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莫迦みたい、って思いながらもやめられない性の話がたくさん。
自分を縄で縛ることでの性的興奮
性交したあいてとの使用済みコンドームを冷凍保存
ゴム製品に身を包まれることでの性的興奮
幾人とものセックスに溺れる女
ゴミが潰される瞬間と6年前に付き合っていた男との妄想に溺れる女
と、どれもクセが強いです。描写もとてもリアル。
作者もほんとうに自分を縛ったりラバー製品にみをまとったのかな。そうでもしなきゃこんなに性格に書けないのでは
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期待以上によかった!
「自縄自縛の私」……ドキドキした。
「祈りは冷凍庫へ」……タイトルはイマイチだと思うけど、後味スッキリ。
「ラバーズ・ラヴァー」……タイトルも、エロティックな文章も、ラストもすべて好き。
「明日の私は私に背く」、「ごみの、密」……セックス自体が出てきてしまうと少しインパクトが小さくなるかなあ。
ストーリー云々ではなく、文章が好き。とくに主人公の性癖が描写されている部分。エロティックで、においが感じられる。
性を扱っていない作品も読んでみたい。
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短編集。
自縄自縛の私‥女装して縛るw氏が話題としてほかの作品にも出てくる
祈りは冷凍庫へ‥男の精液をコンドームのまま冷凍して
ラバーズ・ラバヴァー‥ゴムに包まれて
明日の私は私に背く‥セックスを含めて飽きっぽい女
ごみの、蜜‥ゴミ収集車に壊されるゴミに魅せられて
どれもがさらっとしていて、本人の抱えている問題の深刻さを、たんたんと描く。好き嫌いはあると思うが、面白かった。
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■R18なエロチックなショートストーリーが5つ。でもどのストーリーも表面的なエロではなくて、その人のココロの内側が主題になってるんだと思った。
■なんて言ったらいいのかなぁ...読みながら思わず納得して小さくうなずいてしまったり。(笑
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人と違うだけで、分かり合えない。
わかってもらえないし、揚句の果てには隠れないといけない。
そんなのは哀しい。
快楽の先にある哀しさ。哀しさの先にある悦び。
全5作の短編小説集(連作になるのかな?)
最後の「ごみの、蜜」が秀逸で愛おしい気持ちになる。
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まず装丁が好き。自分の性癖を語っていく5人の中に少なからず私がいる。何に縛られているのかは人それぞれなのだろうけど、根っこのところで共感できる人は多いハズ。
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竹中直人が映画化したと聞いて、読んでみた。
確かに濃い内容、リアルな描写なんだけれど、読み終わった感想としては、エロティックというよりも、人の内面をじっくり描いた小説、という印象。
文体というか、文章の雰囲気が落ち着いているからかな。
おもしろかった。
他の作品も読んでみたい。
そして、竹中直人監督はどんな映画に仕上げたのか気になる!
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めちゃくちゃエロいのに
うすっぺらくないのは文章力の賜物
キチガイじみた登場人物たちに
不完全な人間の哀切や葛藤がたくさん感じられて
ひたれる読書体験
連作短編の並べられ方も非常に素晴らしい!
最後の一篇が救いある感じで終わるのが沁みる~。
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読む人が読めば面白いんだろうけど、私はあんまり合わなかった。
特殊な性癖を持った主人公の葛藤や心理的な描写はリアルだと思ったけど、結構気持ち悪くなった。
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自分を消したいと願いながら、誰かが見つけてくれるのを待っている人たちの話。
自分のことは自分で見つけてあげなきゃ。
問題は、自分がどんなにめぐまれてるかに無自覚で、感謝する気がさらさらないってことなんだ。
いらないものを捨てたい。
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面白かったが後半にかけての失速は否めなかった。書き下ろしの「ごみの、蜜」は最後らしくいい感じに仕上がっていたが、その手前の「明日の私は私に背く」などはただの浮気性の女ではないか。異常性癖を抱える女性の内面の葛藤というテーマに劣っているように思われた。
やはり一番面白かったのは表題作。R18文学賞の存在はこれで初めて知ったが、いいものだと思った。他の受賞作も読んでみたいと思う。
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表面的には変態さんたちのおはなしだけれど、
何かにこだわり、何かに囚われる、人間らしくて素敵ではないかしら。
社会生活で表に出さなければ良い秘め事であるのだから。
作者の言葉の選び方、使い方が私はとても好き。
平明で美しいと思う。
映画は見ないと思う。
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R18文学賞受賞作。嫌悪感など全くなかった。むしろせつなさが胸いっぱいに広がった。著者、蛭田さんのデビュー作だが彼女の紡ぎ出す言葉がすんなり入ってきて、簡単な表現なのにずっしりと心に響いてくる。
5篇の作品すべての女性が社会での生きずらさを感じ「生」を感じる為に「性」へ固執する。
「自縄自縛の私」ではウェブ開発を手掛けキャリアを積み成果を挙げる傍ら「自分はもっとできる、という気持ちと、分不相応な無理をしていて、これ以上はもう不可能だ、という考えが交互におとずれた。知らず知らずのうちに、私は袋小路の奥はと進んだ。」という思いが膨らみ、自分を緊縛することでしか「生」を感じられなくなっていく。
「祈りは冷蔵庫へ」は避妊具に入った男性のそれを丁寧にフリーザーパックへ保管し、冷凍庫のプラスチックケースへ整然と収納する。そのコレクションを増やす事に自分の存在価値を見出す。
同様に食材も1週間分をきちんと下拵えし日付を記入し保存している。 「性行為」と「食事」は生きる上では同等の価値観があるという事を上手く表現していて凄い。
この小説で「東電OL殺人事件」を思い出さずにはいられなかった。
キャリア組の彼女は重要なポストに付いていて、今や問題視されている原子力発電におけるプレサーマル再利用についての危険性を唱えいたらしい。その一方で渋谷区円山町で売春行為に及んでおり、挙句、不慮の事件に巻き込まれ死に至った。
当時そのギャップからマスコミの格好のネタにされたが、彼女も女として仕事に生きる中、「自分は何者なのか」と遣る瀬無い葛藤があったのではないか?
5話全て完結系ではなく、余韻を持たせたままおわっている。「自縄自縛〜」の他の4話にも時折、自縄自縛の登場人物が顔を出すのもセンスが良い。
いやらしさを求めるならば、それなりに性描写が事細かく書かれているので「R18」としては申し分ないだろう。しかしそれよりも、女性がひとりで生きるうちに堆積した理由のわからない不安をすばらしく切なく表現している。過剰な性癖にのめり込むかどうかは些細なきっかけかもしれない。
綱渡りしながらみんな危うい所で生きているのだ、と感じる。
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誰にも言えない自分だけの秘密を持つこと。それだけで勇気づけられて、甘美で寂しくて、体は熱く濡れる。
いっけん普通だけど冴えない毎日に魔が差して、
ある日自分自身を縄で縛ることを覚えた。
肉体に食い込む縄を感じるだけでここではないどこかへ沈んでいけるような気がして、日々エスカレートしていく自縄自縛の私。
他短編。
毎日の自分がいた証拠のようなものを求めて、不特定多数の男と肉体関係を結んで、彼らの精液を集める史麻。
ラバースーツに身を包むことでうまくいかない仕事を忘れ、ゴムのにおいに締め付けられながら快楽に目覚めた清花。
一人の男との性行為だけでは物足りなくて、満たされない衝動でお見合いパーティーを物色する知世の失態。
ゴミ収集車に連れて行かれるゴミたちに疼く気持ちを覚えながら、
遠い昔に終わった恋愛と正面から向き合っていく久世。
満たされない思い、喪失を抱えながらの日々。
それがなんであるかも自分で把握できないまま、他のなにかで埋めようとする女たちの孤独と希望。
ほんとに女による女のための小説って感じ。
女装縛りの渡瀬さんどこ行っちゃったのw
男が読んではたして面白いと感じるのか、気になる。)^o^(
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自縄自縛の私…この手の趣味はないけどなんか楽しそう。SMならMなんだろうな。
祈りは冷蔵庫へ…気持ちはわからないでもないけど、卵子はコレクションしたくてもできないから不公平だな。
ラバーズ・ラバー…キャットスーツはキャッツアイに出てくるあれか。僕の理解も想像も及ばない世界観だ。
明日の私は私に背く…評価はこの作品。絡みの描写が堪えられないほど素晴らしい。おかしくなりそう。ここまで性欲をかきたてられたのは久しぶり。
ごみの、蜜…過去を捨て新しい恋が始まる。この本の中で一番前向きな作品かな。