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元々関心のあった在日コリアンの話。
それを、2人のサッカー選手を通して考えることのできる本。
等身大のふたりだからこそ、より身近に在日コリアンたちの立場や心境、葛藤を感じることができた。
覚悟したものだけが打てるシュート。
アジアカップ決勝での李忠成のゴールを思い出し、胸がいっぱいになった。
これからも、ふたりを応援していきたい。
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2011年12月12日購入小林
李忠成、鄭大世二人の在日ストライカーのナショナリズムであったり在日社会を取り巻く現状今の日本人に薄れた愛国心について考えさせられる1冊でした。
2012.1.9 湖浜善也
それぞれの生い立ちからストリーが展開され、環境や代表の選択もプレースタイルもまるで違う二人のFW。 ストーリーの展開も面白く、熱い気持ちが伝わる本でした。 特に李の「新日本人」という言葉に様々な決意が込められていると感じました。 何しろ良かったです。
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同じ「在日」という境遇の中育った李忠成と鄭大世がなぜ違う道を選んだのか。
3年以上2人を追いかけた2人の記者が綴った軌跡本。
サッカー選手の本はたくさん出てるがその中でも読んでみたかった1冊。
1人ひとりのサッカー選手としての人生を描いた本としてはとても感動した。
最後の北朝鮮サポーターから李忠成に大きな拍手が起こり、日本サポーターからは「チョンテセーー」と大きな声が上がった、という部分。
なぜか涙が出そうになった。
時代は進んでいき人々の認識も変わっていく。
そんなことを感じた本だった。
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李忠成と鄭大世。
わかってる人には当たり前のことだが、「り・ただなり」と「チョン・テセ」と読む。
ともに在日であり、サッカーの国家代表ストライカー。
ただ、忠成は帰化して「日本代表」になる道を選んだ。テセは「北朝鮮代表」である。
という二人に密着したドキュメント。
サッカー好き、という立場から読み始めたんだけど、内容としては「在日」の話。
在日って言われても、もちろん知ってはいるものの正直ピンとこなかったが、読んでいろいろと感じるところがあった。
何とも特殊な環境で、普通の日本人では体験できないような苦労の多い立場である。
ってわかったようなことあんまり言うべきじゃないんだろうけど、読む前よりはずいぶんいろんなことがわかった。
日本国内ではアウトサイダー。悪意がある場合もない場合もあるだろうが、差別されがちな立場として生きている。
一方で、在日は本国でもやはりアウトサイダーなのであった。
それが転じて、という部分もあるのだろうが、在日同士の絆、信頼関係は極めて強いという。
幸せなことなのかよくわからないが、すごく独特な存在で、特異な体験をしてきているのだろう。
二人の青年は爽やかで好漢だし、その決意や感情の動きに揺さぶられて感動もするし、とても良い話である。
個人的には、「李という名字を名乗ったまま日本に帰化し、在日の新しい生き方を後輩たちに示す」という忠成の決意に惚れた。
テセの純粋さもすごく魅力的だし、読めば二人とも好きになって応援したくなる。
サッカーに興味がない人にもお奨め。
そもそも僕もサッカーを全然わからない母親が「読んで面白かった」と言うから読みだした。
母親は僕に貸してくれたつもりかもしれないが、返すつもりはない。このまま借りパクする予定である。