紙の本
人と人とをつなぐ通訳者、その裏と表!?
2003/10/02 02:29
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
このエッセイ集によると、同時通訳者は、通訳のときに言葉遊びや、掛詞、駄洒落を訳すのに四苦八苦し、苦しめられているクセに、なぜか駄洒落好きが多いのだだとか。
名通訳者の中には駄洒落の達人が多い、ということで、シモネッタ・ドッジ、ガセネッタ・ダジャーレで漫才コンビを組んで、一儲けできないものか…というようなあたりから、この本のタイトルがついたのでした。
通訳者ならでは、という駄洒落がたくさん登場し、思わず笑ってしまうようなエッセイが次々に登場します。
もともと、タイトルと、拾い読みした内容が面白かったので読み始めたこのエッセイ集ですが、読み終わってみると、印象に残っているのは「通訳者ならではの視点から眺めた日本語」「世界の中の日本」について、などでした。
米原さんご自身、小・中学校時代をプラハのソビエト学校で学ばれたそうで、日本に戻った時に、漢字を覚えるのに苦労されたとか。
世界のさまざまな国の、さまざまな言葉の中でも、日本語は文字の多さでは群を抜いていて「なぜ、こんなにたくさんの文字を覚えなければいけないのか」という疑問を持たれたことや、また反対に、日本語の文章は漢字が意味を持っているおかげで、一度覚えてしまえば断然早く読める、というようなことも、書かれています。
その国にしか存在しない言葉というのは、普段の生活の中ではあまり意識しないものですが、そういう日本語ならではの単語やことわざは、日本ならではの考え方や、日本人ならではの感じ方と通じているのだなあ…と、読みながらしみじみと感じました。
また、言葉は通じてこそ花、というか…どんなに美しく、正しい言葉も、相手の心に届かなければ意味を成さないのだ、ということ。
ある意味あたりまえなんだけれど、原点ですよね。
小・中学校時代を外国で暮らし「人間は、他者との意思疎通を求めてやまない動物なのだ」ということを身をもって体験された米原さん。
「両者の意思疎通は、わたしがいて初めて成立している」という誇りを持って、これからも人と人との掛け橋として、世界をつないで行って下さいね。
初出『うたたね日記』
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素敵なあだ名の由来がようやくわかりました。本としては、もしかして寄せ集め?ちょっとバラバラ感あり。それにしてもロシア市民の文化程度の高さがうらやましい・・・
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名訳と迷訳は紙一重。言語をめぐる爆笑エッセイ
ガセネタも下ネタも、ついでにウラネッタも満載!! ロシア語同時通訳の第一人者が綴る、大マジメな国際会議の実に喜劇的な舞台裏
一つのお話が短くて、あんまり読む時間がないときにさらっと読めて、おもしろい☆
でも、いろんな人の感想を見ると他の作品のほうがよさそう。
他も読んでみるかな。
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最初の数ページを読んで、通訳やそれにまつわるバカ話をまとめてあるのかと思いきや、意外とまじめなお話も多くて変な方向に肩透かしを食らいました。興味深いエピソードは多いけど、冒頭の「金正日が好きな食べ物は何? 正解はサンドイッチ。ハムハサムニダ!」というノリを期待してるとちょっと疲れるかも。
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ロシア語通訳だった米原さんの文化学的視点も織り交ぜて書かれた爆笑エッセイ私的代表作。個人的ツボな合言葉は「おお!麻婆豆腐!!」。
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05/09/17読了。
自分がロシアについて何も知らなかったことを痛感。アメリカ一辺倒の日本文化を悪いとは思わないが、よそにも目を向けるのは重要なことだ。
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ロシア語通訳という複数の言葉を操れる方ならではなのか、日本語で読んでいるのにワールドワイドな言葉についての飛んだお話し。
たぶん学者が書いたら頭が痛くなるような話を、お腹を抱えて笑いながら、ワクワクしながら読める。
幼少時代に日本を離れていた影響か、微妙な外来語をきっちり漢字で表してくれるので意味が逆に分かりやすかったりする。
ぁー日本語って、言葉ってこんなに素敵に使えるんだと思った一冊。
この本を読んで機転の利いた言葉を使えるようになれるといいんだけど。。。
2005年10月
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言語は思考をつくり思考はにんげんを作る。
日常の言葉使いとか、毎日の会話から、こどもは人として形作られていくのだな。
なんてことが書いてあるわけじゃないのだが、きれいな日本語じゃなくても伝えたいことを伝える言葉で、こどもたちと会話をしなければ。
もーとか、はやくしなさいとかばっかじゃなくて。
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ロシア語通訳者の米原万里さんのエッセイ集。構成は「シェフからのご挨拶」「食前酒」「前菜」「第一の皿」「白ワイン」「第二の皿」「ロシア風サラダ」「赤ワイン」「チーズ」「デザート」「コーヒー」「食後酒」
どんなガセネタと下ネタが出てくるんだろうと期待していましたが、まあ、期待はずれ。米原さんの読み物の中では珍しく面白くなかった。というのも、ほかの本で紹介されているような内容が多くて、半分くらいは知っている話だったから。2006.4.5読了
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ロシア語通訳のおばさんのエッセイ。アマゾンのカスタマーレビューでも評判が悪い作品みたいで、「ぶっ飛び具合は岸本佐知子より上」という過度な期待を持って読んだ俺にとっては全然ダメだったわけで。この人かなり頭いいし面白そうな感じするけど、ちょっとこのエッセイ集は今ひとつだったな。
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ロシア語通訳の重鎮である米原万里さんのエッセイ。通訳という職業についてや、言葉に対するこだわりなどが満載です。言葉を職業にする端くれとして、とても面白く読めました。
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効率性と利便性を追求すると「英語一辺倒」になってしまう?
日本語で得られる情報は氷山のほんの一角?
うーん、面白い。脳みそショートケーキ。
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ロシア語通訳者の作者が、実体験をもとに通訳業の大変さをおもしろおかしく書いた本。語学が大の苦手な私も、単純に楽しめた。同時通訳中にダジャレを言われた時の苦労などがあり、なるほどーと感心させられるポイントがしばしば。。。確かにダジャレってその言語でしか通用しないもんね。
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ロシア語通訳のエッセイ。元々翻訳家とか通訳の仕事ってのは僕はユーモアにあふれている感じがする。外国語を日本語に変換する、というのは小さなエラーなんかは多々あるし、土台、違う文化・言語だからね。
そういえば面白かったのは、日本語でも失敗したときとかうまく行かないときとかは「クソッ」って言う。英語でも「Sh*t」、ロシア語でもそうだそうです。集合的無意識ってやつですかね。
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日本語って、カタカナひらがな漢字の学習に、少なくとも6年はかかってる。これは最初の一年で文字習得完了するアルファベット圏に比べてものすごい時間のロス!!
と思ったら、日本語ってすごい速読に適した言語なんだって。つまり、読んだ者勝ち。読んで読んで、五年の差を埋めてやろうと発奮できる本。面白い。