さなえさんのレビュー一覧
投稿者:さなえ
紙の本子どもへのまなざし 続
2002/03/01 21:02
これでさらに安心♪
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『子どもへのまなざし』を読んで、安心した人がいる反面、なかなか本に書いてあるとおりには出来なくて、不安感を抱いている人もいるようです。そこで、この本では『子どもへのまなざし』を読んだ読者からの質問に答える形式になっています。
例えば、出産後に母子を離す期間が長いと母親に母性が育ちにくい(だから、出産後はすぐに母子同室にした方が好ましい)、という内容や、妊娠中に精神的ダメージを受けた母親から生まれた子は情緒不安定になりやすい、という内容に対して、「自分はこれに当てはまるが、どうしたらよいでしょうか?」という質問が読者から寄せられ、これらに対して、著者は丁寧に優しく答えています。
マニュアルどおりにしなければ気がすまない、という保育者たちに、さらに安心感を与えてくれます。
紙の本ももいろのきりん
2002/09/06 22:41
子どもだったら、きっとこんなことを、いつも想像しているのでしょうね。
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るるこは、お母さんから、とても大きいももいろの紙をもらいました。
そこでるるこは、のりとはさみとクレヨンを持ってきて、
この大きな紙で、キリカという名のきりんを作りはじめました。
世界一ながい首、世界一ふとった胴体、世界一走るのが速い足、そして、世界一きれいなきりん…
すると、
「ぼくは、なにからなにまで世界一で、本当に嬉しいよ。」
と、しゃべったのです。
自分の作った動物が、本当に動き出したら…!
こんな夢のようなお話に、子どもは大喜びです。
主人公が女の子だし、きりんの色もももいろなので、
女の子の方が喜ぶかもしれません。
「ぐりとぐら」シリーズでおなじみの中川李枝子さん作で、
挿絵はご主人という、夫婦による作品です。
2002/03/06 07:27
重宝してます
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子育て中は、子どもの相手に忙しく、つい食事がおろそかになりがちです。でも、食事は生活の基本なので、手を抜くのは好ましくないことですよね。
この本では、子どもの機嫌の良いうちにパパッと下準備をしておいて、夕方食べるときにあっという間に仕上がる、という、夕方にあまり手間のかからないスピード料理が載っています。漬け込む→調理、下処理→一気に調理、煮込むだけ、調理→漬け込む、即席漬け、番外編のスピード料理や常備菜に章分けされています。
カラー写真は巻頭に少ししか載っていないので、実際にどんなものが仕上がるのかのイメージはわきにくいかもしれませんが、レイアウトは、大抵が一つのメニューが見開き2ページにまとまっていて、1.その料理についてのコメント、2.四角の囲み枠の中に材料とかかる時間、3.手順、となっていて、とても見やすいです。
実際に小さなお子さんを2人抱えた著者だからこそ、とても参考になります。これを参考にすれば、夕食の準備も、もう怖くありません!
2002/03/06 07:15
皆さんにも是非実行していただきたい内容です
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四回食とは、「朝食・昼食・おやつ・夕食」のこと。幼児にとって、「早寝・早起き」をして四回食をしっかり取ることがいかに重要であるかを解説した上で、そのための工夫やレシピ(230種)が載っています。
育児書は、「そんなこと言ったって…」ということが多々ありますが、これはけっこう実行しやすいと思います。たくさんの方(一般の方)の色々な工夫が載っていて、とても参考になりますから、「これなら私にも出来そう」と思うはずです。
また、子供に早寝・早起きの習慣をつけさせることは、子どもにとってはもちろん、大人にとっても、夜、自分の時間がたっぷり取れるので、とてもよいことです。継続は力なり! まずはこの本を読んで、実行に移してみましょう!
2002/09/07 00:17
グリム童話の読み聞かせは、これで決まりですっ!
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おおかみと七ひきのこやぎ、白雪姫、ヘンゼルとグレーテル、などなど…
グリムの書いた童話には、有名なものがたくさんあります。
あらすじも、多くの方がご存知でしょう。
時代を超えて愛されている、これらのグリム童話は、
ぜひ現代の子どもたちにも、語り継いでいきたいものです。
しかし、いざ語り聞かせてみようとすると、なかなか話の細部を知らないものです。
また、せっかくなら、アレンジされたものではなくて本物の筋が書かれており、
分かりやすく美しい日本語で書かれているお話を、
子どもたちには聞かせてやりたいものです。
そんなとき、この『グリムの昔話』シリーズは最適です。
読みやすく、聞いている方も分かりやすい言葉で書かれており、
本のサイズも小さめで持ちやすく、字は大きめなので、
読み聞かせにはピッタリです。
紙の本天北原野 上巻
2002/03/07 07:27
三浦綾子さんの作品の中では、キリスト教の話が少なめですが、傑作です
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北海道の浜別に生まれ育った美しい少女・貴乃と、小学校校長の息子・孝介は、互いに愛し合い結婚の約束をしていた。ところが、貴乃の横恋慕した製材所の息子・完治の恐ろしいたくらみによって、孝介は遠い樺太へと追いやられ、貴乃は完治と結婚させられる。しかし、貴乃の心から孝介のことが消えることはなかった。
一方、孝介のほうも貴乃のことはずっと愛し続けており、ひょんなことから金持ちになった孝介は、貴乃の力になってやりたいとの思いから、完治の妹・あき子をめとる。結婚の動機が動機だけに、あき子のことはかわいいと思いながらも、孝介はあき子に指一本触れることがなかった。
孝介・貴乃ははお互いの本心が分からないまま、更に思いを募らせていく…。
もう、ハラハラドキドキものです。早く先を読みたいがために寝不足にならないよう、要注意です。
紙の本泥流地帯
2002/03/07 07:23
絶対に感動します!
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大正時代の北海道・上富良野が舞台です。
父は山の事故で亡くなり、母は悪質な金融業経営者・深城からの執拗な求婚に耐えかねて髪結いの修行のために札幌へいってしまったが、拓一、耕作兄弟は、姉の富、妹の良子、祖父母とともに、貧しさに耐えながら明るく誠実に生きていた。そこへ、十勝岳の大噴火が起こり、泥流が容赦なく襲いかかる…。
クリスチャンである著者は、ところどころにキリスト教の思想を織り交ぜながら、懸命に生きる彼らの姿を通して、人生の試練の意味を問いかけています。絶対感動します!★10個くらいに相当します!
『泥流地帯』は前編で、後編である『続・泥流地帯』へと話が続きますが、この前編では大噴火の前までが描かれています。
拓一、耕作兄弟の周りでは、本当に色々な出来事が起こります。これが、どれもこれもハラハラです。頭のいい耕作は、周りからの勧めで中学を受験し、市街の子を抜いてトップで合格しますが、入学式前日に偶然に、結婚適齢期の姉が婚約者に対して「耕作が卒業するまでは、家計を助ける必要があるから結婚できない。」と話しているのを聞き、中学進学を断念します。しかし、ようやく結婚できた姉も、婚家では姑からつらく当たられてしまいます。また、耕作の同級生の福子は、ひそかに拓一が思いを寄せている子なのですが、酒飲みの父の借金の肩代わりに深城の経営する料亭の芸者として売られてしまいます。他にも色々、「ええ〜っ!」という事が起こるんです…。
また、ところどころにいい言葉もちりばめられています。遅刻の罰に居残り掃除をさせられた耕作の友人・権太は、手伝ってくれた耕作から、机拭きはやらなくても分からないだろうから省略しようと提案され、「わかってもわからなくても、することだけはしようよ。」と答えます。また、結核にかかった母のことを悪く言う叔父に対して、祖父が「人間は、金がかかるから価値がないとか、金を稼ぐから価値があるとか、言えるものじゃない。金は、人間の偉さを測る尺度じゃないぞ。情のあるなしで見分けろ。」と諭します。
とにかく、読んでみてください!
紙の本小さくとも命の花は
2002/03/06 06:35
感動します!特に、子育て中の方にお勧め!
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姑のと仲がしっくりいかない三津子は、妊娠中に無理をすることになってしまい、結局、予定よりも1ヵ月半も早く千グラム足らずの未熟児を出産する。誰もが絶望視する中で、その小さな男の子は、奇跡的に成長していく。体も小さく、発育も遅く、頻繁に痙攣発作を起こすなど、心配事が絶えなかったが、周りの人たちに優しく、そして時には厳しく見守られながら、ついには運動会の花形になる。
一つの小さな命を守る為に、家族間の葛藤や世間の誤解を一つずつのり越えていく三津子の、母としての強さに、とても感動しました。
ちなみに、これは九州の小都市での実話をもとに書かれていますが、モデルになった赤ちゃんのご家族は決して嫁姑のトラブルもなく、平和な家庭だったそうです。
2002/03/01 21:40
絵の美しさに誰もがウットリするはずです
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シンデレラの絵本は数多くありますが、絵の美しさでは、何といってもこの絵本がピカ一です! 写実的で、それはそれは美しいシンデレラが登場します。どのページも、まばゆい光にあふれています。
また、ストーリーも、本来の原話に基づいています。シンデレラの命名の由来は知っていますか? シンデレラが2回舞踏会に行ったこと、ご存知でしたか?
とにかく、ウットリしてみてください!
紙の本ごたごた絵本箱
2002/03/01 17:23
絵本は幼稚じゃない!
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絵本を紹介する書籍は色々ありますが、この本は、著者の個性がかなり出ています。著者と絵本の好みが合えば、この上ない絵本リストとなります。
絵本リストといえば、たいていが子供の視点に立っていますが、そのために、読む大人にとっては幼稚すぎる、ということがあります(もちろん、そのような絵本の紹介でも、子供のお気に入りが見つかればよいのですが)。一方、この本では、著者の気に入った絵本を紹介しています。したがって、大人が読んでもウットリできる絵本が多くリストアップされています。
絵本は子供のもの、という考えは間違っている、ということが良く分かります。一読の価値あり!
紙の本こんとあき
2001/11/20 23:21
「だいじょうぶ」の本です
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この絵本のことを「だいじょうぶのほん」と呼ぶ子がいるそうです。キツネのぬいぐるみ「こん」が「あき」という女の子を安心させるように、何度も「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言うから、だそうです。そう、なにごとも気持ちさえあれば大丈夫!
たかが絵本、されど絵本。私はこの絵本をはじめて読んだとき、目が潤んでしまいました。その後もしばらくは、読むたびに涙がこみ上げてきて、子どもに読み聞かせをするのに困るほどでした。どこがジーンとくるかって、そりゃあもう、初めは「こん」に頼りっきりだった「あき」が、「こん」のアクシデントをきっかけに勇気を出して、自力でおばあちゃんの家へたどり着いた場面でしょう。「おばあちゃん、こんをなおして!」このせりふ、涙なしでは読めません。
2001/11/20 23:12
ひと味ちがったトイレトレーニング本
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この世にトイレトレーニングに関する絵本はたくさんあるけれど、これは他の絵本とはちょっと違っています。それは…。
ぷくちゃんは、お母さんが買ってきてくれたパンツを初めてはきました。おむつとはちがって、ぱんつは気持ちいい! ぷくちゃんはゴキゲンです。ところが、やっぱりいきなり上手くは出来ません。何度も失敗をしてしまうぷくちゃん。でも大丈夫! おかわりぱんつ、ありますから。
この手の絵本では、たいていの場合、最後にはトイレで成功してよかったね、となりますが、この絵本は、最後まで失敗の連続。でも、そこがいいと思うんです。失敗ばかりでもいいんだよ! そんなメッセージがとても心に暖かです。トイレトレーニング中の子はもちろん、もうすっかり出来るようになった子にも、この間までのおもらしが懐かしく思い出されるんじゃないでしょうか。絶対、オススメ!
紙の本海べのあさ
2002/09/07 00:11
絵も美しく、楽しいお話なので、読まされる大人もつらくありません。
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『サリーのこけももつみ』では、まだ小さかった女の子、サリーが、
この本ではすっかりお姉さんになっており、ジェインという妹までいます。
ある朝のこと、今日はお父さんと一緒に、
お店のあるバックス・ハーバーへ行くことになっているので、
サリーが大張り切りで身支度をしていると…
歯が一本ぐらぐら動いています!
歯が生え変わることを知らなかったサリーは大騒ぎをしますが、
お母さんから、それは大きな子になったという印だ、と教えてもらって、今度は大得意。
また、抜けた歯を枕の下に入れてお願い事をすると、願いが叶うことになっている、
と聞いて、抜けるのを楽しみにしますが、
なんと、お父さんのお手伝いでハマグリを掘っている最中に、
抜けた歯を砂の中に落としてしまいます。
でもサリーは、子どもらしいアイディアで、このピンチ(?)を切り抜けます。
そして、お父さんやジェインと一緒に、バックス・ハーバーへと行って…
地味だけれど丁寧な絵には圧巻です。
60ページもあり結構長い話なので、長いお話が聞けるようになった子に。
バックス・ハーバーへ出発前と出発後とで、お話を2つに分けて、
続きはまた明日、とするのも手ですね。
2002/05/17 11:14
小さな子でも、ドキドキしながら最後まで一気に読みたくなるでしょう
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ベスコフの<3人のおばさんシリーズ>の中の1冊です。
ペッテルとロッタの兄妹と3人のおばさんは、向かいに住んでいるあおおじさんに誘われて、あおおじさんが買ったボートに乗って、湖の小さな島に行ってみることになりました。
島について、のんびりとお昼を食べたり、泳いだりするまでは良かったのですが、あおおじさんが「帰りに誰かが(自分の代わりに)ボートを漕いでくれたら、網で魚を捕まえられるのになあ。」とつぶやいたことから事件が起こります。
ペッテルとロッタは、自分たちが漕いであげると言ったのですが、誰も相手にしてくれず、大人たちはお昼寝をしてしまいます。そこで二人は、みんなが寝ている間にボートを漕ぐ練習をしようと、ボートへ乗り込みますが、やはり上手く漕げません。そのうちに、ちょっとしたことからオールを二つとも流してしまいます。大人たちが気づかないまま、二人を乗せたボートはどんどん流されてしまいました…。
ペッテルとロッタがこれからどうなるのかも気になるし、島に残された大人たちがどうなってしまうのかも気になります。ところが、当のペッテルとロッタは、流してしまったオールを弁償しなくてはいけない、ということにも気をかけていました。さて、二人はどうやってオールを取り戻すつもりなのでしょうか…?
これも、他の<3人のおばさんシリーズ>と同様に、ある事件が起こり、その事件の解決に向けてお話が進んでいきます。最終目的がちゃんとあるので、子どもはドキドキしながら聞くし、最後には「ああ良かった!」と安心できるので、長めのお話が聞けるようになった子にはもってこいの絵本です。
2002/05/17 11:12
長めのお話が聞けるようになった子どもにどうぞ
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ベスコフの<3人のおばさんシリーズ>の中の1冊です。3人のおばさんとペッテルとロッタが一緒に暮らすようになったいきさつや、この絵本に登場するネコを飼い始めるきっかけについて、予め『みどりおばさん、ちゃいろおばさん、むらさきおばさん』を読んでおくと良いかもしれません。
ある日、飼い猫が三匹の子猫を生みました。しかし、全部を飼うわけにはいきません。おばさんたちから「うちで飼うネコは一匹だけにしましょう」と言われ、ペッテルとロッタの兄妹は、残る二匹のもらい手を捜すことにしました。
一匹は、向かいに住むあおおじさんのところで働いているお手伝いが引き取ってくれました。
あとの一匹は、前に一緒に住んでいた洗濯女にあげることを思いつきました。一緒に住んでいたときは時々いじわるをされましたが、ネコを持っていってあげたら優しいいい人になるんじゃないか、と思ったのです。でも、勉強を教えてもらっているあおおじさんから、人に親切にするときは自慢しちゃいけない、こっそりやるものだ、と言われていたことを思い出し、二人は、誰にも言わずに、こっそり洗濯女のところへ行ってしまいます。ところが、帰り道が分からなくなり…。
かなり長いお話なので、小さな子にはちょっと無理かもしれません(裏表紙には「5才から」と書いてあります)。でも、どきどきしながら子猫を届に行くところ、また、帰りに迷子になるところ、などなど、子どもを惹きつけるのにもってこいの内容なので、5才までいかなくても、長めのお話の聞ける子だったら大丈夫だと思います。