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前半は桶狭間に至る今川義元の野望と信玄の画策、後半は川中島の決戦。最初のうち姿を見せなかった勘助は、何と4年も越後を探るために鉄砲商人をしていたという設定にびっくり。なるほど、そういったエピソードの元があるんですね。北条はなかなかしぶとく、謙信も手こずるのね。作者がもと気象庁勤務で山岳小説作家なのが生きていて、信濃の描写が生き生きしています。後半、海津城を建てるあたり、ここまで来たかという感慨〜でも川中島で勘助は死んじゃう…大河ドラマのほうはここまでなのか?(「風林火山」は確かにその辺までです)
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理系の書いた川中島の戦い。
正直、「人間」の描き方は薄い。
上杉謙信は不必要に貶され、信虎はひどい父親で、
信玄からも熱い信念や、人間らしさが伝わって来ない。
この辺、「天と地と」と比べてしまうと厳しい。
だが、この小説の魅力はそこでは無く、
物語のロジックの組み立て方にある。
「信玄が信州を狙うのは米を手に入れるためである。」
「金山が枯渇したので、今川領を手に入れたい。」
「雨が桶狭間の戦いの勝敗を決した」などなど。
そういう観点で小説を楽しみ人にとっては、
この小説は面白い小説なのでは無いだろうか。
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川中島の戦い、桶狭間の戦いも明瞭に書かれてる。
山本勘助の活躍ぶりに感動。戦国の人達は、身体が強かったように感じる。
上杉謙信の毘沙門天も出てくる。
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晴信から信玄へ。景虎から政虎へ。
川中島でもついに衝突する時代に。先を先を見ていく眼が私にも欲しい・・・
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第4次川中島決戦まで進みました.
桶狭間の戦いなども含めて,策謀家としての信玄が凄みを増してきています.
大河ドラマ「風林火山」はこの巻までの時代で終わったので,この先は私はよく知らない信玄の話になります.
なので,楽しみに読み進めていこうと思います.
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再読2020.6.26~
2020.7.19完了
武田家の隆盛の時期を多く迎える。
三国同盟、義元上洛、川中島…
これらの年月を20年近くかけて成る武田家。
織田家の歩み寄りが垣間見えてくるが、その織田家との成長のスピードは歴然としている。
やはり差は大きかったよう。
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川中島の戦いまで描く。
1巻目までは信玄の超人的な部分が描かれることが多かったが(電撃作戦を考案するなど、信濃と諏訪で侵略の方法が大きく違ったりなど)、だいぶ慎重な性格として描写されるようになった。
そして山本勘助と織田信長が邂逅。あの描写には少し驚いた。信長を暗殺しようとした踊子が信長の部下だったとか普通は考えはしない
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桶狭間に山本勘助が絡んでいたんだと感心。謙信との長期に亘る川中島の戦いも始まる。晴信は信玄に。風格が出てきたねえ~
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(*01)
エロスとタナトスとを備えた戦国考証文学(*02)と言えるだろうか。雑誌への100回にわたる掲載という関係もあってお色気路線への脱線が見え隠れする。これは脱線というだけでなく、タナトスである戦場描写とのバランスとしても読み物に必須であったとことと思う。
(*02)
文学であれば一人称(*03)から三人称で済ませるものが、考証パートとして、甲陽軍鑑ほかの史料の引用や検証が文内でなされ、著者の考察も射し込まれている点に文芸の新しさを感じさせる。
(*03)
この著作に描かれたのは近代人としての信玄とその近代性であった。戦略戦法、経営、愛憎において中世的でない刷新者や先進者としての人物像を描き、病魔と野望の桎梏に喘ぐ人間像を結んでいる。その視角や文体が既に近代である。かつての戦記が描いた英雄像を還元し、必ずしも英雄的でないが様々にとびきり優れた人物と手腕として描ききったところに著者自身(*04)の近代的な史観が投影されている。
(*04)
多くの読者から指摘されるように、川中島、桶狭間、三方が原などの有名な合戦に、気象的な要因を読み込むのはこの著者特有のものであろう。また、情報収集や情報操作、血族による婚姻や人質による戦略的な人事、鉱山経営、攻城における工兵や兵站など、経営規模拡大のための諸々も描かれている点で、近代的な読みにも対応したリアリティも付加している。
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「林」の巻だが、桶狭間の戦い・川中島の戦い、と大きな二つの合戦が描かれており戦闘シーンが多い。四巻の中でもっとも動きのある巻。
桶狭間に信玄の戦略が絡んでいる、というのは史実としてどうなのかわかりませんが、信長の奇襲成功の裏にある一つの推測としては面白いのかも。
川中島は思ったより、あっさり描かれている。
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桶狭間や川中島が描かれる巻。
強さというのは、視野の広さと他者への共感力、それに伴う実行力なんだなと思う。
文庫本の後ろに桶狭間、川中島の動きがわかる図があるのに、読み終わってから気づいた……
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上杉謙信との闘いで双方の衝突がメイン。
女たらしだった信玄の男らしい決断と生き方にため息の連続
成長を見守るような感じで読んでいたけど他の小説と並行して読んでいたのでやたらに〜した。の連続で読みづらさが出てきて、速度が遅くなる。
作者によって文章が違うと校閲している人は大変なのかなぁ❓と最近読んだ本まで頭に浮かんできて川中島の戦いが霞んでしまった。。。
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天才的な智略によって、信濃の国を平定した信玄の野望は、あくまでも京都に上って天下に号令することである。同じ野望の今川義元がまず上洛の軍を起すが、桶狭間の戦いで織田信長にはばまれる。信玄を牽制するのは越後の上杉謙信である。信玄はいまや謙信と宿命の対決を迎えようとしている。著者会心の歴史小説第二巻。
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新田次郎が描く武田信玄、全4巻のうち第2巻です。長い!(笑
ついに武田晴信が武田信玄になり、桶狭間の戦いや川中島の戦い(第4次)といった大イベントも出てきます。
新田次郎が描く「天才(上杉)」を迎え撃つ「秀才(武田)」の図なのですが、どちらもメッチャ頭が良くて「昔の戦国武将って、こんなに優秀だったのか!」と思うくらいです(笑
ただ戦のことばかりを考えるのではなく、一国の主として必要な兵站、諜報、外交、鉱山開発、商業から民心に至るまで、幅広い要素が盛り込まれているのが歴史小説でありながら面白いところ。
しかも、純粋なフィクションとは違ってそういった要素を入れるのにはひとつひとつ時代考証が必要な訳で。この制約の中でこういった作品を作り上げる著者の胆力、凄いなぁと感じました。
信長が出てきたくだりもスパイス的に作用していて、長いけど読み飽きずに読了できました。さて、あと2巻!
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本巻のメインは川中島の合戦(それから大きな事件として桶狭間の戦い)。
「風」とは違い、信玄は正に“名将”として描かれている。
川中島の合戦で最も大規模な戦闘が繰り広げられた第四次合戦で本巻は終わるが、物語はまだ半分である。
そして後の“義信事件”を示唆するトラブルも終盤に出てくる。