていたはずの「び」に思いをはせる。回転寿司はお見合い、鰤大根は一心同体の夫婦である、の名言も続出する丸かじりシリーズ20巻目。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
何を読みながら「丸かじり」をするか
2009/11/08 22:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、喫茶店が流行っていた頃、新聞紙も週刊誌も流行っていた。
昼食を食べ終わって、「サテン(喫茶店のことです)行くか」と誰からともなく会社の近くの喫茶店に繰り出すわけですが、店にはいってまず何をするかというと、レジ横、観葉植物の下、あたりに置かれていた新聞とか週刊誌を手に取ったもの。
ママさんが「何にします?」と注文取りに来る時には、もう新聞が開いていて、その後ろあたりから、「あ、おれ、いつもの」みたいな遣り取りが行われたものです。
だいたい、こんな場合の新聞はスポーツ紙ですね。
そもそも日本経済新聞なんて置いてない。
日刊スポーツ、報知、トウスポあたりが主流。
ところが、すでに先客がいて、一般紙しか残っていなかったりすると、「グヤジー」気分になって、午後からの仕事にポカが出、部長にポカポカ殴られたりしたものです。
これがラーメン屋になると、週刊誌が主流となるわけです。
「少年マガジン」「少年サンデー」なんかは本屋さんよりラーメン屋で読んだ方が多いのではないかしら。
そして、当然のごとくそこに置いてある週刊誌は、ごわごわしています。
理由その一。ラーメンのおつゆが飛んでいます。
理由その二。お箸でページをめくります。
理由その三。たまには器のなかでしゃぶしゃぶします。(しませんが)
でも、よく考えてみると、あのごわごわに膨れた方がページめくりがうまくいくんですよね。
だから、気のきいたラーメン店で仕込みの時に「週刊誌ごわごわ」仕込みも行っているわけです。(してませんて)
では、定食屋さんではどうか。
アジフライ定食には「週刊新潮」、生姜焼き定食には「週刊現代」、コロッケ定食には「週刊ポスト」が良く合います。
なんとなくですが。
定食屋でなんでも合うのが、「週刊大衆」。
「ヤクザ抗争」の記事なんか読んでいると、ケチャップを手につけたくなったりしますよね。(しないって)
「豊満熟女」なんかのグラビア見てると、哺乳瓶注文したくなります。(だから、しないって)
こうみてくると、食べ物と新聞紙及び週刊誌とはよく合うものです。
ところが、サルトル全集なんかはまったく合わない。
詩集もどうかな。
美術全集なんかも広げにくい。
では、わが東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズはどうか。
きっと書かれている方がおいしすぎて、食べ物はイマイチになってしまう。
ですから、「丸かじりシリーズの店内持込みは固く禁ず 店主」なんていう張り紙を出す店もあったりする。(しないって)
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。
紙の本
これぞ日本の日本人
2006/03/04 08:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
いや〜〜〜、久しぶりに東海林さだおのエッセイを読んだ。今や食事はエンターテイメントである。TVをつけるとグルメ関係のニュースやバラエティー、はては「ゴチ」など・・・・。まあ、番組制作が安く済むというのもあるのかもしれない。しかし、日本はフシギな国だ。いろんな国のレストラン、食材がある。旅行代理店も「〜〜グルメツアー」なんかしょっちゅうある。世界各国のあらゆる食べ物があるといっても過言ではない。食いしん坊にはたまらない。
そんな「食いしん坊」の元祖はショージ君である。これで20冊目になる「まるかじりシリーズ」が本書である。もともと漫画家であるが、エッセイも書く。本人曰く「肉屋のコロッケ」みたいなノリで書いているらしいが、そこらのグルメライターよりも面白い。東海林さだおを「戯作者」といったひとがいる。「東海林さだお」と「ショージ君」は似ているようで似ていない。キャラ作りである。その「キャラ」は平均的な日本人という感じである。謙虚なひとなのかもしれない。あえて自分を下において、鋭くツッコむ。かれの試みは成功している。それは「批評の精神」とも取れる。「食いしん坊」にはオススメの一冊である。