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織田信長を尊敬してるんやけど、そーゆー人にはオススメです。
ちょっと信長に寄りすぎな解釈もあると思うけど、
読み物の一つとしてはまぁまぁ面白かったです。
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いちいち面白くていちいち納得させられる。特に何度も繰り返される「既得権の打破」というのは納得。ところで読んでいる自分の中には確固とした信長像が無い(よくあるうつけ像、鉄砲の重用、など教科書的なイメージしか無い)ので、この本で描かれる信長像がすんなり入ってくる(きてしまう)。これはよいことなのか悪いことなのかわからないんだけど、今後他の作者の信長描写も読んでみないと簡単に池宮信長が自分の信長像になっちゃうなーと思った。なるほど、そうやって楽しむのか。ざっと知っている以上に、信長包囲網ってのは凄いもんだっわけで、結構大変だったんだな。
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織田信長―群雄割拠する戦国の世、尾張の国に時代を凌駕する一人の天才が出現した。目を奪うきらびやかな軍装、常識を超えた鉄砲・長槍の戦術、そして足利将軍の政治的利用から破格の人材登用に至るまで、強烈な美意識と凄まじいまでの発想が、旧体制の既得権一切を破壊し、中世から近世へと歴史の扉をこじ開けてゆく。卓越した才を誇る家臣の明智光秀や木下藤吉郎の理解さえ拒み、孤高に君臨する主君信長。その心奥に潜む壮絶な精神と雄大な構想に迫る画期的歴史長編。
2009.4.23読了!
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古来より、“本能寺の変”の原因については諸説入り乱れ、定説というものが存在しない。しかしそのことが何より作家の想像力を高め、学説の噴出を触発させるのだ。それによって人々は過去を空想し、さまざまな感慨を持つ。
本作品では、これまでに百出するさまざまな説に真っ向から対立し、作家・池宮氏の学者をも唸らせる知識力を余すところなく発揮している。
これまで定説となっていた織田信長の無神論や、天才の心理。あるいは本能寺の変の原因となった諸説についても池宮氏による独自解釈がふんだんに書き込まれ、かといって、それらの説に無理はなく、読む進むにつれて変の真因へとつながっていく。さすが歴史小説界の大御所・池宮彰一郎といったところだろう。
さて、本能寺の変といえば、天下統一を目前に控えた織田信長が、美濃統一後、100万石の大大名へと成長した段階において人材不足の影響から新規登用した家臣・惟任(明智)日向守光秀によって弑逆されたという、今なお謎に満ちた事件である。その大事件の原因とは、いったい何であたのか?そして変の黒幕はいったい誰なのか?読み進めるうち、徐々に解明され、1582年6月2日払暁という「その時」へと展開してゆく。
有名な信長の言葉、「是非もなし」。そこに秘められた想いとは何であったのだろう。そもそもこの言葉自体、どういう意思の元で発せられたのか?仕方がない、無理もないという意味とは別に、是(良い)も非(悪い)も問うべきではない、という意味もある。果たしてその真相は・・・未だ闇の中である。
2004年1月/角川書店/角川文庫
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上下巻。これはもう小説ではなく、歴史の解説本です。
明智光秀と信長が出会ってから本能寺の変まで、これこれこういうことがあって、たぶんこう思ったであろう、ここではこう考えたはずだ、という書き方で、物語の態をなしていない。ところところでは物語調だが、そのあとすぐ解説する文章になってしまい、現実に引き戻される。何を書きたかったのだろう。自分の解釈を押し付けるような文章もちょっとひっかかる。
題名が「本能寺」だけに、さすがに後半になれば盛り上がってくるだろうと思い読んでいたが、そんなものはなく、本能寺の場面も本当にさらっと流して終わってしまった。
解説本としてはよく出来ているんだろうとは思うが、物語、小説としては最低ランクです。
「四十七人の刺客」が大好きなのでよけいがっかり。
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織田信長の大志(政治・宗教・芸術)に極めて野心的に思考を働かせた名作となっている。キーワードは、不世出な天才としてあらゆる既得権を根絶やしにすること。そして新しい政体を作り上げていくこと。
信長が何を考えていたか資料が残っていないためいずれの史書も推測の域を脱していないがそれに対して美意識の想像により事跡を分析明快に小説の流れを作っている。光秀を後継者にする意志が裏目に出たという結果になっているが織田信長という人物を描ききっている。
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2回目読破。
相変わらず、信長贔屓な目線が少し気になる。
しかし、読みやすくて、明智光秀・細川藤孝の視線で信長の動きが
追えるのが楽しい。
下巻ももう一度読もう。
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こういう題名の本で、主人公はもちろん明智光秀なのだけど、実際の主人公は織田信長。
上巻なので、本能寺最大の謎の「光秀の動機」はまだ分からないけど、いまのところでいうと、かなりオーソドックスな信長&光秀。
エキセントリックで美意識が高くて時代の遥か先を行っている、つまり天才の信長と、秀才の光秀。
信長の本を読みたくて手にとったのではないだけに、結果的に信長伝記を読んでしまって、ちょっとしょうもないと思っている。
好き嫌いの話だけで言うと、私は信長が嫌いだ。
歴史的人物としての信長は、好きでも嫌いでもない。だけれども、この人は物語としての手垢がつきすぎている。史実が見えない。
いや私は、史実は尊重するけど、唯一とは言わない。要は楽しめればいいのだけど、「信長に関するエキセトラ」はいまいち楽しめない。
信長は、というか、信長を書いた本は、つまらないと思う。
信長を合理的思考の持ち主として持ち上げる。その合理的思考というのは、近代合理主義だ。だからなに? って思う。
確かに軍事的には合理的だけど、フランス大革命のないナポレオンみたいなものであり、ティムールとかと大して変わらん。
むりくり社会思想全体を近代合理主義にして「300年早かった男」にしたところで、それもそれでかなり無理のあるとは思うが、それを押し切ったとしても、早かったからなんだってんだ? と思う。
物語的に言うと、つまり、読んで面白いかどうかで言うと、信長はつまらない。秀吉や家康のほうがよほど面白い。
武田信玄や上杉謙信や毛利元就は、秀吉や家康に比べると面白さが格段に落ちるが、信長ってまあそのあたりかな、と思う。でも人間的に言うと、信玄や謙信や元就のほうが面白い。
今のところ、この本もつまらない信長の再演。
端役で出てくる秀吉や家康のほうがよほど面白い。
下巻で変わるのかね。
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織田信長が美濃を取った後くらいから本能寺の変まで描かれているのですが、信長以外では明智光秀のことが多く書かれています。
信長の後を継いだのは秀吉ですが、信長がやりたかったことを必ずしも引き継いではおらず、そういう意味でも光秀が後を継いだらどうなったか?という視点も面白いですね。
光秀を後継者に、と考えると、本能寺の変の間際において、数々の光秀に関するエピソードに対する池宮さんの解釈に納得感がありました。
↓ ブログにも書いています。
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_3008.html
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解説というか説明というか見解というか何と言うかそんなモンが所々に有り、読んでて「なるほどなぁ」とは思うんですがストーリーの中で誰かのセリフとか何か違う形で表現してほしかったです。分かりやすい事は分かりやすいんですけど読んでて楽しくなかったです。 他の資料ではこう書いてるとかそんなんは書く必要が無いと思います。教科書や参考書やないねんから、何も言わずに作者自身が信じた資料で物語を作ったらええと思います。どうせ昔の事やねんからホンマか嘘か分からんねやし。
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戦国時代の歴史小説。
信長と光秀、二人の主人公の視点で進行する。上巻では稲葉城奪取後、両者の初顔合わせから長篠の戦開幕直前まで。自分の人生を「旧体制・既得権益の破壊」であると捉え、乱世を鎮める基盤作りに心血を注ぐ信長の覚悟・内面の葛藤や思考が細かく描かれている。そんな信長を警戒する光秀と惹かれている秀吉が対比的に捉えられている点も面白く感じた。
タイトルが示す通り、物語の核はこの先の下巻にあるようなので、早く続きが読みたい。
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信長と光秀の対比描写が完全に映画「アマデウス」の引き写しで失笑。「本能寺」という表題は内容と齟齬がある。
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光秀と信長との邂逅から物語の幕は開く。そして、タイトルは本能寺。おそらく光秀の目から見た信長の有りようが描かれるのだろう。個人的には賛成しかねるが、中世既得権破壊者という意味で、信長の革命性と、それに魔王的に魅かれる家臣という構図が、本作発想の基軸というべきなのだろう。ただ、其処で切り捨てられた信長の「覇王」という面、「反抗しない中世権威・権力」に対する妥協という信長の一面は、信長とを秀吉とを区分けする要素でもある。そういう意味で余りに一面的な描き方で、現実政治のリアルさを損なっている。長篠合戦開幕まで。
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本作に描かれているのは「天才」信長であり「革命児」信長である。「狂人」でもなく「魔王」でもない。
謎の多い本能寺の変については、沢山の説があるが、ここで描かれる結末は、既得権益を滅ぼそうとした天才と、それについて行けなかった、ついて行きたくなかった過去の存在とのせめぎあいの結果である。50年の人生では、あまりに革命的な考えは実現できなかった、と言うことか。
数々の歴史上の資料の真偽を検証しながら、俗に言われる信長と光秀とは違った関係が描かれている。信長最期の日の、光秀の感情の動きに多少疑問を持ってしまうが。
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岐阜を得てからの信長さんのお話。
とてもコンパクトに淀みなくお話が進んでいきます。
歴史の流れもわかりやすかったです。
このお話の信長さんは優しさと厳しさをバランスよく併せ持っており、とても懐が深く、人間味がありました。
これは惚れちゃう!
朝倉&浅井父子の髑髏杯も生と死を見つめ武士として己が今やっていることへの使命感と決意を忘れないためだったし、比叡山や伊勢長島の一向一揆殲滅も腐敗した既得権を徹底的に打ち壊して少しでも早く多くの人の幸せをかなえるためとされていました。
キレイごとで社会は納まらない。
理想を夢想するのではなく現実にするために信長さんは戦い続けていたし、謀将を持たずにすべて自分で判断しスピーディーに動くことで乱世をまとめていきました。
人に厳しくあたる分、己をより厳しく律して戦い続ける信長さん。
すごく魅力的に描かれていました。
歴史分析も人間分析もよくできた物語だと思います。
変にお色気シーンなどもなく、骨太で簡潔な物語。
今まで読んだ信長さんモノでは一番好ましい。
歴史の流れのお勉強にもなるし、人間とは~ってことも考えさせられるし…。
下巻も楽しみです!