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08/03/01読了
ああー!そうきたのか!っていうラスト。視点を変えていろんな立場(友達・同僚・恋人とか)からの人物像を書いて、その人の多面性というか、その人そのもの、すべてみたいなものを浮かび上がらせる…ていうのが面白い。
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▼序盤も序盤だというのにもう、虫唾が走りすぎて耐えきれない展開キタコレ!! なんでこうも人間のことを最低のクズとして書けるかなあと、逆に感動してしまいます。
▼『慟哭』読んだ時も、周囲の人間が最悪過ぎて、読んでる方がストレスで円形脱毛症になりそうだったんだけど、よりディティールがグレードアップしている。うへえ。恐れ入ります。
▼やっぱり私には、子どもが虐待レイプされる話と、犬が死ぬ話とが鬼門らしいよ。中盤で無理、心が挫ける。でも何でこんなに先が気になるんだろう。
▼読了。ひどいオチだった。○○の話が出てきたところで、「絶対このバカだろ!!!」と目星がついてしまった。既に『過去形』だろうと想像しながらも、どうかそうはならないでくれと思いながら読んでいたんだけど、やっぱり落としどころってココしかないよね。クソ度胸と、世間への恨みつらみがないと、一家惨殺は無理。『愚行録』ってピッタリのタイトル。「行くなお前は戻れ!」と思っても、もうやっちゃったことの記録だってのが厳しいよ。もう少しだけ、本人込みでいろんな人が賢ければ、こんな事件は避けられたね。
▼一刻も早く、犯人、捕まってください。あと幸せになってください。ヤンデレは自重してください。貫井さん、もうちょっと幸せな展開をください(泣)。
▼小川洋子とか、辻村深月とか、伊藤計画とか、貫井徳郎とか。うお座作家の小説って、共感させて致命的ダメージを与えてくるパターンが多い。それに毎回引っかかる私も私なんだが。いやだって! 幼さを装って攻めてきやがるから!! 今月はきゃつめらのナイフで私のやさしさ袋がズタズタですよ!
(09/4/11 読了)
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うわー...重い。つーかプリズム以上にこれミステリ
とは言えないよね...。いや、別にいいんだけど。
格差社会を描いたというよりは、人間社会の
どうしても避けられない面を、淡々と書いてるような
非常に厳しく、なんとも救えない気持ちになる...よね。
どっちかっていうと、そんな事は分かってる中にも
なんか救いが欲しいよね。どうせ自分の時間を使って
物語に浸るんだから。
でもそういう感想と作品の持つパワーは別。
毒気にあてられる程の作品ではある...かも。
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インタビュー形式で様々な視点から、一組の夫婦の姿が書かれる。でも、描き出されるのは、夫婦の“愚行”だけでなく、語り手たちの“愚行”も。そのあたりは解説に詳しいので、それで過不足ないかと。
視点が様々というのは良いんだけど、書かれる側が複数あって、さらに別のストーリとして挿話が入ってるのはピントをぼかしたかなぁ、という気もする。
2009.04.13 購入@駅前の本屋
2009.04.14 読了
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貫井徳郎氏のストーリーが好きだ。
事実が淡々と積み上げられて、あたかも精密な機械じかけを見るかのように、それは必然の結末へと一気に流れ込む。
文章に妙な色気はなく、硬質でシャープ。常に計算しつくされた論理はほころびひとつない。
おそらくだから、インタビューを受ける人々のこの不愉快なおしゃべりもすべて、構築された必然なのだろう。
わかっていながらも本当に、おべんちゃらだったり自己欺瞞、自己憐憫に他者攻撃のオンパレードには正直へこむ。
そうして挟み込まれたモノローグ・・
最後の衝撃は慟哭ほどではないけれど、じわじわと積み上げられた悪意が最後に一気に落ちてくる。
腹に力をいれて読め。でないと悪意に吹き飛ばされるぞ。
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ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。確かな筆致と構成で描かれた傑作。『慟哭』『プリズム』に続く、貫井徳郎第三の衝撃。 ※人間って結局、自分の都合でしか物事を見ることができないんだろうな・・・。
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幸せな4人家族が惨殺される・・・・。
隣人・友人・会社の同僚が語るエピソードから、事件の真相が明らかになっていく。
全て、取材形式の対話方式の文章で読むのが少し面倒でした。
いったい誰が犯人か?どのように真相が描かれるのか?
最後まで読むと…なるほどって感じでした。
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◆あらすじ◆
ええ、はい。あの事件のことでしょ?───幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。
深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。
隣人、友人らが語る数多くのエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。
理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。
確かな筆致と構成で描かれた傑作。『慟哭』『プリズム』に続く、貫井徳郎第三の衝撃!
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一家惨殺の被害者たちを語る関係者たち、その証言によって被害者の人間性が浮かび上がる……
ようにもみえるけどその実語る関係者たちの視点によって、さまざまな被害者像が語られ、
そのイメージは、語る人と被害者の関係性が深まるにつれて、どんどんと崩されていく。
なんかなあ…善人っていないですよね、って感じの暗い気分になります。
そういう気分にさせてしまうところが作者の腕のすごいところだと思うけど。
ミステリの構成としてはとても面白かった。最後でああ、と腑に落ちる。
どうでもいいけどKO大学の内部事情がいやにリアルで面白かった。ほんとかどうかしらないけど。
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中身自体は普通に。
何がって、解説がつまらない。中身を意識しすぎて解説の意味がなくなっている。
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貫井徳郎の愚行録。この人の作品は以前「慟哭」というのを呼んだんですが、まあ相変わらずの救いのない話ですね。とはいえ、ストーリー展開は暗いわけではないんですが。ストーリーは、1つの殺人事件の取材をするライターがいろんな関係者にインタビューしているのがひたすら並べられるだけなのですが、なんとも不気味ですね。語られる事件の被害者のこともさることながら、インタビューされている本人が自分の\"愚行\"を何も意識せずに話している姿は人間の怖さ、おろかさがよくあらわされています。それが本当に身近にいそうな感じなのがまた怖い。各章の話はそんなに思い感じではないんですが、1冊読み終わると自分の行動を振り返って気が重くなってしまいました。とはいえ、ミステリーとしては特殊なスタイルで非常に読みやすいので一気に読んでしまいました。まあ、この作者の本は面白いことは面白いのですが、読後感があまりさわやかという感じではないので、読むときの自分の精神状態を見極める必要がありますね。
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な、なんじゃこれは!!
怖い、恐すぎる!
いつになったら犯人分かるんじゃい!って巻末も間近でヒヤヒヤしたけど、
決定的な瞬間はスローモーションでやってくる。
そしてそれはとてもとても恐ろしいものだった。
ホラー描写とかじゃないの。
怖いのはあくまで人。
犯人の家庭環境と人生そのものがありえそうなんだけど、狂いすぎててまじこわい。
最初から最後まで狂ってんの。最後の節でも狂ってんの。え、そこまで?みたいな。
すげえ。
残酷。
犯人に行き着くまでに、殺害された人と交友があった人にインタビューしていくんだけど、
語り手の被害者に対する観点や評価の相違から与えられる違和感が、私の読むスピードを速める。
結末をはやく知りたいとせかす。
おぞましい話です。
今回もネタバレ控えます。
読んでみて。
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こういう感じの話は好きです。
一家殺害事件の話と聞いていたので、もっと凄惨なものを想像していましたが、思ったより軽くて読みやすかったです。
一人ひとりの人物描写がとてもリアルで、思わず自分のことも考えてしまいました。
ただ、インタビュー形式の作品は何冊か読みましたが、ついつい有吉佐和子さんの『悪女について』と比べてしまいます。
そしてどうしても物足りなさを感じてしまうんですよね。
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トリッキーな小説だろうということはあらすじや過去の著者の小説の傾向からわかっていたし、実際に巧妙で全貌は最後まで予想できなかったけど、騙された爽快感は無かった。内容が内容なので読後感もわりと気持ち悪い。
一家惨殺事件の被害者の知人たち計六人の証言から構成されていて、読むほどに被害者夫婦の人物像が浮かび上がってくる。さらにその合間に関連性がわからない謎の女の独白が挟まれる。
異性間の駆け引き、または同姓同士の異性をめぐる駆け引きや報復行為など狡猾で汚い部分が出てきて、その中心には殺害された夫婦がそれぞれ超然として各証言者たちの人生に関わっていたことがわかる。
「被害者がどんな人間だったか」の表裏一体となって「証言者がどんな人間か」ということが上手く描き出されていて、誰もがしゃべればしゃべるほどにうっすら嫌な人間であることと、それらの合間の女の過激な独白とが相まってかなりグロテスクな小説になっている。このあたりの書き込みは上手い。
『愚行録』というタイトルが指すのは被害者夫婦の愚行のことだろうけど、敢えて一捻りするならこの小説に出てくる人間すべてを包括していることになる。別に捻る必要は無いけど。
(たぶん殺人症候群以来三年ぶりぐらいの貫井徳郎)
09.8.12
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文体は嫌いな部類だが、物語の運びがいいのかぐいぐい読めた。事件の動機あたりは個人的には弱い感じで何だかなぁだが、ちょこちょこ伏線が張ってあるのに気づくのが面白い。