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千葉は房総の一宮で、母親と懇意にしている看護婦とともに暴漢3人に襲われた医者の娘、冴子。その事件をきっかけにと思われるタイミングで母親が自殺し、復讐を誓う。しかし、その真相は…。
タイトルからして、9割方の人は「時刻表関係のトラベルミステリやろ?」と思うだろうが、その辺の要素が皆無なので、逆に驚く。
前半は、なにか始まったと思ったら過去に戻されたり、なんだかわからない、許婚者だの友達だのが出てくるので混乱必至。後半は探偵的に進むのかと思いきや、裁判がメインとなる。その後は、結構シッチャカメッチャカになるので、以外な展開に驚くとかいうレベルではない。
ややネタバレになるが、複数の事件と複数の動機を用意して、それを全部つなげてみたという離れ業は、正直に評価したい。しかしながら、暴漢3人組の動機が今ひとつ以上に理解できないのは、サラッと名前の出てきた男の立場の問題なのだが、サラッと過ぎて、咀嚼する前に違和感として残ってしまった。
辻褄や文章の悪さなど気にせず普通に読めて、意外な展開になる本を探している人はどうぞ。タイトルが一番意外やけどな。