ブックキュレーター哲学読書室
フランスの哲学教育から教養の今と未来を考える
フランスの大学入学資格試験(バカロレア)では哲学が必修科目です。哲学は教養ある人間を育てる学問であると考えられているのです。しかし、教養の概念自体が現在問い直されています。この時代に哲学することの意味を、フランスの哲学教育を出発点に学べる5冊を選びました。【選者:坂本尚志(さかもと・たかし:1976-:京都薬科大学准教授)】
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失業率や治安はフランスより日本の方が優れているのに、幸福度ではフランスが圧勝しているのはなぜでしょうか?フランス人の幸福の理由を哲学教育に求め、日本人も幸せになるために哲学すべし!というのが本書のメッセージです。フランスの教育制度紹介、哲学的幸福論、文章読本、さまざまな読み方ができる一冊です。
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フランスには、大学とは異なる高等教育機関グラン・ゼコールがあります。エリート予備軍は大学に進まず、高校卒業の2年間準備学級という特別なクラスで学び、グラン・ゼコールの試験を受けるのです。フランスの屋台骨を支えるエリートたちはどうやって育てられているのでしょうか?そしてその中で哲学の果たす役割とは?
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フランスで子育てをした著者による、主に親の立場から見たフランス教育事情の紹介です。日仏の作文教育の違いやフランス流の学校運営(飛び級、先生のストライキなど日本では考えられないことも)、そしてもちろんバカロレア哲学試験。フランス人がどのような教育を受け、「フランス人になる」のかがよくわかります。
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19世紀末から20世紀初めのフランスでは、教養概念が変化しつつありました。哲学教育もこの時代に大きく見直されました。本書は、この教養の危機の理解を試みたデュルケームの思想を読み解きながら、近代フランスにおける教養の位置を明らかにし、現代日本に生きるわれわれがそこから何を学べるのかを考えています。
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教養人の育成はかつて大学教育の重要な目的でした。しかし、今大学は改革の波に翻弄され、将来社会で活躍できる職業人を育てることが求められています。今の日本社会あるいは大学で、教養は、哲学は、どのような意味を持っているのでしょうか?大学をめぐるさまざまな論考を通じて考えることができます。
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哲学読書室知の更新へと向かう終わりなき対話のための、人文書編集者と若手研究者の連携による開放アカウント。コーディネーターは小林浩(月曜社取締役)が務めます。アイコンはエティエンヌ・ルイ・ブレ(1728-1799)による有名な「ニュートン記念堂」より。
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