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宮尾登美子といえば、時代や国を超えて、女性の生き様を描く作家というイメージが私の中にはある。
2009年にブームと言えるほど盛り上がった、大河ドラマ「篤姫」の原作がこの小説。個人的に宮尾登美子の小説はクレオパトラ以外は第二次世界大戦前後の頃を描いた物を多く読んでいたので、時代小説とは意外な気がしたが、読み応えのある小説だった。
またしばらく経ったら読み返したい。
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一昨年のNHK大河ドラマのあおいちゃんのイメージがずいぶん強くて、篤姫以外の登場人物もドラマのキャストをそのまま頭で思い浮かべつつ読み終えました。
当然ながら、ドラマとは違うところもだいぶあったけれど、ああドラマの脚本はエンターテイメントとしてだいぶ膨らませてたんだなぁと思います。ドラマも面白かったけど、原作の小説も面白かったです。もちろん小説だって、全て史実の通りというわけではないでしょうけれど。
並行して「坂の上の雲」を読んでる途中だけど、そっちは全然女性が登場してきません。歴史小説ってどうしても男中心なんだろうなと諦めつつもつまらないなと思う。その点、この本は女性たちが主人公ですから、自分に引き付けて読むことができて面白かったです。
生きる時代も環境も全く違うけれど、私も同じ女性として、篤姫みたいに一本しっかり筋の通った「オトコマエ」な女性に憧れます。もしできるならば、こういう上司の下で働いてみたいかも。
しかし驚くのは、「篤姫」の時代と「坂の上の雲」の時代が、そうかけ離れたものではないということ。徳川治世の瓦解、明治維新が、日本にとってすっごい激変だったんだなぁと改めて思います。
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「竜馬が行く」とは全く別の視点からの維新。
竜馬も身分の低さという情報の制限があっただろうが
篤姫は篤姫で、外界から隔絶された大奥で、
制限された情報の中で立派に生きた女性だと思った。
篤姫が主役であり、
和宮や慶喜は未熟だったり悪役に近い形で書かれているが
またの別の視点で読んでみると違うのではないかと思う。
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島津家の分家筋にあたる家から島津家の幼女となり13代将軍家定の御台所となった篤姫。 さらに、3千人からの大奥を見事統率する御台所となる篤姫の生涯に江戸末期の歴史が重なるストーリー。
篤姫については著者自身が相当念入りに資料を当たった上で人物、エピソードを挿入しているようで(巻末、宮尾登美子氏対談)、いかに苦労されてこの物語を作り上げられたかが想像できる。 逆に言えば、史実に忠実なあまりいかなる過程で大奥の多くの人間の人心を掌握して行ったかの具体的な内容が少々乏しく、いつの間にやら大奥自体が便りとする人物に成長していった過程が乏しいように思う。
ただ、これも史実に忠実なあまりいい加減なことが書けない、著者の性格が現れているように思われた。
同様に天章院(篤姫)が攘夷に偏っているように
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母の本棚にあったので読みました。色々こみ上げるものもあり。使命を持って生きた女性。素晴らしくも悲しい。一言では言い表せません。
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激動の情報が少ない中、
国と家と家臣を考えなければならない篤姫の苦悩たるや、
読んでいて胸が痛くなった。
和宮との嫁姑問題もストレスだっただろうな。
かつて嫁入り道具を揃え、直接話もできなかった身分の西郷に宛てた
手紙はすごい。
明治に入ってからの質素な暮らしぶりといい、
篤姫の柔軟性の高さには学ぶところが多い。
宮尾先生は直接後年の篤姫を知る曾孫さんに直接会ってお話しを聞く事ができた。
だからこそ、歴史小説とは言い切れない、ノンフィクションの部分も多いと思う。
偉大な人物や良書は語り繋いでいかないといけないと思う。
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上巻に次いで再読。
篤姫の圧倒的な存在感をリアルに感じる一冊。
ここまで引き込まれて読んだのはやっぱり
宮尾登美子さんだからだと思う。面白かった!
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途中、説明チックな感じで「もういいよ~」と思って
読んでいたのですが、そこを乗り越え、和宮が大奥へ
来たあたりからおもしろくなってきました。
これ、大河ドラマの原作だったように思いますが、
原作は和宮と篤姫、大奥時代はあまり仲がいい感じには
書かれてないんですね。
ドラマはもうちょっと、親密さがあったような気が…。
しかし、篤姫は強い人だ。
一度徳川家に嫁いだからには、夫が死のうが江戸城が
やばかろうが、薩摩の実家に帰ることを選ばなかったなんて。
私はどちらかというと和宮に性格が似ていると思うので、
帰れる、となったら速攻帰ってるなぁ。
いずれにせよ、昔々の女性たちは、不自由な人生を
強いられてた、ということですよね。
現代に生まれて、まだよかった。
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時代の割に自由奔放に生きていた少女が将軍の正室となり大奥へ。
そこでも自分を見失わず、江戸という大きな時代の終末を見届けた一女性の生き方に感動。
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家定亡き後、大奥3000人の女中をとり仕切る篤姫の強さ、冷静さ、
薩摩とたとえ敵になっても徳川家を守るという使命感がかっこいい!
大奥ってこういうところなのか・・・というのが素朴な感想。
上に立つ者としての度量は、表方をはるかに超えているのでは。
和宮を迎え入れたときの複雑な胸中、怒りや情けなさもストレート。
結局篤姫は徳川家衰退を見届けることになってしまうけれど、
最後まで徳川家の再興を願って徳川家のために尽くすあたり
本当に若くして強い女性。この強さはこの時代の女性の生き方から出るのか。
篤姫にせよ、大奥の滝山らにせよ、150年前の女性の強さにただ感服。
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動乱に翻弄された生涯であったけれど、おだやかな終焉を迎えられたことで、あたたかな気持ちで、読み終えることが出来た。御台所として、嫁として、姑として、また義母として、なんとあっぱれな方でしょう。6/20
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宮尾登美子の文章は潔い。歴史に疎くて 特に幕末辺りは本当に分かりにくくて敬遠していたのだけれど、これはホント読んでよかった。篤姫 なんと意思が強く気高くそして優しい姫であったことか。動乱の時代の大奥にあって、3000人の女たちをその手でまとめ上げたのは ひとえに篤姫の人柄である。自分に厳しく常に冷静でそして下々の者たちへの思いやりも忘れない。理想の上司 そのもの。維新(徳川家では瓦解と呼ぶらしい)の時に 大奥ではただの一人の脱落者も裏切り者も出さなかったと言う。今まで 皇女和宮を苛めたおした意地悪な姑のイメージが強かったけど。女としては不幸だったけれど、ある意味人生を思い切り楽しんだヒトだったのかもしれない。
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昔(といっても、おじいちゃん世代くらいまでそうなのかな)のひとって、本当に精神年齢高いよね。
寿命がそもそも短くて、若いころからいろいろ背負う(背負うべく幼少期から教育される)からかな。
ときどき、自分が恥ずかしくなるくらい!
夫を亡くし、10歳年下の養子とその妻を、大奥を統べる者として迎え、ふたりをしっかり支えていく覚悟をきめたー、、そのとき篤姫25歳!
わたしそのとき、かきのたね食べながら寝転がって本を読んでた!
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下巻。
いきなり家定さま薨去…
家茂と、その嫁をめぐる葛藤。
自分より身分の高い嫁との軋轢などなかなか大変なことがたくさん。
天璋院を見ていると、我慢とか耐え忍ぶという言葉が浮かんでくる。
京方江戸方に分かれての戦いを、大奥の総帥として纏め上げる苦悩…。
大変だったろうなあ。この作品は全編通して天璋院がかっこいい。
この作品について宮尾さんは「天璋院礼讃」と言っているけど、まさにそう。
女の悲しみとか女の強さとか、政治の駒になりつつも自分らしく生きていくすばらしさを天璋院が教えてくれるような気がします。
あ、そういえば大河では最後に忠敬とお幸に会えるシーンがありますが、それはここではないですね。現実的にも難しかったのではと思います。
だから大河は、ご都合主義的でもあるけど、「救い」として、二人に再び会えたのかな。ほんと現実的じゃないけど、でもいい「フィクション」だったかな、と。
だって史実では会えない。亡くなる前、天璋院は初めての旅行を計画しており、それがたしか薩摩だったはず。江戸城という牢から出て、(牢という言い方が正しいのか分からないけど)ようやく自分の好きなことを出来るかと思っていたところに突然、死が訪れた。かなしい。だからせめて「会えた」とすることが救いになったんじゃないかと思うんですよねー。
あと「慶喜擁立」についても大河は御台所にするために養子にして、その後斉昭をうまく操縦するために(?)慶喜擁立を唱える…みたいな流れに大河ではなってた(様な気がする)んですが、それはたぶん最近の定説に沿ってますね。斉彬が慶喜擁立を唱える以前に、天璋院は斉彬の養子になってますから、「慶喜擁立のための養子縁組」では順序が逆ですからね。原作は昭和59年とかなので今と定説が違っていたのでしょう。
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下巻も引き続き何が幸せなのか、ちょっと考えてしまいました。仕方ないのだろうけど特に後半は駆け足で、和宮様との交流部分がもっと欲しかった。