4巻発売おめでとうございます。一級建築士の実務がコミカルに描かれる本シリーズ。
建築好きにも漫画好きにも楽しめるお仕事マンガとして毎回楽しみにしております。本作執筆のきっかけを教えてください。

ありがとうございます。元々建築設計をやっていたのである意味漫画にするのは必然だったかもしれません。
一般目線で建築漫画と言うと、主人公がすっごい建築を考案して周りから絶賛される、みたいなものになるかもしれませんが、実際実務をやった身からするとそういうのは嘘臭くて描けないので、何とか自然に建築設計事務所は一体何をしてるところなのか読者に分かってもらうにはどうすればいいんだろうと色々考えた結果こういうものになりました。

「一級建築士矩子の設計思考」©鬼ノ仁/日本文芸社

4巻は矩子の故郷である弘前の建築名所巡りから始まります。弘前の歴史ガイドとしても楽しめました。
弘前をこれから訪れる人に一番行ってほしいスポットを一つ挙げるならどちらでしょうか。

藤田記念庭園にある洋館ですね、漫画「ふらいんぐうぃっち」にも登場するくらいファンタジーを感じさせる建物です。建築の知識がなくても楽しめるでしょう。
近くにある第八師団長官舎も今はスターバックスになってて、どちらも喫茶店として使えるので両方おすすめです。
漫画では冬でしたが、もちろん春の桜の時期も街の印象がガラッと変わって素敵です。

亀戸や本八幡など実在の街の実在する居酒屋情報も満載で毎回ひそかに楽しみにしています。これから書きたい街があれば教えてください（建築士目線、お酒好き目線どちらでも、、、）

江東区内だとカレーの町「大島」、亀戸の隣駅の「平井」も調べてみたい。
キャラが京大に受かった設定もあるので京都も巡ってみたいですね。

「一級建築士矩子の設計思考」©鬼ノ仁/日本文芸社

建築業界裏話、一級建築士の実務、居酒屋情報と毎回振り幅が広く様々な読者に刺さっていると思いますが、これから書いてみたいトピックスがあれば教えてください。

何でしょうね・・・読み切り形式なので振り幅大きく何でも描いていきたいですね。
今はようやく４巻の作業が終わって思考能力がゼロなので何も思いつきません。

建築士目線で気になっている社会問題があればお聞かせください。

最近だと道路の陥没がありましたね。
あんな巨大な穴が開くんだとびっくりしました。
土木も建築も維持管理が大切ですね。

最後に、これから読まれる読者の方にメッセージをお願いいたします。

なるべく難しくなく、建築に興味を持てるように気を付けて描いてるつもりです。
と言いつつ、建築構造の話など徐々に難しいものにも挑戦してみたいです。
今回の４巻は弘前の建築巡りがメインなので気楽に読み進められると思います。
前川國男設計の弘前市斎場編を描き下ろしましたのでそちらも楽しみにしてください。