目次
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口 絵
推薦文 国立衛生医療科学院名誉院長 林 謙治
はじめに
★序 章
★第一章 満洲ペストは冬、どこに潜むのか―加藤正司の事績を捉え直す
○第一節 ペストの怖さ、日本ではなじみの薄い疫病
1.ペストとペスト流行
2.検疫、隔離など
3.香港ペスト流行とペスト菌の発見
4.ペストの感染経路
○第二節 満洲ペストの歴史と特徴
○第三節 満洲ペストにかかわる二つの国立ペスト防疫所の設置
1.民生部令に基づく二つのペスト防疫区
2.二つのペスト防疫所の基本姿勢と特徴
3.前郭旗とペスト防疫所の建設
4.加藤正司、独立性の高いペスト防疫所へ赴任
5.加藤の身分
○第四節 人知れず一肌脱ぐ―ペスト防疫の現場に赴く
1.乾安県におけるペスト防疫
2.“真実をあからさまに見る”
3.人手不足の中で
○第五節 加藤の生涯の研究テーマ「ペストは冬、どこに潜むのか」
1.「ペスト菌の種継ぎ越年の謎と対決する研究」に没頭
2.感染経路の調査の重要性―加藤論考「乾安県玉字井ペスト感染経路に就て」を読む
3.楡の木の下の訓示―徹底した感染経路の調査
4.長澤医師の新たな書簡の発見と加藤の有菌ネズミ説
5.通説「畑リス説」を覆す
6.冬、原発部落の土を掘り起こす覚悟
7.保菌ネズミの捕獲に成功―歴史に残る村落「新廟」
8.ネズミの体内にペスト菌発見―所長の感が的中
9.加藤の「炯眼と情熱」が論争に結末の門を閉めた―“部落内のドブネズミを徹底的にとれ”
○第六節 満洲ペスト防疫の苦労が報わる―酒井シヅ『病が語る日本史』に掲載
★第二章 ペスト防疫の基本理念―国家や民族を超えた仁術
○第一節 満洲ペストと保健衛生行政の最優先課題
1.医師の絶対的不足と民生部の方針
2.大同学院を通じて医師の資格をもつ人材の掘り起こし
○第二節 ぺスト防疫の基本姿勢
1.最初の赴任地へ派遣されて
2.国境なき医師団的精神―インドとの比較
○第三節 危険極まりない命がけのペスト防疫
1.行政のパートナーである藤沼氏の証言
2.加藤はペスト防疫の最高指揮官
○第四節 患者の傍に―報われるとき
○第五節 「防疫の鑑(かがみ)」
○第六節 建国十周年記念式典での表彰
○第七節 妻満の執念の始まり
1.加藤正司の論文はどこに?
2.妻満の執念
★第三章 ペスト解明を成功に導いた人間力の結実―敗戦と加藤の願い
はじめに
○第一節 加藤の不屈の精神の拠り所
1.加藤に流れる実家の伝統
○第二節 加藤の生い立ち
1.早くに親を亡くす
2.兄亮記の恩返し
3.挫折を乗り越えて
4.医者になりたい―根づいた夢
○第三節 青春謳歌―静高と茶切節そして医学部進学
○第四節 出会いの結実と渡満
○第五節 昭和恐慌と軍国時代、満洲建国へ
1.世界恐慌と満洲進出
2.政府や軍部と一線を画した大同学院の出身者たち
3.日系職員を叱る
4.満蒙開拓平和記念館と両陛下の訪問
5.敗戦と加藤の願い―リットンの提示する“世界の道”
6.語り継ぐこと
★第四章 難民救済に散る―殉難散華
はじめに
○第一節 敗戦と新京へ避難
1.ソ連軍の侵攻とペスト防疫所をあとに
2.ポツダム宣言と現地定着方針
3.内地帰還の開始とGHQとの交渉
○第二節 避難生活
1.旧満鉄宿舎で極寒の冬を過ごす
2.診療所開設と協同生活
○第三節 敗戦の中で見せた究極の救済の心
1.難民邦人と発疹チフスの蔓延
2.加藤、感染阻止に駆り出される
3.殉職に泣く
○第四節 老百姓(ラオバイシン)の味方となって
○第五節 現代中国医療に残しうる足跡として
○第六節 加藤に捧げる殉難散華
1.吉井武繁「殉職散華」
2.藤沼清「ペストと戦う」
3.医師古谷淳の弔辞―ペスト防疫所を代表して
○第七節 加藤に捧げる鎮魂歌
1.「鎮魂歌」(加藤阿幸作、七言漢詩)
2.長澤武邦訳「鎮魂歌」
★第五章 ペスト防疫所の現代的評価―人民政府要人との交流
はじめに
○第一節 慰霊の旅、実現に向けて準備
1.早く戦後を終わらせたい
2.満洲二世にとっての里帰り
3.戦後の中国は近くて遠い
4.慰霊の旅の誘因 (1) 興福寺を訪れて―阿修羅像
5.慰霊の旅の誘因 (2) ドキュメンタリー映画『葫蘆島大遣返』を観て
6.慰霊祭はまかりならん
7.非公式の慰霊祭の準備―日満双方の犠牲者を弔う
8.人民政府の要人との交流会の設定
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