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PhysicsWorld誌の企画からはじまった「10大実験」をまとめた本。実験自体はとても有名だけれど、そこにある人間ドラマの部分は実はあまり紹介されないので、読んでいて新鮮。図版もきれいで(でももっと多いともっとうれしかった)よいと思います。
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我が瓢箪頭では「美しい」の理解度は一つ星(★)レベル。しかし、ガリレオのピサの斜塔伝説、ニュートンのプリズム実験、キャヴェンディッシュの地球の重さの測定、フーコーの地球の自転を見る実験には、大いに心が躍った。
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有名な科学法則の実験方法、エピソードをまとめた本。
シンプルなモデルづくりはいつでもどこでも有効だ。科学と哲学と歴史をもっと勉強したくなるよ。
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物理学誌の読者投票で選ばれた10個の実験がいきいきと説明されているそうだ。
エラトステネスの地球の外周の長さを求める実験
ガリレオがピサの斜塔で落下の法則を確認した実験
ガリレオが慣性の法則を確認した実験
ニュートンがプリズムで確認した光の分散の実験
キャヴェンディッシュの万有引力定数を求める実験
ヤングの光の干渉に関する実験
フーコーの振り子による地球自転を確認する実験
ミリカンが電気素量を求めた油滴実験
ラザフォードが原子核を発見したα線の散乱実験
ファインマンの量子力学に関する2重スリットの思考実験
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実験するのが退屈で苦痛になった全ての理系の学生に、実験の深さを思い出させてくれるであろう本。
科学を見るのには論理性と正当性、他方には政治や利権、金という側面がある。そして『美しさ』を味わうならば、今までにはあまり注目されなかった人の心を揺さぶる側面があるという。これを読んで、科学万能主義だった高校生の頃を思い出した。
科学における『美』とは何なのか?芸術や音楽と同じように、科学にも『美』は存在するのか?
この世界の全てが人間の目に露になる日は永遠に来ず、人は歴史的、文化的に受け継がれてきた仮説を通して世界を見る。そうした仮設はこの世界の一部を露にもすれば隠しもする。だがその一方で、人は美しいといえるものに出会い、その美が混乱と無知の中から我々を連れ出してくれる。美は絶えず上方に我々を導く段階のようなものだ。段階と推移とは、常に我々を一箇所から別の場所に移動させる、この世界における人間の居場所は常に一つに固定されているのではなく、移り変わるものなのだ。そして自らを上昇させるとき、我々は自分と世界との関係を一層緊密にし、そうすることで一層人間的になる。それゆえ科学実験の美しさを理解する力は、美それ自体がもつ、より根源的な意味に改めてきづかせてくれる。
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科学史にその名を残す名実験の数々。
シンプルな美しさであれ、精密な美しさであれ、これらの実験はなにかしらの「美しさ」を持っている。
世にも美しい科学実験たち。
名実験はある日突然、天から降ってはこない。
それは、たゆまぬ努力、豊かな発想力、生真面目さ、忍耐、・・・そうした、科学者の性質と日常とから生まれたにちがいなく・・・
彼らの(とても超人的なあるいはとても変人的な)日常を知ることもこの本の楽しみ方のひとつ。
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著者が2002年、国際的な科学雑誌『フィジックス・ワールド』誌上で読者から「一番美しいと思う実験」を募り、最も多く名が挙げられた10の科学実験を紹介している(ちなみに全体では300を越える実験が挙げられたとのこと)。
ギリシャのエラトステネスが紀元前三世紀に行った「地球の外周の長さの測定」から、20世紀の観察技術によって可能になった「1個の電子の量子干渉」まで、年代順に紹介されている。
単に実験の内容を紹介するだけではなく、それを行った人物、時代背景、当時の学問を取り巻く状況などがドラマチックに語られており、読み物としても十分に面白い。
そもそも科学実験にとって「美しい」とはどういうことなのか。これは本書全体を通じて繰り返し問われるテーマだ。著者は実験が美しいと見なされる条件をいくつか提示しているが、科学の価値観は合理性のこそあると信じる人々を説得できるほど、美は定義可能な概念であろうか。
しかし少なくとも私は、ある種の科学実験に美しさを感じることになんら疑問がない。最後に紹介されている「1個の電子による二重スリット実験」は、抜きん出て多くの読者が推薦し、訳者がその写真を見て涙を流したと語っているように、私も震えるほど衝撃的な実験だと思う。博物館でフーコーの振り子を見かけたら、足を止めずにはいられないだろう。
実験に美しさは間違いなく存在するだろう。しかしそれが美しいことを証明するのは、実験そのものを説明することよりずっと難しい。可能な方法があるとすれば、実際に見せること以外にない。
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科学史上美しい実験のアンケートをとり、それを元に著者が選んだ10の科学実験
この特集を組んだのが物理系ジャーナルだったのと、おそらく歴史の流れ的に、物理実験が多いです。
重力や光の干渉とか・・・
一番印象的だったのは、地球が自転している事を示した「フーコーの振り子」
地球が自転しているなら、振り子は時間経過とともに少しずつその軌跡がずれていく、というもの。
振り子の先に尖った芯のような物を付け、振り子を揺らし、下に砂を敷いて軌跡を見ると確かにずれていく。
それを見た瞬間に、動いている振り子のずれから、地球の自転まで考えが及ぶのだろうか・・・
実際にその実験を是非見てみたい。
有名なものからあまり聞き慣れないものまで様々(といっても10個だけど)
昔の実験については特に、科学史上重大な発見をした人って偶然ある現象を見たり、ひらめいたりして新たな原理を発見する、というイメージがあったけど決してそうじゃないと分かった。
それはあくまで「なぜ」の段階であり、そこからつき詰めていくための過程、それを証明するための方法。
そういった事をクリアできた人だけが新たな発見をしている。
今は生物系の発展が騒がれているが、生物系の実験ってインパクトはあるけど美しさはなぁ・・・
あ、でも、美しさ、っていう言葉の定義とそれを科学実験とどう繋げるか、というのはそれだけで一つの問題なんですね〜
その事については本書の章間のコラムを参照してください!
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移り変わる刹那
世界を測る
球を落とす
アルファ実験
決定実験
地球の重さを量る
光という波
地球の自転を見る
電子を見る
わかりはじめることの美しさ
唯一の謎
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『美しい実験』とは、
1.基本的であること
2.
3.決定的であること
地球の外周の長さの測定
フーコーの振り子
ラザフォードによる原子核の発見
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科学とは美しいモノである
宗教めいた言及ととられるかもしれないが、
自然現象を細分化し、詳細を覗き見ることができたとして
それが美しくないわけがないということは容易に想像できる。
神がムダをつくるはずがないという考えを前提とすれば。
もし、不均整なものがあるとすれば、
もっと考えろ。ということだと思う。
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サイモン・シンなど訳してる
青木さんの訳書。
だから登録しておいた。
ブクログでもレビュー数があり、
やっぱり人気なんだなぁ。
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実に面白く、さっぱり理解できない
素敵な本です。
後半は
電子やら粒子やら原子なのでね。ほんとさっぱりわかりませんが
実験後各分野の研究の裾のが広がったという実験たちのようです。
へぇーな感じですね。
前半はガリレオの実験やニュートンの光のやつなので
多少知ってる情報があるので面白く見れます。
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意外と内容が難しく思えた。
しかし、『もうひとつの「世界でもっとも美しい10の科学実験」』よりは、まだ読めた。
科学や実験が好きな人には楽しめる本なんだろうな。 なので、興味本位で楽しめるようなものではない。
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著者が国際的科学雑誌《フジックス・ワールド》誌上で行った「もっとも美しい科学実験」についての読者アンケート調査から生まれた一冊。「もっとも重要な科学実験」ではなく「もっとも美しい科学実験」であるところにとても興味が惹かれました。
「美しい科学実験」とは何か?
著者は本書の中で美しい実験がもつべき要素として以下の3つをあげています。
①【深い】事柄を明らかにし、我々の知識を塗り替えるようなかたちでそれを成し遂げること
②実験を構成する個々の要素が【効率的】に組み合わされていること
③一般化や推論をしなくても、結果がはっきりと示される【決定的】なものであること
これらの視点にもとづいて、本書で選定された10の科学実験一つ一つについて、その時代背景や実験そのものについてとても丁寧に掘り下げられた記述がなされています。
これらの一つ一つの実験についての記述だけでもとても興味深いのですが、本書の一番の特徴は科学的な視点と哲学的な視点の両方の視点が高い次元で融合している点ではないでしょうか。
本書の終章で著者は、プラトンの美に関する主張を引き合いに出しながら、以下のように述べています。少し長いですが、本書を表現するにふさわしいと思いますので、ここに引用させて頂きます。
「古代ギリシャの人々は、美しいものと芸術作品とあいだに特別な結びつきは認めず、美しいものとは、何であれ価値のあるもの、見るに値するもの、それ自体として存在する意味のあるもののことだった。
つまり、美を装飾や華麗さとに関係においてではなく、法則・制度・魂・行為といった模範的なものとの関係において捉えた。
その結果として、「真」と「美」と「善」とに密接な結びつきを認め、それらは互いに絡み合い、共通の根元において分かちがたく結びついていると考えた」
本書は決して読みやすい書とは言えません。文章はとても読みやすくエキサイティングなのですが、読むものに多少の事前知識を要求する書であるからです。
科学・哲学両面での基本的な知識が不足している私には、1回読んだだけでは、まだまだ消化できていないと感じています。
しかし、基礎的な知識を調べたり、学習しながらでも、今後2回・3回と読み返し自分なりに消化したい・・・そう感じさせてくれるテーマと内容を持った貴重な良書であると思います。