紙の本
魅力的な誤読
2008/09/14 10:06
9人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン エトセトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ところで、著者は「速読法」に怨みでもあるのだろうか。速読批判にかなりのページと労力をさいている。それは、スローリーデングとの対比の枠を超え、あたかも「速読法」をマスターしようとして、騙されたがごとくであるような速読に関する知識の豊富さである。
そもそもスローリーディングという言葉とテクニックという言葉には、概念において違和感がある。著者は「違和感こそ大切に」と主張するが「スローリーディングのテクニック」などと表現されると「引用のオンパレード」を隠すためではないかと疑いたくもなる。
「読書には時期がある」と説明され、本書を読むには早いのか、その時は永遠に来ないのかはべつにして、私には、時期ではないと感じた。
ただし、せっかくなので、良い面もとらえておこうと考え直した「読んだという行為に意味があるのではなく、一文でも堪能できたかどうかが人生において大切である」と行間から強引に読んだからだ。
「書き手の視点で読む」「記憶に残る読書、印象に残る読書」「本の価値は再読することにあり」「問いかけは読者の声の代弁」「助詞・助動詞こそストップポイント」と著者の言うとおり「遅読は知読」であることがよくわかる。
きわめつけは「”なぜ”と考えてみることはスローリーディングの基本である」
本書自体に「なぜ」と考えさせられることが多いのはわざとだろうか。いづれにしても本書がスローリーディングに耐えられるかどうかは、この一文で明らかになった。星ふたつ。
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「読むのが早い」が故に、あんまり内容を覚えてないなあ、と感じていた時にちょうど発見しました。
本書ではゆっくり本を読むことによって、考える力をつけ、深く掘り下げて本を読むことの大切さについて書いています。目から鱗な1冊でした。
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速読の対極にある、「スローリーディング」
本をゆっくり読むということの意義と楽しさ深さに、
気づかせてくれる一冊です。
速読が情報収集・検索と知識を高速に溜め込むための
読書とするなら、スローリーディングは、
地道ではあるが着実な体験としての読書であり、
また、ゆっくり読むことは、著者との対話であり、
個性的な読書のために不可欠であるとのことです。
また、ゆっくり読むことで、自分と相反する考えの
を記した本であっても、なぜかをじっくり考えることが
できるため、自分の幅を広げる上で重要だとのこと。
この本の後半では、具体的な小説を例に取り、
スローリーディングの実践方法について解説してあります。
私自身は、速読を否定するつもりはありません。
ただ、自分が本を読むときは、常に目的を持って、
それに応じた読み方をしようと感じました。
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大学受験の時、時間を惜しまず現代文の難しい論文を一行一行丁寧に読んで、細かくチェックをつけて、ひたすら論理構造を突き止めようとしていた。
わからない単語は全部ノートに書き出し、1つ残らず調べた。
一年経ち、気づいたら読解力がものすごく上がった。
速読なんかしていたら出来るはずのない、奥深い読みが出来るようになっていた。あれはものすごい知的興奮だった。
丁寧に読んだ人にしか得られない感動。
丁寧に読んでくれた人にしか教えてくれない秘密のメッセージ。
大学に入ってから、時間を理由に、そんな全力で立ち向かうスローリーディングを怠ってきた。
いつも70%くらいの力だったかも。
ってこの本を読んで実感。
速読した本の内容なんて1ヵ月後にはほとんど覚えてない。
死んだ時間を過ごしたようなもんだ。
結果としてスローリーディングが頭を豊かにする近道なんですね。
あぁ当たり前のことなんだけどなぁ。
今一度読書の仕方に喝を入れる良い機会を与えてくれました。
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速読とは違い、本を熟読、読み返すことにより、著者が伝えようとしているメッセージに気づく方法を教えていただきました。
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「考える力」を養うことは、万人のニーズではないでしょうか。この本は、「考える力」を養うためのエッセンスに溢れています。確かに、速読は、昨今の情報が洪水のように溢れている社会おいては、情報の量を自らに蓄積するための手段として、誰もが身につけたいと願う技術でしょう。しかし、速読によって、「考える力」そのものは身につくでしょうか。「考える力」を身につけるためには、結局のところ、良質な本と出合い、長い時間をかけて、作者の声に耳を傾けること、そして、作者と対話することが一番の方法だと思います。そのことを再認識させてくれた良書です。
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巷には速読本ばかりあふれていますが、本書はそれらの本に対して真っ向から反対しています。確かに本を一冊一冊丁寧に読むことによって、その描写の背景を追っていけるので、極上の読後感を得ることが可能になります。
本書の言わんとするところは、疑問を持って本を読みすすめることと、わからない部分をわからないままにしないことに尽きるでしょう。
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「速読術」ブームの最中、この本を読んでその考え方が大きく変わりました。同著者の「葬送」がなかなか読み進められなくてストレスを感じていたのですが、スピードにこだわる必要はないんだ、と。精読する為の本を選ぶ必要はあるかもしれませんが。
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速読も別に構いませんが、「味わって」読むのも悪くないのでは・・・というようなことが書いてあります。速読に憧れはあったのですが、この本を読んだら「遅読でいいかなぁ」と思うようになりました。ただ速く読むだけが、本の楽しみ方ではないですもんね。
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速読能力の開発も大事ですが、じっくり読むことの重要性を示唆している本です。
何か一つ、ものすごく好きな本を作るという事は思いのほか大事ということです。
内容は著者のじっくりポイントのお披露目というとことですが、読む価値は十分にあると思います。
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これを読んで なるほど〜と思えることがたくさんありました。
これからは一冊の本を じっくり何度も読んでいこうと思います。
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情報科教員MTのBlog (『本の書き方-スロー・リーディングの実践-』を読了!!)
https://willpwr.blog.jp/archives/50949041.html
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速読恐怖依存症(自分なりの)に陥っていたので天の助けに思えました。
平野氏のように深く読めるようになるには多くを読み考える必要がある。
具体的に応用しやすい考えかたは書いてなかった気がするが、
すっきりした。中学生にも薦めたいくらい万人の良書かと。
しかし、自分がかわるような過度な期待はできないかと。
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一方で自由な「誤読」を楽しみつつ、他方で「作者の意図」を考えるという作業を同時に行わなければならぬ。
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うわ。この本もっと前からよんどけば良かった。
私、ちょっとしたどくしょかのつもりになっていた
本の読み方がかわった本だ