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カテゴリはホラーにしたけどファンタジー色も強いかも。
『まつろはぬもの』の元になった中篇『風の古道』も収録されてます。
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ホラーを読んでみたいという衝動に駆られたのと、ジャケット(表紙)に惹かれたので購入。
二話収録。どちらもぎゃー!というような恐怖は無いのでちょっと拍子抜けです(ホラーの定義をそう思っていた私の勘違いなだけかもしれんです)が、
設定が幻想的で全体的に綺麗なお話です。漫画とかに向いてそう。絵が綺麗なファンタジーとかにありそう。
ただ、1話目は過去の想起が長い・・・!私は過去の話で本筋の大部分を補う話があまり好きではないので、もっと現在の時間でうまく埋まってくれたらなぁと思います。
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和風ホラーファンタジィ。設定が面白かったです。久しぶりに楽しいと思える、作者の発想。現実に微妙に寄り添いながらも現実を何処か突き抜けた世界観がある本。鬼が出たり死霊が歩いたり人浚いがいたりと、次に何が出てくるのだろうとどきどきすることも。
けれど、人によっては苦手だと思われる作品だとも思う。
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ホラーじゃねえ…もう全然ホラーじゃねえ…角川…。ファンタジーと思えばまあそれなり。でも同時収録の話もそうなんだけど、途中から本筋とはずれた違う話が展開されてテンポが悪い気もする。シリーズとかにして違う話として構成すればいいんだろうけど。これでもか的スプラッタ台頭もどうかとは思いますが、だからってトンコやら生き屏風やらこっち方面がホラーですよとか言われても困る。違う。
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大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。 《・・・「BOOK」データベースより》
「独特の雰囲気を醸し出す作家さんだなぁ」
という印象。
「第12回日本ホラー小説大賞受賞」とあったので、
“ホラー”という認識で読み始めた。
異形の者たちが出てくることからして、大きく括れば“ホラー”なのか?
私の中では、このカテは微妙だな。
どちらかと言えば、“ファンタジー”しかもやや暗めだ。
表現力や、視点は良いとは思うが、
私には合わないかなぁ・・・
この1冊で決断するには早急か?
でも、やっぱ好みじゃないんだよねぇ・・・
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文章がやさしくて好み。
ホラー?ファンタジィ?
夜市って人の名前かと思っていた。
夜開かれる妖怪たちが様々なものを売る市場。
妖しい。
兄と弟の切ない思い。
でも個人的には風の古道のほうが好き。
秋の牢獄、にも似た様な話あった気がする。
閉塞感が好きなのかな。
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素晴しいの一言!
表題作である「夜市」と「風の古道」の2篇。
ただこれだけは注意ということがある。
角川ホラー文庫ということだけど・・・ホラーではない、と思う。
ホラーというよりファンタジーとか幻想だと思う。
だから、怖さを求めて買ってしまうと確実に拍子抜けすると思われる。
ホラーという見方をしなければ本当にいい作品だった。
切なくて、やさしくて、どこか懐かしさを感じる文章。
何かが完結したり、誰かが成長したりする物語ではない。
これは生きていく中でのひとつの分岐点の物語だと思う。
不思議で切ない雰囲気なんかが好きな人は是非読んで欲しい一冊。
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弟がすごく好き。
ラストの兄と弟の邂逅がたまらない。
しかし私は同時収録の『風の古道』のほうが好きだ。
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和風ホラー。
きれいで、怖いって感じはしないのですが、どことなく怪しい空気の中に人間がいる感じ。
ホラーではなくファンタジーですね。
すぐ隣にありそうな現実に近い世界。
「夜市」も良かったが、「風の古道」の方が好きです。
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とても美しいファンタジー。表題作もいいけれど、もう一つ収録されている中篇の「風の古道」がすばらしいです。久しぶりに、すぐにでも他の作品を読んでみたいと思う作家さんに出会いました。いつまでもこの作品世界の余韻に浸っていたい。児童文学やライトノベルタッチに出来そうなストーリーなのですが、文体がすっきり洗練されていてどこか上品です。物語好きにはたまらない一冊。宮沢賢治さんの作品みたいな、みずみずしさ、静謐さ、煌きとノスタルジーの世界。
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ホラー大賞っていうからホラーかと思ったけど
これはファンタジーと言ってもいいのかも・・・
現実世界に時々沸いて出る不思議な空間「夜市」
決まった場所にあるわけではなく、誰しもが行けるわけでもない。
そこでは妖たちが色んな店を出している。
神社の境内。祭り。木々の奥に見える提灯の灯り・・・
好奇心に駆られた幼い祐司は弟と一緒に
「夜市」に紛れ込んでしまった。
そこには何でもあるけれど、子供の小遣いで買えるものはない。
そして、夜市には決められたルールがあって
一度入り込んでしまったら、買い物をしない限り
元の世界に戻る事はできない。
恐怖を感じるとしたら、この事に気づいた時かもしれない。
祐司は弟と引き換えに野球の才能を買った。
野球のエースとして活躍していた祐司だったが
罪悪感と虚無感から逃れる事はできず、弟を買い戻す決心をする。
高校時代の同級生を伴って夜市に再び足を踏み入れた祐司は
幼い頃、弟を売った店を探すのだが・・・
こういう設定だと、ある程度の結末を予想できる。
だけど、これはまるで想像が出来なかった。
結末はあまりにも切なくて、後を引きます。
良い意味で裏切られたい人にはお勧めです。
もう1編。「風の古道」も収録されています。
これがまたいいんだ!
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夜、どこかで行われている市。
フリーマーケットといえば気楽に聞えますが
そんな可愛らしいものでないものでした。
お金さえ払えば、それに見合う代価さえ払えば
『何でも』手に入れられる市。
けれど、買わなければいつまでも出られない市。
そこに連れ込んだ男性と、連れ込まれた女性。
購入段階になって、もしかして…と思いましたが
あの終了は想像できませんでした。
でも、よく考えればそんな事も言ってたな〜と。
材料としてまったく見なせずに、さらさらっと読んでしまいました。
奇妙で、不思議な話。
面白かったですw
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第12回日本ホラー小説大賞受賞作
(ホラー大賞って、まだやってたんだ…っと少々驚いた)
本の帯に「激賞」って書いてある
「激賞」=さかんに褒める(国語辞典より)
「絶賛」=この上もなく褒める(国語辞典より)
さかんに褒められるよりも、この上もなく褒められた方が…上かね?
なんぞと思いながら、この本を手に取った(笑)
神社のお祭りには、参道を利用し夜店の屋台が並ぶ
子供だった私は、右手で父親の浴衣をつかみ、左手に綿菓子とヨーヨーを持ち
頭には、鉄腕アトムのお面をかぶっていた
そろそろ帰ろうかと、夜店の並ぶ参道から一歩外れると
参道からの薄明かりに照らされた、ほの暗い闇が広がっていた
祭りから離れれば離れるほど、闇が濃くなっていく
夜店の喧騒で今まで聞こえなかった下駄の鈴が、チリンチリンと闇になじむ
前方の闇から、アコーディオンの、もの悲しい旋律が聞こえてきた
暗闇に慣れてきた目で見ると、白い着物を着た数人の男達が演奏している
戦争で片腕や片足をなくした男達が、物乞いをしているらしい
恐怖よりも好奇心の方が勝った私が、そちらへ駆け寄ろうとすると
父親の重い手が私の肩をつかんだ
「行ってはいけないよ」
その言葉の意味が解ったのは、それから数年あとである
白い着物を着た男達は、片腕や片足が戦争で失われたように見せかけ
小銭を稼いでいたのである
夜店の並んでいる明るいところにも、嘘・偽りが渦巻いていたが
夜店から外れた暗いところにある嘘・偽りには、物悲しさが漂う
っというのは、私の体験だが…(笑)
このお話の「夜市」では、
恐怖より好奇心の方が勝った少年を、止める大人が側に居なかった
しかも、少年が飛び込んでしまった「夜市」は、
人ならぬ者たちが、尋常ではない商品を扱い売る「市」であった
大きな代償を支払って、「夜市」から脱出できた少年は
その代償を取り戻すために、ふたたび「夜市」へと出かけていく
ふむ。なかなか面白い(笑)
ところで、大賞をとったこの作品「夜市」よりも、読者に評判が良いのは
一緒に収録されている「風の古道」の方である
この歳になっても、相変わらず落ち着きのない私だが
子供のころは今よりも、もっと落ち着きのない子供であった
落ち着きがないうえに、好奇心旺盛であったから、手がつけられない
町内に私の知らない道はないっと豪語してやまないほど
あちこちに入り込み、もぐりこみ、登っていた
ある日、駄菓子屋の吉田商店で買った、5円の紐付き飴を口に含み
町内の探検をしていると、紙芝居のオヤジが屋台をひいて歩いていた
ポケットを探らなくても、小遣いがないのは解っていたが
遠くからでも話の内容を見聞きすることはできるだろうと、後を付けた
飴をしゃぶりながらトボトボと後を歩いていったが
紙芝居のオヤジは、いっこうに店を開く気配がない
フっと気が付くと、私は迷子になっていた
来た道を急いで引き返したが、見知った道には出ない
紐の先の飴はもう消えていたが、
紐だけでもしゃぶっていなければ、泣き出してしまいそうで
口から垂らした紐をなびかせ、私は、見知らぬ道を走り出した
どこをどう通ったかは解らないが、空に「松の湯」の煙突が見えたので
煙突目指して塀を乗り越え、無事に家へ帰りついた
っと言うのも、私の体験なのだが…(笑)
この「風の古道」では、幼いころに体験した「迷子道」へ
もう一度、友人と二人で入り込んでしまうというお話。
ここで言う「迷子道」とは、人ではないモノ達が便利に使う道で
我等人間が普段使っている道の、ちょいと横に存在している
そこで見聞きした不思議な話が面白い
子供のころに後を付けた紙芝居のオヤジですら
迷子になって見ると「お化け」に見えた
それが、本当に人でないモノだったら・・・(笑)
どちらの作品も、皮膚に泡が立つような怖さはない
私の思い出話が読めたのなら、大丈夫。読める(笑)
風の古道は漫画の「蟲師」に世界が似ている気がする
続編が出てもおかしくないほど、シッカリとした世界が出来上がっている
どちらも面白かった。
つい…風呂で読んで、湯あたりしてしまったがな…(ハハハハハハ)
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すばらしい!アニメにしてほしい。恒川さんの世界観たまんねえ!他の本も面白い。はずれはない。
ファンタジー系好きにはオススメ。ホラーって書いてあるけど、全然怖くないよ。どっちかっていうとグロイかな。
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ホラー文庫だけど怖くはなかった。『夜市』の弟の語りに引き込まれた。『風の古道』は好き。ファンタジーとして連作して欲しいな。