学なし、金なし、キャリアなしでも海外で働ける!
幼少期の夢「ニューヨークでジャーナリスト」を叶えた新聞社社長
トム・クルーズ、レオナルド・ディカプリオ、北野武、米倉涼子、松井秀樹ら400人以上の著名人に取材し、ニューヨークの週刊邦字紙 発行人兼インタビュアーとして活躍されている高橋克明さん。しかし元々は英語も話せず、人脈も経験もないまま「ニューヨークでジャーナリスト」という幼少期の夢だけを胸に、単身で渡米した27歳の青年でした。
本インタビューでは、これまで高橋さんがどのように夢を実現してきたのか。その軌跡について伺いました。
「ニューヨークでジャーナリスト」は子供の頃からの夢
―― 高橋さんはいつからニューヨークで働きたいと思っていたんですか?
高橋克明(以下、高橋) 実は幼少の頃からこの街に憧れていて、摩天楼のポスターを部屋に貼っていました。それに書くことは子供の頃から好きで、よく作文で入選したりしていたので、小学6年生の時、七夕の授業で「ニューヨークでジャーナリストになる」という夢を短冊に書いていたぐらいでした。
でもそれは、子供がプロ野球選手になりたいと言うようなもの。いつの間にかその夢は忘れていき、大学中退後、大阪で平凡な専門学校の講師に落ち着きました。それから数年働いた27歳の時、その専門学校の拠点長に任命されたんです。
―― すごい!トントン拍子で出世されたんですね。
高橋 でもその頃の僕は、すごく悩んでいました。全く実力もないのに、たまたま運が良かっただけで出世していく。いつかメッキが剥がれるのではないかと怖かった。そんな中、幼少期の「ニューヨークでジャーナリスト」という夢を思い出し、子供の頃の自分は、どんなに給料が上がろうがステータスを得ようが、今の自分を望んでいたわけじゃないと気づきました。
2000年になる前に、自分が本当にやりたかったことに挑戦しようと思い、1999年12月、拠点長の就任式の日「会社を辞めます」と上司に言いました。次に何をやるかも全く決まっていなかったけれど、その時、子供の頃の夢だったニューヨークに行って、メディアに関わる仕事をすべきだと思ったんです。
でも僕は、英語も話せないどころか、ビザとパスポートの違いすら分からない。ニューヨークがアメリカのどこにあるかすら、分からない。にも関わらず行くと言い出す僕を、当たり前ですが、周囲は理解してくれませんでしたね。
周りには反対されていたけれど、当時の僕の背中を押してくれたのは、リチャード・ブランソンの『ヴァージン 僕は世界を変えていく』という本でした。もしかしたら、自分の希望する生き方はできないかもしれない。でも失敗したとしても、せめて行動はしたい。そう思い27歳の時に、ニューヨークへ行くことを決意しました。
ヴァージン 僕は世界を変えていく 増補版
-
税込1,980円(18pt) 発送可能日:購入できません
- リチャード・ブランソン (著)
- 出版社:阪急コミュニケーションズ
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
「ニューヨークでジャーナリスト」は子供の頃からの夢
―― ニューヨークへ行こうと決めた後は、何から始められたんですか?
高橋 まずはニューヨークで出版社をやっている人を調べて履歴書を送りました。すると、ある出版社でインターンだったら雇ってくれるというので、学生ビザで渡米し広告営業のお手伝いを始めました。そこで営業の数字をどんどん上げていったので、最終的に就労ビザを申請してもらいました。
それから2年間は朝から晩まで必死に働きましたが、次第にその経営者と僕の目指す方向性にずれが出てしまい辞めることに。すると同じように経営者の意向に添えなくなっていた他の社員が「高橋さんについていきます」と全員辞めてついてきてくれました。
僕一人なら転職すればいいのですが、ついてきてくれたみんなを食べさせるためには、会社を作るしかない。それで29歳の時、新聞社の社長になったんです。だから僕は、社長になりたくてなったわけじゃなくて、それ以外仲間を救う方法がなかったから経営者になったんです。
その新聞は日刊紙でしたし、広告営業兼、取材をして記事を書くライター、そして社長業の3役を全てやっていたので、ほとんど休みもなく働き続けました。未だに覚えているのが、オフィスの時計が表示する7時が、朝の7時なのか夜の7時なのか分からなかったことがあるぐらい。
出資してもらったその新聞社で7年働いた後、次第に自分でもオーナーになりたいと思い、現在の週刊邦人紙「NEW YORK ビズ」を立ち上げました。看板コーナーである、発行人インタビュー「ガチ!」が始まったのもその頃でした。今現在400人以上の著名人にインタビューしていることになります。
この頃、経営の本は色々読みました。特にこの2冊に影響を受けましたね。
マネー・ボール〔完全版〕
-
税込1,078円(9pt)
- マイケル・ルイス (著)
- 出版社:早川書房
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
どのジャンルだったら自分は勝てるか、差別化を考えた
―― 「ガチ」は各界のトップランナーに絞ったインタビューコンテンツ。著名人限定にこだわっている理由はありますか?
高橋 世の中には、様々な記事があります。その中で、何か差別化をしようと思いついたのが、著名人限定のインタビュー記事です。日本にいたら、僕なんかのために時間を取ってくれないような方でも、ニューヨークに来ると自分達でプロモーションをしなくてはならない”イチ日本人”になる。だから普段なら会えないような著名人にインタビューすることができるんです。それはこの街のメリットだから、それを使わない手はない。
またこのインタビューは、一問一答の会話形式にしています。なぜかというと、目の前でトップランナー達が対談しているかのような臨場感を感じながら、彼らがニューヨークという世界の中心に来て何を感じたのかを、知ってほしいから。世の中にごまんとある、コラムや取材記事ではNo.1になれないかもしれない。でもこの著名人限定の1問1答形式のインタビューだったら、日本でNo.1になれるんじゃないかと思って作っています。
もちろん最初は著名人のコネも全くなかったのですが、1つのインタビュー実績がまた新たな実績を呼んで、その繰り返しで結果400人以上のインタビューコンテンツに成長していきました。
一番好きな街で、一番好きな仕事をさせてもらっているから、どんなに苦しくてもこれ以上贅沢は言えない
―― これまでお仕事をしていく中で、大変だったことはありますか?
高橋 苦労話や失敗談なんてありすぎて、語りきれない。毎日苦しいです(笑)。でも子供の頃の夢を実現している真っ最中だから、辞めたいって思ったことは実は一度もないんです。
僕はお金を儲けるだけの人にもなりたくないし、だからと言って、例えば「お金なんて必要ないです」と山にこもって作品を作り続ける芸術家にもなりたくない。ビジネスから逃げずにちゃんとクリエイトもしたい。新聞社の仕事って、それができると思うんです。だから神様が出てきて「好きな仕事をさせてやる」って言われても、今の仕事を選ぶと思う。だって、北野武やイチローに会えて話を聞けて、お給料がいただけるんですから。世界で一番楽しい仕事だと思っています。
キザなセリフに聞こえるかもしれないけれど、本当に本気でそう思っているから仕方ないんです。もちろん華やかな仕事なんてほんの一部で、ほとんどが泥臭い仕事だから、愚痴を言うこともある。でも自分が一番好きな街で、一番好きなことをさせてもらっているのだから、これ以上贅沢は言えないですよね。
本音を引き出すために、敢えて予定調和を崩す
―― 高橋さんがインタビューをする際に、意識されていることはありますか?
高橋 僕は表面的な言葉ではなく本音の言葉、つまり「いい言葉」を引き出して、その言葉で読者をノックアウトさせたいという想いが強い。だからいい言葉を引き出すことだけ考えて、そこに100%集中します。
極論を言えば、そんな宝物みたいな「いい言葉」を聞き出すことができるなら、相手に嫌われてもいいと思っています。だって好かれることが目的じゃなく、引き出すことがメインだから。好かれても、表面上の話しか聞けないのなら全く意味がない。だから敢えてイエスマンにならず、予定調和を崩すような反対意見も言ってみる。そうすると、ムキになって本音を言ってくれる人もいる。
時には、ガチンコの喧嘩みたいになることもあって、その時はボコボコに傷つけ合うけれど、出来上がってみるとすごくいい記事ができるんです。でもそれは、僕が紙のライターだからできるんだと思います。テレビの司会者だったら、ゲストの表情を気にしながら進めなければいけませんからね。
―― 側から見たら、各界の著名人にインタビューをするなんて華やかなお仕事に思われそうですが、実はものすごい戦いが行われているんですね。
高橋 もう闘いですよ。なのでインタビュー中、楽しいって思ったことはないんです(笑)。だって、なんとかいい言葉を引き出そうと必死で、そのために相手に失礼なことを言うかもしれないですから。だからインタビューが終わって録音した音声を書き起こしする時が、一番楽しい(笑)。
でもトップの人の、ニューヨークに来て感じたその時の言葉って宝物のセリフじゃないですか。だからインタビュー中は楽しくないけれど、結果としては楽しいんだと思います。格闘技のようなインタビューだったとしても、1対1で真剣勝負でお話を聞かせていただくと、その人のことが好きになりますし。どんなビジネス本や自己啓発本より、その人のオンタイムの声は、僕にとって学びの財産ですね。
とはいえ、今言ったことと矛盾するかもしれないですが、ファーストコンタクトでは好かれるよう努力します。最初に好かれたら、その後多少失礼なことを言っても許してくれるから(笑)。だから僕も初めはすごく丁寧ですし、冗談を言って相手にリラックスしてもらえるようにしていますね。
成功している人は「人の話を圧倒的に聞かない」!?
―― これまで各界のトップランナーを多数インタビューされてきた高橋さんですが、彼らの共通点はありましたか?
高橋 400人以上の著名人をインタビューしてきて、やっと最近、彼らの共通点を見つけた気がします。それは「人の話を圧倒的に聞かない」ということ(笑)。どの業界の人も日本人だろうとアメリカ人だろうと、夢を実現してきた人はみんなそうでした。 この「人の話を聞かない」というのは、「自分を圧倒的に信じて突き進んだ人」という意味です。アドバイスを無視するという意味ではないんですよ。参考までに聞くけれど、自分の価値観の方が上という意味です。 イチロー選手なんてまさにそうで、「コーチの言っていることが僕の感覚より上にいくことはない」とおっしゃっていましたし、歌舞伎にエレキギターを取り入れて話題を呼んだ中村勘三郎さんもそう。伝統芸能よりも自分の信じた感覚の方が上なんです。加山雄三さんなんて「人生に大切なことは人の話を聞かないこと。本当にやりたいことは何かって、自分の心に耳を傾けるんだよ」とまでおっしゃっていましたね。 乱暴な言い方かもしれないけれど、もし自分が信じたことがあるんだったら、周りがなんと言おうと突き進んだ方がいい。他人の意見を全部聞いていたら、普通で終わってしまう。でも人がやらないことができるから、その人がオリジナルになるし、頭一つ二つ飛び抜けられる。色んな人をインタビューしてきて、そういう人達がトップをとっている気がしますね。
夢を叶えられない人は、行動していないだけ
高橋 僕は最近、世界に飛び出したい人を対象に日本で講演会やセミナーを行っているんですが、日本人はインテリ過ぎると思うんです。みんなすごく優秀だけど、たった1つだけ足りないとしたら行動力だけだと思う。
ニューヨークに来て思ったのが、世界の人達は行動しているということ。この街は、紛争や身分制度による不自由など、それぞれの国の事情で来ている人もいる。彼らは英語が話せなくても教養が十分でなくても、ニューヨークに来てアウトプットしようとしています。日本は大抵の人が、知識も教養もあってインプットは十分な人が多いけれど、アウトプットをしていない人が多い気がする。でも人生って実は行動で決まると思うんですよ。
日本は特に調和を大切にする文化が強いから、周りの人にどう思われるかを気にし過ぎて、行動できない人が多いのかもしれません。でも人にどう思われようと、行動しないと損すると思います。そしてこの行動は、人の話を過剰に聞かずに自分の心の声を信じて突き進めば、誰だってできるんです。
挑戦したいことがあるけれど、踏み切れない人にオススメなのが、この本です。自分が本当にしたいことをしようと、背中を押してくれる作品です。
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
才能あるなしに関わらず、死ぬ思いで行動した方がいい
―― 一方でニューヨークには、夢を追い求めてこの街に来たけれど、実現できない若者も沢山いますよね。
高橋 才能あるなしに関わらず、それでも行動すべきだと思う。なぜなら年をとった時に一生言うと思うんです。「私は本当は⚪︎⚪︎になりたかったんだ」と。言い訳する人生になってしまう。もし「私は行動したけれど叶わなかった」と言い訳する人がいるとしたら、それは本当に死ぬ思いで行動していなかったんだと思います。
以前、ジャズピアニストの上野ひろみさんにインタビューした時に、彼女は「死ぬほど努力した」とおっしゃっていました。「死ぬ時に後悔したくないから」と。それぐらい努力してダメだったら、言い訳する人生にはならないと思うんです。
400人以上のトップランナーをインタビューしてきて、「人との繋がりを大切にする」とか「いつもポジティブでいる」とか色々共通点はありましたが、全員が共通しているワケではなかった。本当の意味で共通していたのは「人の話を聞かずに、行動する」、つまり「自分を信じて突き進む」ということ。夢を追うことについて一番大切なことは、この1点に尽きると思います。
プロフィール
高橋克明
週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人/インタビュアー
マンハッタン在住。週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」CEO 兼 発行人。NYの最新事情を最前線で日々取材。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスター、政治家、アーティスト、文化人、スポーツ選手など、あらゆる分野に渡る400人以上のインタビュー記事を世に出す。「学なし、金なし、キャリアなし」ビザとパスポートの違いすらわからず、専門学校講師の職を捨て、27歳であてもなく渡米した自身の経験をもとに、近年ではアメリカや日本の大学で世界に飛び出したい人材を対象に講演会、セミナーを行っている。
ブログ:http://ameblo.jp/matenrounikki/
メールマガジン:http://www.mag2.com/m/0001647814.html
著名人インタビューコンテンツ「ガチ」:
http://www.nybiz.nyc/gachi/
ライタープロフィール
鮫川佳那子(さめこ)
NY在住ライター/ニューヨーク女子部♡主催。青山学院大学フランス文学科卒業後、サイバーエージェントに入社し広告制作・メディア編集・イベント企画運営に携わる。2015年より夫の海外転勤で渡米し、現在はニューヨークの新聞をはじめ様々な媒体でコラムや、海外で活躍する日本人のインタビュー記事を執筆。またNY在住の20~30代女性が約400名所属するコミュニティ「ニューヨーク女子部♡」を主催し、イベント企画運営も行っている。