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祥伝社の創立35周年記念として、
2005年に特別出版されたアンソロジー。
人気の男性作家・6名が描く恋愛作品集。
この度、刊行から丸二年が経過し…
待望の文庫化と相成りました\^○^/
早速読みました。
あっという間に読了してしまい…
待ちかねていた分、淋しさを感じてしまった。
本命というか、
本書購入者の殆どが伊坂氏目当てなのでは?
1作目に収録されている『透明ポーラーベアー』が
伊坂幸太郎氏の作品です。
もちろん私も、
多分に洩れず、伊坂幸太郎目当てだったのですが…。
参りました。
侮るなかれ、6人の作家、皆どれも素敵なお話ばかり。
恋愛小説で、いいなぁ〜と、素直に感じられたのは…
いつ以来だろう…。
ユーモアもあり、微笑ましい恋愛だったり、
とにかく、読んでいて心がウキウキ^-^
ハッピーになれる作品ばかりでした。
どの作品も、登場人物の個性が光り輝いていましたね。
白を貴重とした装丁も、明るくてポップで、爽やかなイメージ。
可愛らしい感じもまた、作品の雰囲気とぴったりでした。
「透明ポーラーベア」 伊坂幸太郎
シロクマに関する蘊蓄や、
ちょっとした小ネタが収束する形式は、
そうですね、ええ、楽しめました。
作品の中心は主人公のお姉さん。
でも、そのお姉さんは、既にいない。
なのに、これだけの存在感で影響をも与えるとは。強烈です。
伊坂氏、さすが。
見事なまでの… 絶対にありえない…
こんなステキな偶然が重なるものか…
でも、でもね、 それが、そう…
とてつもなく心地よかった。
「魔法のボタン」 石田衣良
のっけから個性キャラ登場。
失恋の痛手を癒せず悩む青年・隆介と、
根は、男性?のようなあっけらかんとした性格で、
子どものような可愛らしさがある萌枝。
そんな二人の、駆け抜けるような速さの恋愛模様は、
ただただ面白かった。
萌枝の性格・・・ 私に似てるわ。
あっ、若〜〜〜い頃の私にね。
読んでいると、飲みに行きたくてたまらなくなるよ。
「卒業写真」 市川拓司
スタバで偶然、9年ぶりに出会った同級生・渡辺くん。
彼女と渡辺くんは、
当時クラスにいたもう一人の渡辺くんの話をする。
だんだん明らかになる設定だが、
心理描写がなかなか面白可笑しかった。
彼女の視点だけで、
これだけの状況を描き出す文章力には感嘆。
しかし、作品内容は…妄想ダダ漏れっぽい感が…
無きにしも非ず。
私『今、会いにゆきます』は、好きではないの。
「百瀬、こっちを向いて」 中田永一
6編の中で一番好き。
伊坂氏目当てで購入したが、本作にKO(笑)
キャラが立ちすぎるほど魅力的なのは、
百瀬さんだった。(主人公の偽恋人役)
目立たない高校生の主人公、相原君。
あるとき、
幼馴染の先輩に頼まれ、偽装恋人の役をすることに。
憧れの先輩に頼まれたとはいえ、
なんとも不思議な三角関係に巻き込まれていく。
恋人のフリをしていて、
本当に相手のことを好きになってしまう。ってお話。
このジレンマはたまらないね〜(苦笑)
ほおずきの花言葉に、ガツンときて、
野良猫のような目で…百瀬さんにシビレました。
「突き抜けろ」 中村航
恋愛というよりも青春小説ですね。
男三人のそれぞれの成長過程を楽しめました。
一風変わった木戸に振り回され、影響されつつ、
大野と坂本が成長していく。
鍋を囲み、飲んだくれながら3人で語るシーンは、
大学時代によくある風景だなぁ〜と、
しみじみ感じました。
大野くんはあまり好きなタイプではないが…
物語の中ではいい味だしていました(笑)
「sidewalk Talk」 本多孝好
本書ラスト作にきて、
唯一の恋愛小説らしい恋愛小説ではないでしょうか。
離婚前の最後の食事をする夫婦のお話。
ナイーブな男性の描き方が実に本多氏らしい。
また、回想シーンの描き方が、上手いですね。
なんか、シャレていて、キラキラしてた。
物語はありきたりかなぁ〜と、気を抜いていたら…
ラスト!
香水をつけてきた理由…(゚ーÅ) ホロリ とさせられてしまった。
豪華メンバーの手で編み出された恋愛のアンソロジー。
読後は爽やかな気分になりました。
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恋愛とは可能性が作り出す時間である。誰にも呼ばれなかった夜に、思いを伝えられなかった夜に読むべき一冊。
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伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本多孝好によるオムニバス小説。
初めて読む作家が3人(市川拓司と、中田永一と、中村航)いたので、おもしろくなかったらどうしようと思っていたのですが、総じて、かなりおもしろかったです。
断然、印象的なのは、伊坂幸太郎の「透明ポーラーベア」。
よくよく考えると、それは笑えないだろう…っていう話なのに、なんだかふつうに、和やかな気持ちで読めるのが不思議。シロクマの毛が実は透明って、ホントなのかなぁ…?
次の、石田衣良の「魔法のボタン」は…。いつもどおりの、石田衣良の恋愛もの。性別ステレオタイプが目立ちます。
次は、市川拓司の「卒業写真」。これは結構好き。
ラストはありきたりだけど、ひとつの勘違いをとおして、コミュニケーションが進行していく、その過程がおもしろかったです。
次は、中田永一の「百瀬、こっちを向いて」。
他の話に比べると、ドロドロしてるし、ちょっと怖いんだけど、でも、結構好きです。ホオズキの花言葉なんて初めて知った…。(てか、ホオズキって、花なのか…?)
次が、中村航の「突き抜けろ」。
これは伊坂幸太郎と並んで、おもしろかったです。あたし好み。
よくわかんないまま、友達の先輩の家に通うことになって、鍋を囲んで、飲んで。よくわかんないまま、ケンカして、富士山に行って。なんだか、よくわかんないけどおもしろそうだなぁと。よくわかんないまま振り回され続けたわりに、きっと大人になっても忘れられない思い出になるんだろうなぁと。
最後は、本多孝好の「Sidewalk Talk」。
本多孝好は、まぁまぁ好きな作家です。んで、これもまぁまぁ。
ストーリーはありきたりだけれど、なんだか爽やか(本多孝好の文章は、その爽やか…というか、軽やかな感じが結構好きです)。
『I LOVE YOU』というタイトルの本の最後が離婚の話っていうのもまた、なんていうか、少し感慨深い(笑)。
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やっぱり伊坂さん最高。透明のボーラーベア。
「そんなことがあったって不思議じゃない。というよりはそんなことがあってもいいじゃないか。」
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伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・
中田永一・中村航・本多孝好 など人気男性作家陣による恋愛短編小説集です。
一番初めの伊坂幸太郎さんの「透明ポーラーベアー」と石田衣良さんの「魔法のボタン」、特にこの二つの話が気に入りました!
短編小説なので読みやすいと思います。
この中から好きな小説家さんが見つかるかもしれません!
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そういえば、短編集も恋愛小説も久しぶりに読んだ
あんまり好きじゃなかったけど、
この本に出逢って 好きになれたかな
*透明ポーラーベア 伊坂幸太郎
この独特の空気感 そしてこのテンポ
あぁ やっぱり 好きだ
恋愛小説かどうかより この世界がやみつき
*魔法のボタン 石田衣良
石田衣良ではじめて感動した
彼が彼女に感じる愛おしさが
文の端々から伝わってくる そんな素敵な話
*卒業写真 市川拓司
展開は読めてるんだけど
ひと言ひと言進むたびに
彼女の心と一緒に一喜一憂
なんてことのない平凡なんだけど
ロマンチックな話
*百瀬、こっちを向いて 中田永一
一緒にいたら恋するのは時間の問題かもしれない
恋するのに理由なんてない
*突き抜けろ 中村航
そうそう、大学生ってこうだよなぁ
ていうか、不安だからこそ恋ってよべるんじゃないのかなって思ってみたり
*Sidewalk Talk 本田孝好
環境がふたりを変えてしまったのか
それとも もともとあわないふたりだったのか
いづれにしろ それはなってみないとわからない
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六人の作家による恋愛アンソロジー。
どの作家も面白く、はずれのような作品は無いように感じました。
やはり恋愛っていいなって思いますね。
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好きな作家揃いだったので買ったけど、
一番ヒットしたのは、中田永一!
この人の作品をもっと読んでみたい。
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男性作家による恋愛小説集。どのお話も非常に面白く、ときめいたり穏やかな気持ちになれたりしました。伊坂さんの「透明ポーラーベアー」がいちばん面白かった。
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男性作家の恋愛短編小説集。
これ以上ダラダラと愛だ恋だと書くとうんざりするがちょうどよい長さの読みきりもの。
伊坂氏の作品は素敵。
でも・・男ってやっぱりけっこう引きずるんだね・・・恋(^_^;)
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面白いんだけど、短編過ぎてそれぞれの作家の作品の良さが出きってないというか。伊坂幸太郎、中田永一はそれでもそこそこ好きかも☆
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伊坂幸太郎『透明ポーラーベア』石田衣良『魔法のボタン』市川拓司『卒業写真』中田永一『百瀬、こっちを向いて』中村航『突き抜けろ』本多孝好『Sidewalk TalK』6人の作家の短編集。やっぱり伊坂ワールドは惹きつけられる!その中でも意外にヒットだったのは中田永一。初めて読む作家さんだったけど、私の地元の地名がたくさん。話の内容も面白かったし、違う作品も読んでみたいな。08.1.23読了
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どの話も雰囲気良くて素晴らしかったです。何ともいえない切なさ、ときめき、奇跡みたいな偶然の積み重ねにキュンとするのは、それがありえる奇跡なんだという自分から湧き出る実感があったからなのかもしれない。伊坂幸太郎はやっぱり良い。そしてラストの本多孝好の作品はこの本を締めくくるにふさわしい素晴らしさでした。
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短編集*
読み終わった後に心にあったかい余韻が残る感じ。
「Sidewalk Talk」がお気に入り。
◇気になる作家さん
伊坂幸太郎 石田衣良 本田孝好
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「恋愛アンソロジー」なのにどの話もみんなワンパターンじゃなくて、恋愛小説にもいろんな形があるんだなぁと感心しました。