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ようやく4巻読了。
フォードと千代田自動車提携の話題から、石油発掘に転換してきた。
物語の中でもうっすら書かれているけれど、壱岐正は、なぜ商社で働いているのだろう?どういうモチベーションなのだろう?とここにきて疑問に感じることが多くなった。
それにしても、この取材力というか表現力というか、そこにいたかのように(もちろん〝そこ〟ってないんだろうけど)書かれていることが、読んでいて脱帽する。作家ってすごい。
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現在であってさえも、コレを巡って世界のあっちこっちで利権やら紛争やら何やらと大騒ぎの「石油」にお話が移行しました。 KiKi は外資系の会社でのお仕事が長かった関係で、米国とか西欧諸国、そしてアジア諸国(除く共産圏)とのビジネスっていうのはそこそこ関与する機会があったんですけど、さすがに中近東っていうのは相手にしたことがないので、オイルビジネスの描写はかなり興味深く読むことができました。
ただ、第3巻でもちょっと感じてはいたんですけど、この第4巻に至って、ものすご~く違和感があったのが、壱岐さんにしろ里井さんにしろ、大手商社のナンバー2 or 3の割にはやっていることがプレイング・マネージャー的だなぁ・・・・・ということです。 これは時代の違い・・・なのかもしれないんだけど、何て言うか、組織で仕事をしているっていう感じがあんまりなくて、個人技で仕事をしている・・・・そんな印象なんですよね。
まあ、根回し的な、交渉的なことっていうのは最後は組織の上の方の人たちの顔やら繋がりやら何やらかにやらで動く部分が多いのは事実そうなんだけど、かたや副社長、かたや専務という肩書を引っ提げている割には KiKi なんかがイメージするマネージメントっぽさがない・・・・・とでも言いましょうか??
これが兵頭さんクラスの人たちだったり、壱岐さんにしても、いくら社長のお声掛かりと言えども嘱託職員に過ぎなかった頃であればまあ、こういう動き方・働き方もさもありなんと思えるんだけど、これが財閥系商社を向こうに回して台頭してきた日本でも指折りの大商社という設定の中で、しかもいわゆる「経営陣」というポジションにいながらにしてこの動き方っていうのはアリなんだろうか??とちょっと疑問符がついちゃうところがあるように感じました。
そしてもう一つ。 あの時代に石油を確保するということは国益にかなうことであったということ自体を否定する気はないんだけど、何となく壱岐さんが「国益のために・・・・・」というモチベーションで動いているっていうのはちょっと綺麗ごとに過ぎるんじゃないかなぁ・・・・・と。 まあ、この物語で性格づけられた壱岐正というちょっと理想的に過ぎるきらいのある人物設定だとこうならざるを得ないのはわかるんだけど、天邪鬼の KiKi としてはどうしても胡散臭さを感じちゃうんですよね~。
まして、この物語の中でも描かれているように、本来ならその「国益」をもっとも追及していて欲しい政治家の皆さんにとって石油というものは「利権」「覇権」の対象ではあっても必ずしも「国益」なんていう高尚なレベルのものとは言い切れなかったわけですし・・・・・。 KiKi はねぇ、「国益」という言葉にはもともと懐疑的なスタンスをとりがちなんですよね。 これっていわゆる「目くらましワード」の筆頭だよなぁとさえ思っているぐらいで・・・・・(苦笑)
さらに、さらに・・・・です。 兵頭 & 壱岐陣営がいわゆる国策プロジェクト(公社とか商社数社による共同プロジェクト)から離れ、インディペンデントの米企業と組んで油田開発に応札するという流れにしても、政治家を丸め込む(言葉は悪いけど ^^;)ための方便として、「国策プロジェクトがとれなかった時のためのセイフティ・ネットが必要です。」的なことを言っているわけだけど、それが最初にあったわけじゃなくて、その国策プロジェクトでのポジショニングに納得できないというところから、そこから離脱して外資と組むという選択をしているわけで、そこで見え隠れするのは「国益第一!」というような哲学では決してなくて、「わが社の利益追及」「財閥系商社にとってかわりたいという欲」以外のナニモノでもないわけです。
KiKi はそこのこと自体はビジネスである以上、必ずしも悪いとは思わないし、あの方便自体も間違っているとは思わないんですよ。 それに近畿商事がある意味で軽視されたいきさつを見れば「ナニクソ! 今に見ておれ!」と思ったというのもよ~く理解できます。 でも壱岐さんがここで敢えて「国益のために・・・・・」なんていう綺麗ごと発言をするあたりに、このキャラクターの矛盾と言うか、必要以上にこのキャラを美化しようとしている限界みたいなものを感じてしまいました。 まあ、KiKi はこの物語が描く時代の元軍人さんに対する世間の目の厳しさ・・・・・みたいなことが必ずしも理解できているとは思わないので、現代人感覚での評価に過ぎないことは百も承知なんですけどね。
・・・・・とは言うものの、やっぱりこの物語は面白い!!(笑) 残すは最終巻です。
(全文はブログにて)
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日本に戻ってきた壹岐。
今度は油田開発に乗り出す。
戦争時に燃料の重要性を感じている壹岐は、
その思いも人より大きいが・・・
物語も終盤、砂漠という新たな不毛地帯を舞台にして
どのような結末を迎えるのか・・・次はいよいよ最終巻。
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第4巻読了です。
自動車会社の日米提携に加えてイランでの油田開発もストーリーに加わり、主人公を取り巻く世界がどんどん重たくなっていく様子に迫力がズンズン伝わってきます。
現実の日本の商社ってこんなにドラスティックなストーリーを描きながら進んで行っているのかなと想像してしまいます。
油田開発にあたっては真の国益に向かって進んでいく強さに期待して次の第5巻を読んでみたいと思います。
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千代田自動車とアメリカ・フォーク社との資本提携は、フォークからのたった1枚のビジネス・レターで交渉の打ち切りが決定された。
そこにはライバルである東京商事・鮫島の暗躍があった。
新規合弁会社の設立を強引に押し進めようとする里井副社長と、あくまでも千代田の利益を損なわないよう交渉を行う壹岐。
商社のことが何もわからない僕が読んでも、2人の力量の差は歴然としていると思った。
里井副社長には心臓病の不安があるため、この時点で専務である壹岐が実質的に近畿商事のナンバー・2になった。
そして、壹岐は資源に乏しい日本の将来を見据え、石油確保の手段を模索しはじめた。
イランのサルベスタン鉱区に入札することを決め、日本石油開発公社の吉良総裁に資金援助を申し出るが、鮫島らの策により、出資比率10%という納得できない結果を突きつけられることになる。
この公正を欠く出資に甘んじ、公社グループについて資本参加にとどまるか、あるいは公社グループを離脱して外国の石油会社と組み、独自に国際入札に挑戦するか。
壹岐は悩んだ末に、アメリカのオリオン・オイルと組んで鉱区を入札する方針を打ち出した。
国賊呼ばわりされかねないこの決断を、「公社グループが落札できなかった場合の“安全弁”」と言ってのける壹岐の口の巧さに感服!
商社に入って、壹岐はいろいろな仕事で手を汚してきたけれど、その心の中にはいつも「戦争の過ちを2度とくり返してはいけない」という強い意思があるように思える。
朔風会への協力を惜しまないのも、石油の確保を願うのも、根底にはそのような思いがあるからで、壹岐のそういう真っ直ぐな態度はすごく尊敬できる。
壹岐にとって、商社マンとして最後の仕事になる石油開発はどうなるのか?
最終巻も一気に読めそう。
−−−−−
唐沢さんの「WANDA」のCM、最後に岸部四郎さん(里井副社長)が出てくるのがおもしろい。
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油田の入札についてがメイン。これまでの戦闘機受注や自動車会社提携において企業の利潤追求して来た主人公が、国の資源安全保障のためと掲げ石油に注力する。
企業のためから国のためへ、参謀であった原点へと回帰する姿は納得できる。
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3巻よりは、読みやすかったです。ブクログで検索したら5巻まであったから、まだ最終じゃないんだ、と思っていたら、やはり4巻で完結しました。シリーズが違ったのかな?
本の内容ですが、今回は『油が出るか、出ないか』の緊迫感があり、良かったです。それに里田も壹岐から離れて冷静になったようだし。ただ、壹岐がキレイ過ぎて、やっぱ嫌だ。そこまでキレイを通すなら、秋津とも、最後までキレイでいてほしかった。
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アメリカの大手自動車会社との提携もライバル会社にかっさらわれ、次に浮上してきたには、イランの石油採掘。が、公社の思惑通り、他の総合総社とも共同事業で権利は微細に抑えられる。次なる一手出ようとするも、大博打の感は拭い去れない。千里との関係も、最終巻に向けてどうなるのか?
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嫉妬に狂う里井が憎たらしいいこと。
失敗していい気味みたいな。
油田開発の話も良く調べて、まとめたなと。。。
商習慣やら、入札やら、、、
こんだけ登場人物多くて、どう頭のなかで整理しているのか。
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「不毛地帯(4)」山崎豊子
社会小説。黄色。
舞台はアメリカ自動車産業から中東の石油掘削ビジネスへ。
ハイリスク・ハイリターンの事業に挑む心の裏には、先の戦争におけるエネルギー政策の失敗という苦い経験があるのだった。
仕事とは、何のために為るのか?
会社員の使命感とは何なのか?
(4)
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壱岐正の勤める近畿商事はいよいよ石油開発に挑む。
壱岐は専務に昇格し、社内での地位をますます高めてゆく。しかし昇進すればするほど周囲との確執も大きくなり、里井副社長と激しく対立する事になる。
石油開発ではイランの油田の開発権を得るために、日本の商社グループを抜け、アメリカの会社と組んで落札を狙うという、ある意味日本を裏切ったとも受け取られかねない決断をする。一方、千代田自動車とフォードの提携では東京商事の鮫島の暗躍もあり、敗れる。そこでもすぐに次の手を打ち、千代田自動車とユナイテッドモーターズの提携を画策する。
この巻でもっとも印象に残ったのは、中東の不毛地帯での石油利権を巡る争いだ。五菱商事の上杉や近畿商事の兵頭があらゆる手段を駆使して石油に関する決定権をもつミスターXに会おうとしのぎを削る。砂漠、土漠の乾いたすさまじい自然の描写も、まるで自分が砂地獄に迷い込んだような気分になる。
展開も早くスラスラ読めた。
本来は正義感の強い人間でありながら、商売のために手を汚さざるをえない壱岐が哀れになってきた。
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自動車会社の提携、イランでの石油採掘、色恋話に戦争の記憶、ライバルの心臓病やトローリング。話がかなり拡散してきた。登場人物が多く、文体は読みやすいのに読みにくい。長すぎてだんだんとだれてきた。それでもだれさせる手前で色恋話が入ってきたりして絶妙。主人公に全然魅力は感じないけど。
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自動車会社の提携話を土壇場でひっくり返されたり、イランでの石油開発に苦労したり、と商戦の裏側のとてつもない熾烈な闘いを描いている第4巻。
ストーリーとして、最終巻でのフィナーレに向かってゆきます。
それにしても想像するだけでも大変な世界・・・
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2009年の改編後全5巻になったらしく。。
ブッ⚪︎オフで買った5冊のうち、3巻と4巻は内容が重複していたという悲劇。。
29章のみ読了。
石油の鉱区入札という国益を揺るがすビッグプロジェクト。
公社との合同入札グループから脱退、日米合弁という途轍もなく大きなことをやってのけることができるのか。
環境の変化や時代の流れについていけず、自分の利益優先の考え方しかできず、論理的ではなく感情的に捉えて、「非国民」とか「国賊」とかゆう頭の固い人って今も昔も変わらずいるんやね。。
いよいよ最終巻へ。
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弱小自動車メーカを外資とくっつける話がメイン。里井副社長が壹岐に嫉妬して横からごちゃごちゃやって挙句心臓病で倒れて合併も東京商事に一杯食わされてちゃんちゃん。大佐の娘との老いらくの恋が意外に長くて面倒、要らんパートだと個人的には思ってしまう。。。