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いつものように、診察にやってくる患者達。鍵のない診察室に足を踏み入れるのは、精神科となれば敷居が高いと思う。精神科を受診する症状は同じでなく、幻聴や過剰服薬、解離性障害・・千差万別だとおもった。
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色々な症例の患者さんをぽんぽんと描いてあり、何となく不完全燃焼。けれど、他人事ではないなあ、と感じたり、知らないことだらけだったり、勉強になった。
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一般的な診療の例や著者の研修生時代の話を通して、精神科医療がどのようなものなのか、またどうあるべきなのかなどがさくっと述べられている。
読んでいて一番印象に残ったのが「麦茶」。
母と息子が共に統合失調症を患いながらも2人だけで生活しているところへ訪問する保健婦に著者が付いて行ったときの話だったが、本文にもある通りこのような生活をしている人がいることを忘れてはいけないと思った。
本の後半の方では震災についても述べられている。
精神に抱えている問題は、医師や社会制度に支えてもらいながら自分で何とかしていかなければならないものなので、この本に書かれている個々の患者の例に単純明快な解決策が示されているわけではない。
患者の例を見ていると、昔の自分を思い出してイライラしたり悲しくなったりしたので、読んでいて辛くなりそうな人は要注意かもしれない。
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そんなつもりはなかったけれど「PDDの妻たちへ」が身につまされて涙がでてきてしまった。家族を診察室に連れていくために、時には自分が病気ということにしたり、波風が立つのを承知で孤軍奮闘したり。ドクターはそのことをわかってるのだろうか、と思うこともあるのでこうやって文章にしてエールを贈ってくれるだけで頑張れる気がする。
個人的には、このドクターが研修をしたERで父は看取っていただいたので、ドクターたちの大変さはよくわかるし、腑に落ちる部分も多々あった。
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精神科救急ってなんだろうと思っていたところ、目に入ってきた本。
精神の病を発症するまでの生活環境から、社会的な状況、医師がどこまでかかわれるかなど、色々と考えさせられました。
仮眠室や救急対応の話など、研修医の過酷な部分も書かれていて興味深かったです。
今まで、うつ病や統合失調症など個々の病気の本は10冊以上読んできましたが、入口でこの本に出合えばよかったかも。
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シリーズで読んでます。
「かっこよく白衣をなびかせる自分」を空想
笑えました。
肉親の死、 ODが止まらない、幻聴に苦しむSz、自殺未遂
重々しいことが読みやすくサラリと描かれてます。
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2011.09.15. クラスメイトに借りて。冒頭から、遺族の方の話で、実は、身近にそういう人がいるので、読んでいて辛かったです。タッチが軽いめなので、さらっと読める。
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どのエピソードにも、治療の難しさとともに、著者自身のつらさや迷い、やるせなさが率直につづられていて好感が持てます。
”ファイル5 麦茶”のような家庭が、たぶん私が考える以上にたくさんあって、こんな風に支えている人たちがいるんだとしたら、同じ時代に生きている者として私には何ができるんだろうか。
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基本的には最初に出たエッセイ後のエピソード(フィクションだと強調されてはいるが)。
今回は中越沖地震、阪神大震災時のエピソードもあり、そしてこの原稿を脱稿した直後に東日本大震災が起こった(あとがきより)。
震災で家族を失った人、自殺で失った人などさまざまだけど遺された重みは何年経ってもあたりまえだけど拭えないということが切ない。
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精神科ERの2冊目
備瀬先生は精神科救急センター勤務から、クリニックを開業され
より精神科のかかえる、矛盾から救急センターでの研修医時代の話など12章に渡って書かれている。
今年間3万人もの自殺者を抱える日本社会だけれど
うつ病を患いながらも、会社は休めないとい人がほとんどだ
そして、自殺され残された家族の心のケアも問題になっている
うつ病は社会に受け入れつつあるけれど、統合失調症などは
まだ偏見も多く、投薬、入院、陽性期の現状の救急対応などは
患者の心に深い影をおとす
それとBDDの問題リストカットや薬の多様服用
はいまだに、服用しないだけ処方するしかないのである
精神的に治療を構築しようとしても、なかなか限られた時間の中で
は難しいものがある。
あと大人のPDDは人口の0.6%にものぼる
学生の間は勉強ができてもちょっとかわった子ですんだものが
社会にでて顕著になるのである
これは少ない数とはいえない。コミュニケーションがとれない
話がかみあわない、自覚症状がないため来院しないなど
問題は山積みだ
胸が潰れそうな痛ましい話もあり。ここに書くこともできないくらいだ
普通の生活を送っていても精神に変調をきたす事は誰にでもあることだ
先生も患者の理不尽な言い分に怒ったりしながらも
回復を信じて傾聴しづづけるのだ
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ノンフィクションだけに「読書」というには、おこがましいのですが・・壮絶な内容だった。
会社でもメンタルヘルスの研修とか最近は増えているが、精神や心の病にかかる人が多い。
いざというときに、自分に何ができるということでもないが、そういう人をまず理解できるかどうか。
そこから1歩進むべきだと思う。
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精神的につらいときの解決方法がかかれているわけではない。
みんななんとかかんとかやってるんだな、と再確認した次第。
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実際の精神科医がどのようなことを考えながら診察にあたっているかがよくわかった。フィクションとあるがリアルな患者さんとのやりとりも良かった。短編集になっていてとても読みやすかったので他の本も読んでみたい。
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精神科ERに勤めていた先生が、個人で開業をされて、鍵のない診察室で診察を始めた後の話。
でもどちらかというと、慢性期の人の話ではなくて、急性期と慢性期の人のボーダーの話が多めです。
それと、先生が研修医だったころのお話も少し。
読んで思ってたのが、これが私の知ってる精神科だなあ……と。
私の知ってる世界だ……と思いました。
でも、行政の保健師が行くのは訪問看護扱いはしないと思うのだけれど……と、そっと付け加えておきたいけど、沖縄ではそう呼ぶのかな?
精神科の入院の基準は自傷他害の危険性ってことになるから、私は結局、いつまで経っても入院できないわけだ(死ぬ気はないし、他人を傷つけるなら自分が死ぬことを選ぶけど、そもそもにして他人を傷つけたいとは思わない)。
なんか、そういうルールがこういう本で、もっと広がればいいなあって思います。
だって説明するのめんどくさいし。
まだまだ偏見がいっぱいあるから。
でもこういう本って結局、興味がある人しか読まないんだよねえ……。
難しいです。
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2014年の70冊目です。
精神科医である著者:備瀬 哲弘の前作「精神科ER」の続作です。
精神科とERが結びつくイメージを持ちにくいと思います。
精神的に急激に悪化していくというより、継続的な精神的不調が続くことで、突発的に(周りにはそう感じられる)発現する行動に対処が必要だということです。
代表的な事例が”自殺”や”自傷行為”です。幻聴に悩まされている人は、突然意味不明の事を叫んだりします。
こういったケースで、警察へ通報されると、普通の人の行動基準と異なるため、精神科への緊急入院措置が取られるのだそうです。そして、そこでベットに拘束具で縛られ、病室に鍵を掛けるんだそうです。そういった経験をした患者さんは、二度と病院に入院したくないと頑なに拒まれるようになるそうです。鍵の無い診察室で診療ができているうちは、その人にまだしも寄り添ってケアーができます。
精神的な疾患には、多くの種類があります。統合失調症や広汎性発達障害(代表的なものではアスベルガ―症候群)や一時的な抑うつ状態など。
これら精神的疾患に対しては、多くの場合、完治させる薬があるわけではない。その時その時の患者さんの状況に寄り添う以外に方法は無いようです。いくつかの事例が紹介されていますが、どれも切なくなります。
相手の気持ちに、迎合するのではなく、寄り添うことは、自分の身近な人に対しても難しいことだと思います。精神的な状態におけるダイバシティーが広範になりつつある現代において、この精神科医のような人への接し方が望まれているのでしょうが、ハードルは高い。