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紙の本
電車で出会った人々が織りなす人間模様…着眼点はとても良い、のだけれど。
2011/04/19 22:51
14人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:道楽猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
阪急今津線は、あのあたりに住んでいる私にとって、これまでに何度も利用したことがある馴染深い路線である。
とはいえ私は今は阪急ではなく阪神沿線に住んでいるのだが、下町のニオイがぷんぷんしている阪神とは違い、阪急は、山の手を走っているだけあってどことなく落ち着いていて、ちょっと高級感がある。
電車の色や内装も、同じくおっとりした感じ。
なので、感情的になる画面が非常に多く描かれるこの物語の登場人物たちは、私には"阪急を使う人"としてはかなり違和感があった。
あんなに感情をむき出しにしているような場面は、少なくとも私は阪急電車内では見たことがない。
阪神電車ではしょっちゅう見かけるが(苦笑)。
結果として、非常に残念なことに、阪急らしさが微塵も感じられない。
唯一「小林駅」だけが、"らしさ"を醸し出してはいたが。
これって、舞台は別に阪急今津線じゃなくてもいいのでは…
というのがいちばん初めに感じたこと。
結構致命的欠陥ではなかろうか。
まぁそれは、単なる私見であり、私にとっては致命的でもお話自体が面白けりゃ別に文句はない。
実はこの本は2度読んだ。
最初に読んだとき、
「面白くなくもない。しかし何か引っかかる。」
という漠然とした違和感があり、そこには単に阪急らしくないからという言葉だけでは済まされないナニモノかが潜んでいる気がしたのだが、上手く言葉に出来ずそのままになっていた。なので感想も書かなかった。
書けばなにやら「この外道めが」とよってたかって袋叩きにされそうでちょっと怖かったというのもある。
それぐらい正論に満ちたお話なのだもの。
それが、この小説がこのたび映画化されるとのことで何やかやと話題にのぼり、ムスメが「面白かったよねー」と話しかけてきたので「うーんそうかな」と応じたところから、色々考察するに至った。
で、もう一度読んでみた。
別にほっこりもしないし心にも沁みない私って…。
どんだけヨゴレてるんだ?
というかね、正しくありたい、という気持ちはとっても良いとおもうんだ。
だけどそれって、人の道に外れたことをすると他人から白い目で見られるからそうありたいと思うもの?
なんだかね、この物語の登場人物たちって、どいつもこいつも「人が見たらどう思うか」ってそればっかり。
私は電車の中でヒマなとき、しょっちゅう妄想をする。
前に座った人を主人公に見立てて色々楽しいストーリーを組み立てて心の中で一人でにやりとしたりする。
(文章にするとかなりアブナイな…)
でもそれは妄想だからこそ面白おかしいのだ。そこに重い現実を持ち込んじゃいかんのだ。
このお話は、妄想にしてはやたらと現実的なお話のクセして人物がステロタイプで薄っぺらい。
一方向からのみ見ているのだから仕方ないけど、「こちら側にいる人」はみんな善人で「あちら側にいる人」はみんな悪人なのかい?
会ったばかりの婆さんに「くだらない男ね」と切って捨てられた男にも、色々言い分はあるだろうに。
確かにね、赤の他人のたった一言で救われたり変われたりって、それはあると思う。そこは認める。
だけど、世の中見えている部分が全てじゃないし、私だったら、ひと目会っただけの人のことをそこまで悪く言う相手の言葉を取り入れたりしない。ていうか、相手のオンナだって見かけに踊らされた、かなり安い人間じゃないか。
いやいや、これはきっとひっかけなのだ。まだ後半があるじゃないか。折り返しでは、たぶん立場を逆転した新しい展開があるに違いない
…と期待していたんだけどね。
折り返しは、前半の人物たちのその後が描かれるのみ。
うーん…なんともはや…。
というのが、再読後の感想。初読時のもやもやの原因がはっきりしたのみ。
人間って、そんな薄いものなのかい?
電車で出会った人々が織りなす人間模様、という着眼点はとても良いのだけど、それならば人物にもう少し深みがほしかった。
最後に、苦言ついでに苦情をば。
阪急今津線は、今津が終点なんだけど?
確かに西宮北口でいったん途切れるけれども、今津線というぐらいなんだから、きっちり阪神国道と今津も書いてほしかったなー。
電子書籍
構成と短編は面白いのに、会話の関西弁がヘタで、そこを読むのが苦痛
2017/11/30 13:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全般的に会話の関西弁がヘタ。また、ファイル形式がXMDF形式で読みづらい。短編でストーリーとキャラクターを重ねていく方法は面白かった。ストーリーは若干ご都合主義的で、キャラも下手な役者のようだったが、いくつか空気感を楽しめる短編はあった。映像向きかも。