紙の本
現役であり続けることはストイックなことである
2009/01/11 17:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在、40代後半でも現役プログラマーとして活躍する著者。ソフトウエア開発に関する著書、翻訳書も多い。本書は過去の技術系雑誌の記事を整理して単行本化したもの。
「プログラマー35年定年説」のようなものが昔から言われているが、第一線で活躍できるかどうかは年齢には関係なく、ソフト開発にどう取り組んできたかという「姿勢に大きく左右される」と著者は考えている。それはソフト開発という仕事に限ったことではないだろう。それを楽しみながら、成長し、継続していけることが重要だ。
単なるプログラミングの仕事はコストの安い海外の新興国へアウトソースされることが多くなった。日本のプログラマーはまだ日本語の壁に守られているとも言われるが、経済がグローバル化する中で日本のプログラマーも競争の波に晒されている。他国のエンジニアとの差別化を図り、自らの能力を証明していかなくてはならなくなっている。そんな時代に日本でプログラマーあるいはソフトウエアエンジニアとして生きていくにはどうすべきかのヒントを本書は与えてくれる。
本書の第3章から9章までで、著者がプログラマーとして現役続行に必要な7つの力について述べている。それらは他の業種にも応用可能な考え方で、普遍性があると感じた。技術者としての差別化を図り、付加価値を打ち出していくには技術を極めて、自らかけがえのない人材とならなければならない。会社が教育してくれるのを期待するような待ちの姿勢では、なかなか成長していけないだろう。
若手も中堅もベテランも、足元を見つめ直すために読むと発見があると思う。業界のあり方やキャリア形成の考え方などを考えさせられる。私も若手を指導する立場にあるが、勉強会のやり方など(第5章)ヒントが得られた。
本書は職人としてのプログラマーをテーマにしているから、テクニカルなノウハウばかりという印象だが、これからはユーザの要求を素早く理解して設計し、形にしていくバランスよい、総合的な能力が必要とされるのではないだろうか。勿論、最低限のプログラミング能力は身に付けておく必要はある。
紙の本
たかい (たかすぎる?) 目標 … でもそれだけではないのでは?
2011/01/20 00:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は,技術の習得を怠って 「35 歳定年」 をむかえてしまうプログラマと,著者のようにずっと現役でありつづけられるプログラマとのちがいがどこにあるかをしめそうとしている. 思考力をきたえ,つねによみやすいコードを書くように努力し,積極的・継続低に学習するなどの点が指摘されている. 英語力をきたえることもふくまれているが,TOEIC 900 点が必要というのは,いいすぎだろう.
目標はたかいほうがよいだろうが,「現役続行」 するためにこれほどたかい技術的・能力的なハードルが必要だとはおもえない. その一方で,これからのプログラマにはアップル・ストアで当てるというような起業家的な能力も必要なのではないかとおもえるが,この本がめざしているのは従来的なプログラマやシステム・エンジニアをきわめることであり,そこに弱点があるようにおもえる.
投稿元:
レビューを見る
「達人プログラマー」と並び、自分の中ではプログラマ「道」の啓蒙書に分類される本。当たり前のことしか書かれていないけれど、その当たり前を確認するために何度も読み返した。これからも何度も手に取ることになるだろう。
生涯一プログラマでありたい。
投稿元:
レビューを見る
・職人としての七つのレベル
・現役続行していくために必要な7つの力
1.論理思考力
2.読みやすいコードを書く力
3.継続学習力
4.コンピュータサイエンスの力
5.朝型力
6.コミュニケーション力
7.英語力
投稿元:
レビューを見る
[○09/02/20完読]私も現役プログラマ。私にとっては満点本でした。著者ほどの経験はないですが、主張には共感できます。プログラマ(というか技術者)ならば感銘を受けるはず。しかし残念ながらこういう考え方を受け入れようとしない、直視できない、低レベルの若手がまわりにも大勢いるように思えることもある。メモ:Jolt Awards、Refactoring to patterns、プログラミング作法、コードコンプリート。「テストは品質を改善しない」「金槌しか使用したことがない人は何でも釘に見える」など。
投稿元:
レビューを見る
プログラマーを志す人や現役プログラマーであれば必ず読むべき本です。特に35歳定年説の固定観念に縛られている人におすすめです。
文庫本なので平易な表現でつづられていますが、むしろ経験者ほど読むべき内容になっていると思います。
単に口だけ立派なことだけが書かれているのではなく、高度な技術を持つ著者自身の経験や実績に裏打ちされた内容なのでものすごく説得力があります。
私自身IT業界に入ってからこの本は何度も読み返していますし、そのたびに新たな発見があります。自分の人生観に強烈なインパクトを与えてくれた本です。
随所でプログラマーの必読文献が紹介されています。最低限読むべき名著が86ページにリストしてあります。
(1)プログラミング作法
(2)達人プログラマー
(3)リファクタリング
(4)アジャイルソフトウェア開発の奥義
(5)コードコンプリート
(6)パターン指向リファクタリング入門
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
「35歳定年説」が常識としてまかり通っている事実が示すように、我が国ではプログラミングは「若く、給料の安い人がやる仕事」とされている。
しかし、世界の常識はそうではなく、40代、50代でも現役としてプログラミングを続けている技術者も少なくない。
40代後半の現在もなお現役プログラマーとして活躍する著者が、生涯プログラマーとして活躍するための心得を説く。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
お年寄りのお説教。
正論や理想論や「そう出来たらいいよね」ってことが沢山書いてある。
一つ一つやっていくことはもちろん大事で当然のようにする。
が、それが難しいという環境自体をどうにかする。
そっちの方が大きい問題だ。
その点に触れず、ひたすら理想論を語る姿は滑稽なお年寄りそのもの。
とはいえ、一通り、何が理想なのかを知るためには悪くない一冊。
投稿元:
レビューを見る
そのつもりがない35-40歳位の一般の中堅が、逆に目を通さなければいけない本。オレは個人的に読ませたい45歳の中堅が居るので予習として利用。自己評価は「上級職人の初級」
投稿元:
レビューを見る
どうして35歳定年説なんてものが誕生したんだろうか?
ソフトウェアの進化は目まぐるしくて、単に毎日決められたことをしていれば、おいてかれるからだ。
という解答に対して、していくべき努力がかかれている。
多くの職業で一定の知識を身につければ仕事していられる世界があるのかもしれない。だとしても、上をゆく人たちは日々努力をしている。末端であっても上をゆく人たちのように努力が必要な世界で、努力している人たちは管理職へと回されてゆくため破綻をしていくのだろうという感じ。
アラフォーエンジニア向けと思いきや、学生へのメッセージが強い。説教くさい?理想論?うーん。できることはいっぱいあると思いますよ。いまからでも。
投稿元:
レビューを見る
プログラマー現役続行 40代になってもプログラマーを続けるために何をすればいいかを書かれた本。朝型のほうがいいのか。どうもプログラマというと朝遅くに会社に来るイメージがあって、朝型というイメージがないのだけれども http://amzn.to/bv44DQ
投稿元:
レビューを見る
半分は、「最近の若者は~」本。自分で考えない、情報工学を大学で学びながら、コンピューターの基礎すらろくに身につけていない若者たちに、さあ勉強しろ、さあ本を読め、と叱りつけている。
もう半分は、スキル本。技術者に何が必要か、どうすればスキルが伸びるか、この方法は覚えておけ、というリスト。
お気楽な気持ちで読んだけど、やっぱり、外れだったかなあ。
プログラマー35歳定年説を破るためには個人の努力が必要というのはよく分かる。それを怠ってきた人間が「定年」を迎えるという現実もよく分かる。
その一方、年をとるだけとって何もできない中年プログラマーが跳梁跋扈し、見るからにダメな新人がそのまんま案件に放り込まれて、そのまんま年をとってゆく、その体制を許容し、利益をあげつづけてきた組織が存在している。いちプログラマーが自分の専門分野だけ学べばいい、と思い込んで「寄生」するのと同様に、社会的価値を生まなくても、社員が成長しなくても、社員を外に売り飛ばし、お金さえとれればいいと「寄生」している組織が存在している。
この組織は、自助努力を続けているプログラマーを、ときに酷使し、ときに破滅させる。その現実を忘れずにプログラマー論は語れまい。
プログラマーとしての知識は自分で学べ、なのはわかるが、プログラマーよ組織を変えてみろ、この体制を変えてみろ、と言ってほしかった。
投稿元:
レビューを見る
Effective Javaを始め、著名英書の訳者でもある柴田芳樹さんの書籍。日本のシステム開発において、プログラマー35歳限界説や日本の企業の体質的な部分から管理職専業に移行せざるを得ない場合も多いと思います。
そういった中でプログラマーとして現役で居続けるにはどうすればよいか、と言った書籍です。
内容的には達人プログラマーや情熱プログラマーなどと重なる部分も多いですが、日本人の書籍ということもあり、日本の事情も踏まえた部分を共感して読むことが出来ました。また、自分が他の書籍を読みながら実践していた内容と重なる部分もあり自信を持たせてもらいました。
投稿元:
レビューを見る
IT業界人が身につけるべき行動習慣について言及されている。半分くらいはその通りにしているような気がする。
「指導者レベルのプログラマは、水晶のように澄み切ったコードを書き、しかもそれを文書化する。」
ってのは少し心に残った。
あと、コンパイラとかOSとか、基礎体力なのだなと。今更ながら着手しようかどうか悩む。
投稿元:
レビューを見る
著者と年代や経歴が似ているためか、非常に納得できたり肯定できることが多い。
残念ながら私は現役プログラマーではないのだが。
この種の書籍は著者の独りよがりや自慢話が多いのだが、そういうこともほとんど感じさせない。