投稿元:
レビューを見る
剣豪たちの決闘や生きざまを描いた5編からなる短編集。お勧めは愛洲移香斎の短編。たぶん架空の人物・住吉波四郎が、父のかたき移香斎を求めて旅に出る話。兵法者の住む苛烈で荒涼とした世界を見た波四郎の決断がなんとも言えず良かった。
投稿元:
レビューを見る
藤沢周平作品として霜の朝、はしり雨に続いて決闘の辻を読んだ。
江戸を懸命に生きる町民の姿を泥臭く描いた短編が多く収められていた前二作とは少し毛色が違う。
伝説の剣豪、宮本武蔵が老いに悩む姿など斬新な切り口もあるけど、話の中心に据えられているのは剣を交えた命のやり取り。
これはこれでいいけれど、町民話の方が好きかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
小衣は二十半ばにさしかかっているが、子供を産んだことのない身体は、まだ娘のように若い皮膚を隠し持っていた。
(中略)
皮膚は枯れ、その下を流れる血の通いも、あるのかないのか心ともなくなって来ている一刀斎は、小衣の体に触れる時だけ、体に人なみのぬくもりが戻るのを感じるのである。
収蔵されている短編「死闘」からの一部。
年を取るというのは、こういうことか??
投稿元:
レビューを見る
剣豪小説。決闘の場面、自然の表現がリアル。宮本武蔵の永雄らしからぬ人物像が固定観念を破る。
2024.1.6