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本書は幻の名書と言ってもいいだろう。著者は大前氏である。実は本書、アメリカで先に
出され、それが逆輸入という形で邦訳されて日本に入ってきた。しかも、大前氏が邦訳
したのではなく、他者が行っている。異例過ぎるだろう(笑)
(大前研一氏の経歴は省く)
内容は、企業参謀をもう少しかみ砕いて焼き直したって感じに近いだろう。
しかし、それでも多くの示唆を得られると思う。本書には多くのエッセンスが凝縮され
何が一番大切で、何が使えるか。その選別は極めて難しいと言わざるえない。
だが、個人的は、
1,全てを要素、要素に分解し明らかにする。そして有利になるように再構築する。
2.正しい設問を行う事がいかに重要か。
3.分析という手段と柔軟な頭脳の組み合わせたものが戦略的思考
以上の3つである。
言葉では、こうも簡単に書けてしまうが実践は本当に難しい。
特に、2は出来ているだろうか?果たして”正しい”とは誰が判断するのか?どれが
正しくて、正しくないのかの基準はあるのか?など疑問が浮かばないでもない。
しかし、大前氏の数多くの著作を読むと、正しい質問とは、
1.『Yes or No』で答えられる質問をする事
これに尽きる。つまり、〜はどうであるべきか?〜は何をすべきか?等は愚問になる。
〜するべきか、しないべきか。原因は〜なのか、そうでないのか。これがポイントと
なる。
これ、実は他のコンサルの方も述べている。
もちろん、いきなり二者選択は出来ない。色々な仮説をまず考えるだろう。
しかし、その後は上記のような考え方で深く掘っていく事となる。
これが大切
そして、これら以外にも多くの示唆が得られる内容となっているためぜひお薦めする。
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やっぱり、大前研一氏はスゴイ。
広範囲に渡る業界の情報を
しっかりと分析、整理して、とるべき方策まで展開してしまう。
このアウトプットがでるまでの、大前氏のインプット/プロセスを知りたいものだ。
確かに、思考術といった類の本も書かれているが、
イマイチ、見えない、という感は否めない。
後半に戦後から高度成長期時代の日本の躍進について書かれた章があるが、
大前氏の論調から、日本を誇っていたことが伺える。
そう考えると、最近の大前氏の本での日本への警鐘が頷けるような気がする。
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読み終わったが、消化不良を起こしている一冊です。
ただ、エッセンスとして非常にタメになったことは確実と思う。
何度も読んで、内容を自身の言葉で話せるようにしたい。
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大前さんは古い本の方が面白い(最近の本はレポート系か日本を憂いているものが多い。)
戦略とは何かという話がメインだが、随所におっと思わせる面白い考察がある。
BCGのPPMの批判は面白い。
多角化を目指す企業にとって"負け犬"にあたる事業は縮小、撤退をするというのは有名な話だが、これって財務的な観点からの話であって、全体の事業における影響というものが考慮されておらず、多角化企業とは言えない選択となりうる。
単なる事業の寄せ集めの"コングロマリット"と事業間シナジーがある"多角化事業"の違いについて考えさせられた。
自分は最近、異業種参入に興味がある(化学メーカー、医療機器メーカーが製薬に参入など)
合併によるコストという観点からのシナジーは生まれても、事業間の境界でこれまで交わることのなかったものが交わることで新しい事業を開始するのは思っている以上に難しい。
単なる事業の寄せ集めではなく、それらが相互作用して新しい扉を開く開拓人になるためには何が必要なのか…。
しばらく考えたい。
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「いま読んでる」と言うのは何度読み返しても得るものがある、という意味において。
原文は1983年頃のアメリカの経営者向けのものであり、1970年代~1980年代の日本企業全体のビジネスモデルを紹介した内容を、逆輸入として日本語版に訳したという代物。
従って例示される成功事例は過去の遺物(執筆時点で古いものもある)だらけだし、そもそもバブル崩壊前の定年退職が成立していた頃の日本企業の紹介になる。
が、バブル崩壊後に「社内に30代がいないので中堅がいない」とか「派遣ばかりで企業体力が落ちた」など、「昔の日本は良かった」と語られる古来の今頃になって言われている日本企業の強みが語られていて平成の現在においても学ぶところが多い。
そもそも、本書が取り上げている日本企業のビジネスモデルや事例、「戦略的思想」として紹介されているものは、ブランド力も資本力も十分で無かった頃の弱小の日本企業の成長ストーリーであって、多国籍化した今の日本企業ではない。
例を挙げると、カシオの電卓は、電卓がチープ化することをカシオ自身が予見し、自らが率先して商品の価格を下げ手ごろなものに自らが改良していったパターンが掲載されている。
カシオは他社にシェアやブランドを取られる前に自らがチープ化を進めることで「今から参入しても薄利多売だな」と競合を排除するようにしたという今のソフトウェア開発やハードウェア開発が陥った失敗(チープ化を恐れたが為に主導権を奪われる)を太古の昔に警告している。
新規事業、既存事業の改革、競合他社との戦争、経営で直面する数々の問題に大して「基本原則の兵法」を本書は非常に解り易くストレートに述べている。
部下を持つ立場、自社を改革したいと願っている人は必ず読むべきと断言できる優れた本。
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3Cがあればなんとかなる、フレームワークを1つ選ぶとすれば3C
と思っている私。
「3Cは大前研一氏がストラテジックマインドで提示」という記事を読んで思わず手を伸ばす。
企業参謀の講演内容を英訳したものを日本に逆輸入(翻訳)した本。
3CやKSFの切り口は参考になるかも。
しかし、ちょっと流してしまった。もう1度読むか。
また、最後の(高度成長期の)日本企業の強みの分析は参考になる。
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The mind of the strategist ―
http://www.shinchosha.co.jp/
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戦略参謀には、分析力に立脚する洞察力では足りず、直感や感性をはじめとしたアートの力が求められる。そして、それらは育むことが出来るという趣旨。理屈は無いが賛成。しかし、後者の力が何なのか著者は綴ったようだが、イマイチぴんとこない。
会社の先輩と話したセンスとやらが、当てはまるのだろうか。センスがあるの意味は、KFSを押さえられると同義と思っていたが、それだけでは不足のようだ。しかし、KFSがポイントになっている気がしてならなく、新たなKFSを創り出してしまう等もセンスに繋がる様に思える。
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立派な事業戦略は、厳密な分析よりも、特定の意識、心象から生まれるものだ
"戦略家の意識、心象"とも呼ぶべき心的状態のなかでは、洞察力とそれに伴う達成意欲、ときには使命感にも通じる意欲が推進力となって、思考作用を開花させる。これは基本的には合理性よりも、むしろ創造性と直感に基づく思考である。
分析は戦略的な思考の出発点である。分析無くして、戦略的思考はありえない。
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今なお変わらない普遍的な戦略が素晴らしい!
この本は1984年に執筆されてから、すでに30年以上も経過しているが、今なお変わらない普遍的な考え方とフレームワークが満載である。
企業の改革部門に配属され、改めて読んだが見るたびに発見がある。これからも間違いなく再読する本。