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紙の本
赤頭巾ちゃんって、いったい誰よ
2009/07/28 23:12
18人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
珍妙な本である。そもそもタイトルの意味が不明だ。一体赤頭巾ちゃんとは一体誰のことなのか。まさか足の親指の生爪をはがした主人公の患部を踏みつけた幼い女の子のことではあるまい。それにしても最初から最後まであーでもないこーでもないと思春期の性欲の話を延々とだらだらだらだら続けておいて、最後にこの意味不明の幼子に足を踏まれて気を失いそうになりながらも「嬉しかったんだよ」とはどういう展開か。それにだ。どうみてもこの主人公の薫くんはドーテイだ。ドーテイなら、さっさとソープでもデリヘルでもなんでもいいからとっととケイケンしちまって、そこから女遍歴の旅のスタートを切ればいいのに、じれったい話が延々と続く。まあ、この時代には、まだAIDSもなかったわけだし、もっとボーケンしてもよかったのではないか。それにさあ、おっぱい丸出しのノーブラのお姉さんが、いきなり股間に顔をうずめて寝入るという設定も非現実的で意味不明。要するに徹頭徹尾本書は駄作であり愚作だ。こんなものを評価できるのは、こんなものをありがたがるのは、「同世代」の連中をおいて他になり。東大安田講堂だの浅間山荘だの三島由紀夫割腹自殺だのと聞くと、妙に息遣いがあらくなるゼンキョートー世代のおっさんたちしかいない。おい、そこのおっさん。そろそろ迷わず成仏てくれよ。金日成生誕150年を祝うキタチョーセンじゃあるまいし、いいかげん1968年を懐かしがるのはやめてくれ。ウザイから。そういえば、ベルリンの壁が崩壊し、東欧諸国が雪崩をうって新自由主義国家に変貌している過程で、チェコで面白いことをやっているやつがいた。「1968」と書いたプラカードを掲げているんだが「68」が回転する円盤に書いてあって、そこをくるくる回すと「68」が「89」になるという寸法。1968年の「プラハの春」はソ連の戦車によって蹂躙されたが1989年のビロード革命時にはソ連は手も足も出ず、ついに我々は新自由主義という自由を得たというわけだ。薫くん、こういうユーモアとゆとりを君ももったらどうだ。そういえば、薫くん。風の便りで聞いたけど、君、髪結いの亭主を20年も続けているのに飽きたのか、自宅担保に莫大な借金して株にのめりこんで、それがバブル崩壊で大暴落して大変な目にあったんだって。一家をあげての獅子奮迅の大奮闘で何とか借金は返したみたいだけど、何で仕事もせずに相場師崩れみたいなことをやったんだい。「人類全体の救済を考え」た、あの頃の君はどこへいったんだい。ま、どうせきみは、あのいやったらしい薄笑いを浮かべながら、明確な返事もせずにその場をとりつくろうつもりなんどゆけどさ。へん。
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