はじめに
人生の9割はタイミングで決まる
あなたは、最近どんな本を読みましたか?
この半年間で読んだ本を、ふわっと頭に思い浮かべてみてください。
はじめまして、700ニキです。私は現在29歳で、投資家として活動をしています。個人としての所得は年間1億円以上です。
そんな私は、根っからの読書好きで、少しでも時間があれば読書をしています。特にビジネス書は「旬な人」が書いていることが多いので、時代の流れをつかむためにもSNSで話題になっている本は、読破していると思います。
ですから、あなたの頭のなかに思い浮かんだ本も、おそらく読んでいるでしょう。
おもしろくてワクワクする本もたくさんありましたよね。
ただ……昨今のビジネス書を読んで、私にはどうしても気になることがあるのです。
それは「どの本も煽りすぎじゃないか?」ということ。
「挑戦しろ!」
「走り出せ!」
「悩むな!」
「今すぐやれ!」
「行動しろ!」
「死ななければOK!」
たしかに、言いたいことはわかります。何かで「成功した人」は、行動力があるからです。「成功した人」から見ると、僕らのような「普通の人」は行動力がなくて、もどかしく感じるのでしょう。ですから、なんとか行動させるために煽る言葉を使うのだと思います。
また、日本は空気を読む文化なので、なんとなく顔色をうかがうような言葉ではなく、はっきりした口調で何かを言われると、説得力があって心に刺さりますよね。爽快感もありますし「やるぞ!」という気持ちもかきたてられます。元気が出ていいと思います。
「うまくいく人」と「失敗する人」のわずかな違いとは?
ところで……
「挑戦しろ!」
「走り出せ!」
「悩むな!」
「今すぐやれ!」
「行動しろ!」
「死ななければOK!」
こうした言葉を素直に受け取った人たちは、一体どうなったのでしょうか?
私は日頃からSNSで情報収集をしつつ、色々な人の色々な行動を観察しています。こういったビジネス書がヒットする前とヒットした後の、人々の変化も見ています。
ですから、分かるんです。知っているんです。
ああいった言葉を素直に受け取った人たちが、その後どうなったのか。
成功者の言葉を素直に聞いた結果、彼ら彼女らは……無謀な挑戦で、大怪我をしてしまいました。
もちろん、なかには大成功した人もいるかもしれません。ですが、そのような人は0.000001%くらいの割合であって、おそろしいほどに多くの人が痛い目を見ています。
でも、よくよく考えたら当然の話です。
「成功した人」は、もともと能力の高い人なわけじゃないですか。
そんな人に「挑戦しろ!」と言われて、僕らのような「普通の人」が突然挑戦したところで、うまくいくわけがありません。
傓られて走ったら、すっ転んで大怪我をするに決まっています。
冷静に考えたら、わかる話なのです。
「なんだか、さっきから否定ばかりだけど、挑戦したらダメなのか? 行動したらダメなのか?」
もしかしたら、あなたはそう思ったかもしれません。
いえ、私は「挑戦」も「行動」も否定するつもりはありません。何かをつかむためには、挑戦しなければいけませんし、行動しなければ現実は変わりません。ですから「挑戦すること」にも「行動すること」にも、大賛成です。
しかし、重要なことがあります。
それは「タイミング」です。
「空気は読まずに流れを読む」が持つ本当の意味
すべての物事には、それがうまくいく「タイミング」があります。むやみやたらと「挑戦」したり、誰かに傓られて「行動」したりしてはいけません。それがうまくいく「タイミング」に「挑戦」や「行動」をするのです。
実は、世の中でヒットするものは「タイミング」が、その成功要因として大きく存在しています。アイデアが優れているというのは当然ですが「ヒットすべきタイミングだった」という背景が必ずあるのです。
たとえば、世界中で利用されている「Airbnb」をご存じでしょうか?
空いている自宅スペースを、他人に貸し出すというサービスです。実はAirbnbは当初、多くの投資家からそのアイデアを否定されていました。「まったくの他人に自宅スペースを貸すなんてありえないだろう」と思われていたのです。
しかし、Airbnbが登場したのは大不況の真っ只中。会社から得られる給与が減っていくなか、なんらかの方法で収入を得なければならないという想いが「まったくの他人に自宅スペースを貸す」ことへの抵抗を超えたと言われています。
もしかしたら、Airbnbの登場が好景気の「タイミング」であったなら、世界的に利用されるようなサービスにまで成長しなかったかもしれません。それが、たとえ経営陣が優秀であって、並外れた努力でビジネスに打ち込んだとしてもです。
この事例からも、おわかりいただけると思います。
「挑戦」も「行動」も大事。でも、もっと大事なのが「タイミング」なのです。
速度を上げるばかりが人生ではない
実際、私が本業としている投資も「タイミング」がとても大事です。
いつも何かしら売買しているわけではなく、買い時と売り時を見極めて動きます。その「タイミング」を待ち続け、いざというときに大きく動くのです。
投資で失敗する人の多くは「タイミング」を無視してやみくもに売り買いをします。本当に買うべきときや本当に売るべきときは、実はそれほど多くありません。それにもかかわらず、多くの人がバタバタと売買し、結果的に大損をしています。
人生も同じです。
動くときに動く。動かなくていいときには動かない。
その「タイミング」の見極めをすることなく、やみくもに動く人は失敗してしまいます。ですから、何事においても「タイミング」を意識してください。
これを意識することができれば、人生がとってもラクになります。大きな波にうまく乗ることができて、さまざまなことが自然とうまくいくようになるのです。
では、このような「タイミング」が、いつやってくるのか。あなたの「挑戦」する「タイミング」や、「行動」する「タイミング」が、いつやってくるのかを、知ることができたとしたら、とても便利だと思いませんか?
無駄な失敗も減るでしょうし、かすり傷もしなくてよくなります。
わざわざ、失敗したい人なんていないと思いますし、失敗せずにあらゆる物事がうまくいくならば、それに越したことはないでしょう。
本書は、私が人生においてもっとも重要だと考える「タイミング」について、伝えるために書きました。もし、あなたが「あなた自身のタイミング」を知り、人生の大きな波にうまく乗って生きていきたいと思うならば、ぜひ本書を読んでみてください。
あなたも簡単に「ベストタイミング」が察知できる
ここまで「タイミング」について、大枠で考え方をお伝えしましたが、もちろん本文では順を追ってわかりやすくお話しします。
まず、第1章では、「最高のタイミングは『待つ技術』から生まれる」について、誰もがわかりやすい形で説明していきます。
一番最初にして一番言いたいことでもあるのですが、特に最近の若者は書籍やネットの情報に傓られて、何事にもすぐに飛びつく傾向があります。ですから、この技術を身につけると、無駄撃ちが圧倒的に減ります。
次に、第2章では「空気を読まずに流れを読む」をテーマに「決断の法則」について詳しく紹介します。
いざ「タイミング」がやってきたときに、そこで確信を持って動くことができなければチャンスを逃すことになります。そうならないように、知っていただきたい非常に重要な部分です。
続いて、第3章では、最強メンタルで「最高の自己実現」を実践するために必要なことをお伝えします。
人は失敗する生きものですし、失敗すると落ち込んでしまうもの。「タイミング」を極めると失敗することは減りますが、100%避けることはできません。ですから、「不安に負けないメンタルをつくる具体的な方法」も同時に紹介していきます。
そして、第4章では、「あらゆる本質を見抜く『超.観察力』を鍛える」というテーマで、すべての人に役立つメソッドを解説します。
情報過多の現代において、何が本当で何が噓かを見抜くことは、どんどん難しくなってきています。しかし、この「超.観察力」さえ身につけてしまえば、物事をはるかに高い視点で捉えることができるので、それが本当であろうと噓であろうと関係なくなります。
最後に、第5章では「時代を味方につけるトレーニング」について具体的にお伝えします。これぞ「タイミング」の最重要事項となる手法です。いくら力があっても、いくら優れたアイデアでも、時代が味方してくれなかったがために花開かず消えてしまうということは多々あります。しかし、この技術を身につけることで、あなたの力の何倍もの大きな結果を手にすることができるのです。
この全5章を読むことで「タイミング」についてはパーフェクトです。
もし、時間が足りなければ、どれかひとつを読んだだけでも、今日からあなたの人生に大いに役立つはず。
あなた自身の適切な「タイミング」を知ることができれば、僕らのような「普通の人」でも、さまざまな物事を高確率で成功へ導くことができます。
その「賢者のタイミング」を知ることで、人生という波にうまく乗っていきましょう。
≪-テキストは横読み-≫
プロフィール
1990年神奈川県生まれ。アニオタ・ネコ好きの個人投資家。国内最大級の有料会員制コミュニティ(オンラインサロン)「ニキサロン」を主宰。趣味は読書でありトレード以外のすべての時間は本を読んで過ごす。「幸せなお金持ち」を目指すため「必要以上に無理をしたトレードをしない」を信念に、安定して月収8桁維持を目標にトレードを続けている。「超」がつくほど貧乏な家庭に生まれ幼少期よりお金がなくて困った経験が多く、お金のせいで夢や自己実現をあきらめている人を一人でも減らしたいという考えから、幅広いお金の教育を広める活動を展開。