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出会いが別れを呼ぶ。
別れは出会いを呼ぶ。
単純なことなのに、なぜか胸が熱くなった。
無意識のうちに過去の自分と重ねていたからかもしれない。
人のことを一生懸命考えているふりをしていた高校時代。
あの時読んでいたら、きっとあの結果は違っていたかも。
自分の当たり前はきっと誰の当たり前でもなくて。
自分の正義を振り翳してあの人を傷つけたあの言葉も。
幼さゆえの過ちとはいえ、今もまだ消えずに残っていて。
ふとした瞬間のフラッシュバックが恐怖を引き起こす。
直接的、間接的に関わらずとも人を傷つけた経験がある人は。
同じ過ちを繰り返したくないからこそ、臆病になる。
傷ついた2人が傷を舐め合うように見えなくもないけど。
適度な距離感が描かれていてとても気持ち良かった。
過去のトラウマは今も無意識の中に深く刻み込まれているけど。
ようやく冷静に向き合える時期がきたのかもしれない。
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とても切ない物語のはずなのに、どういうわけか、読み終ると妙になごんでしまいます。
瀬尾さんの本はいつもそうです。
そしてその雰囲気がとても好き。
「先生の明日と明後日がいい天気であることを祈っています。」
というお手紙の文章が大変気に入りました。
《所持》
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のんびりした小説だな、と思った。
あえていいなって思ったのは、
学校が海の近くっていうところ。
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『幸福な食卓』と『天国はまだ遠く』を読んで以来の瀬尾まいこさんの作品。
タイトルが気になってて、文庫になるのを待っていました。
図書館ってロマンチックではないですか。
『耳をすませば』を思い出します。
地元を離れて、国語の講師になった清(きよ)。
文芸部の顧問になり、たった一人の部員である図書館の神様、垣内くんと過ごすなかで、
不倫やら過去のトラウマやらから解き放たれる物語。
うーん。
前に読んだ2作と雰囲気が同じだった。
で、その2作とも主人公が好きじゃなかったのだけど、
今回もそんな印象でした。
読みやすいし、それなりにおもしろく、さわやか。
川端康成の鼻血の話なんか、純文学を読みたい気持ちにさせられました。
それに、高校生とは思えない落ち着きを払った垣内くんや
姉思いの優しい弟もまあまあ魅力的。
ただ、主人公がどうしてか好きな感じじゃない。
でも、リアルにステレオタイプな女性ではある。
学校の図書館に行きたくなったけれど、
行けないので、代わりに中野の図書館に行った。
文学は、いいよ。
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始めは、清の教師としての姿勢や文芸部に対する考え方に反感を持ったけれど、読む進めていくにつれ、話に引き込まれていきました。
解説にも書いてあるけれど、狎れあわない、でもどこか深くてつながっている、垣内くんと清の関係が素敵です。
そして、お話のなかに出てくる文学を、実際に読んでみたくなりました。
最後の「文学なんてみんなが好き勝手にやればいい。だけど、すごい面白いんだ」には賛同。
垣内君のノートの詩も素敵。
「雨って、昔自分が流した涙かもしれない。心が弱くなった時に、その流しておいた涙が僕達を慰めるために、雨になって僕達を濡らしているんだよ」
「先生が先生になるなんて、喜ばしく思います。先生の明日と明後日がいい天気であることを祈っています。」
―こんな手紙、もらってみたい!
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自分にはその気がなくても人を傷つけていたり、攻撃的になっていたりすることってあるのかもしれない。
自分にとって当たり前に感じることも、他人にしたら当たり前でもなんでもないこと、価値観って人それぞれだよなって思った。
つらいことがあって、それまで正しいと思ってたことが全部覆されてしまう感覚はイメージできる。つらいだろうなって。
図書館での毎日が淡々としてるけど、生きているっていうのを感じることができて、不思議に心に残る本だった。
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瀬尾さんの作品の特徴は全体があっさりした雰囲気なのに、それだけでは終わらないところ。読後、どっしり。トン、と背中を押す。すごい。
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すごく瀬尾まいこさんらしいなあと思う。好き。
日常には切なさがあって、だけどその状況を悲観するかどうかってその人によって違う。
みんな過去にはいろいろある。
それを言いふらすこともないんだろうし、
それこそ言うべき時を知っていることが正義なんだろうなあと思った。
下手に難しいことばを使わないところが好きです。
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軽やかで、元気になれる本でした。
中学校の先生である主人公が、
「本<スポーツ」と生徒の垣内君に押し付ける最初のあたりは、
個人的にはかなり腹ただしいのですが、あっさりと流す垣内君は中学生なのに大人です。
楽しく読みながら、もし主人公と垣内君が恋仲っぽくなる展開になったらいやだなあ…と心配していたのですが、杞憂でした。
むしろあっさりすぎるくらいそんなの一切なく、とても楽しく読みきることができました。
何でも恋愛にむすびつけるのではない、この距離感が好きでした。
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図書室の神様ではなく、図書館の神様であることに最初は疑問を持ちましたが、読み終えて納得しました。主に学生が行く図書室に限らず、全てのひとが文学と触れ合う図書館が選ばれたのかなと。
主人公の仕事への取組み過程が自分と重なって、今日は休日なんだけど、珍しく早く仕事に行きたいと思いました。
それにしても、垣内くんの静かで自信ある言動を見習いたい。
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毎回手にとっては
かわずに帰るという。
すきスキーワード
「図書館」ですからね
私。
読みやすいだろう
とは思います。
ちょっと主人公?の女性が
ダークサイドから
始まるんだよね?
暗いじゃないけど
ちょっと闇を持っているみたいな。
青春みたいですよ!
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タイトルに惹かれ、学生の清々しいお話かと期待して購入。主人公は学生ではなく教師でしたし、きっぱりと清々しいというわけでもなかったですが、読後感は爽やか。主人公は20代の女性。正しいことは良いことだ、と他の価値観がわからずにがむしゃらに生きてそのまま正しい主張を他人にもぶつけてきたけれど、高校生のときに正しいはずのことが正しくないかもという事件に出くわし、以来やや無気力に流され、人に甘えることの心地よさにどっぷり浸かり、それが不倫であってもまぁいいや、というように日々を過ごしています。講師として赴任した先で文芸部の顧問をあてがわれてしまい、毎日放課後図書館でたったひとりの部員(で部長)の垣内くんと差し向かいで興味もないのに文学するうちに少しずつ気持ちがほぐれてゆく、というようなお話。正しいことばかりで突き進んでいたときはアレルギーだらけで体が不調だったのにだらしなくなったら体は健康になった、というところとか、いろんなことに無頓着で無神経なところもあるようでいて底抜けに優しい弟とか、力を入れずに安心できるような、不思議な作風のお話でした。なかなか面白かったです。
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さわやかな風のよう。
読んでいて物語が染み込んでくるような気持ちよさがある。
主張大会での垣内君の
「この作文用紙には、川端康成と山本周五郎について書いてあるんだけど
そんなこと聞きたくないだろう?」
の言葉が素晴らしい。
奇跡のような言葉だと思いました。
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凄いゆる〜い感じの内容。。
ほのぼのしすぎてて、和んだ〜(笑)
弟が何か味があったー
内容的にもうちょっと変化あってもよかったのでは?
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初めての瀬尾まいこさん。
ゆったりしたお話でした。
垣内くんいい!
文芸部って興味あるなあ。
他の瀬尾さんの本も読もうとおもいます。