紙の本
しっとりとした大人の恋
2015/12/17 19:29
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投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
文体がとにかく美しい。読むだけで違う世界にきたような気分でした。インモラルな雰囲気もとても良かった。語りで話が進行するので、ネタバレ的に相手の気持ちが語られる部分になるとそうだったんだと見返すことも多く、何度も読み返し確かめるのも楽しかったです。
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08/10/13
演出家×銀行員。
紆余曲折あって両想いになったのにラブラブというよりは砂の城みたいな危うさがあります。仄暗ーい感じ。
ラストもハッピーエンド!!という感じではないので読後感も後を引きます。同人誌でもいいからその後を読んでみたい。
静かな文章と北畠さんの絵がぴったりでした。
『おまえのからだのことなら、なんでも知ってる。だけど、俺はおまえがわからないよ。おまえの心はわからない。』148P
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キャラ、ストーリー共に好き嫌いがはっきりしそうな一冊だと思った。
自分は好き。ずるくて臆病だけど純粋な男の話。恋の切なさが詰まっていてすごく好き。
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【あらすじ】 銀行に勤める野田に突然掛かってきた数年ぶりの電話。それは、大学時代の野田の秘密を共有する男、若杉からだった。泊めることを了承してしまえば、面倒なことになる…そうわかっていながら、野田は頷かずにはいられなかった。とっくに終わったはずの関係だ…それなのに…?静かな熱病のような恋が始まる―。
やさしくしたい若杉(攻)と素直じゃない野田(受)。切ない場面は多々あって、最後は不穏な終わり方なのだけれど、通して若杉の一途でやさしいキモチに包まれた。
日常的なストーリーの話を好んで読む中で、若杉のような攻がとても好き。好みの話とは好みの攻とイコールで、読了感の重点的な部分だと、改めて思う。
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風邪をひいたときの微熱・・・37℃・・・冷静な思考と気だるいカラダ・・・微熱は一番タチが悪い。
それはこの二人の関係も同じことのようで・・・。
読んでてどこに気持ちを持って行っていいかわからない。
なのにものすごく気になる引きこまれる。
私自身も37℃という微熱に浮かされてしまったようだ。
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野田と若杉のふたりの関係は、細かく繊細に描かれていて
とても読み応えがあり
深い深いところでつながるふたりを感じました。
ただ野田のまだ離婚していない奥さんのあまりの身勝手さのせいで
ふたりの心に残すであろう大きな心のわだかまりを思うと、
読後も奥さんへの気持ちの悪さや腹立ちが後を引いてしまって・・・。
離婚の原因が野田にあるとしても、
別居中とはいえ自分の次の幸せのために新しい恋人を作って
離婚しようと前向きに進もうと自分から野田に離婚をしてほしいと言ったのに
野田がすんなりその離婚を承諾したことに疑問を感じて調査員を雇い
野田のセクシャリティを知って自殺未遂って・・・。
(本人に自殺する気があろうとなかろうと結果はそうなのだから)
んー、びっくりはするだろうけれども、そんな形で
人の心を縛り付けるような行動がどうしても後を引いてしまって
心にこのことばかりが残ってしまいました。
これからのふたりが、心を寄せてこの件も乗り越えて
同居しようと野田が言った時のような晴れやかな気持ちで
幸せになっていて欲しいと、
真剣に願うほどのめりこんで読んでしまいました。
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文体と主人公の語り口調といい空気感が凄かった。
ストーリー自体に奇天烈さは無いけれど見えそうで見えないけどなんとなく匂わせているかもしれないところとかとにかく凄かった。
人生の午後という言葉を知った。